食後のひと時に…笑顔を
「喜んでくれたみたいでよかったよ。ちょっと不安だったんだ笑
好評で良かった!」
二人共笑顔で頷いてくれてる
「めいのお気に入り!ほんとこれ美味しかった!また食べれると思うと来るのが楽しみ!」
そんなに気に入ってくれたんだぁ
あ、そうだ
まだメニュー名考えてなかったしぃ
俺のカフェらしくぅ
「よし、ショートケーキは『めいちゃんのお気に入りケーキ!』に!めいちゃんありがとう。でいいかな?」
あ、びっくりしてる
何故かよろけたように見えたけど見なかったことにしとこ
何故あたふたして考えて、悶えてるんだ
プルプルしてる
あ、rinちゃんの飲んでたワインふんだくって飲み干しちゃった
「…っんはぁーーーーー!!!ふぅ…落ち着いた。よし、大丈夫。」
いやいやいや、なにが大丈夫かわかんないし!
rinちゃん空になったグラス持って遠い目してるし!
てか、ワインってそんな風に飲むもんじゃないし!
「メニュー名に私の名前使って頂いてありがとうございます!ケーキはほんとにほんとに美味しかった!
今日はサービスしたりしてくれて、何から何までありがとうございます!」
この言葉を言うためにあの一連の動作があった訳ね?
rinちゃんにとりあえず謝ろ?ね?
「はぁ…まぁめいちゃんだからなぁいっか。」ボソッ…
いやいや、聞こえてるから
むしろいいんかい!
いっかって言いながら遠い目してるけど!?
「でも、ほんとに美味しかった。このチョコレートケーキはビーターでほろ苦いけど苺の甘酸っぱさがたまらん。
一押しやね、胸張って言えるでぇ!」
rinちゃんから一押し頂きましたぁ!!
「rinちゃん、ありがとう!
じゃぁそのチョコレートケーキのメニュー名は『rinちゃん一押し!チョコレートケーキ!』に決まりだね!」
あ、めっちゃ笑ってる
いや、むしろゲラってる
確かになにそのネーミングセンスって言われr…
「なんなん!?そのネーミングセンス!バリウケるんやけど!笑」
被せられていくぅ!!
うん、言われたね
心の声が聞こえてたのかな?
被せ気味で言われたよね
お腹抱えて涙流してる
嘘やん、そんなに笑う?
「はぁーはぁーはぁーしんど笑
ふぅ、でもええの?嬉しいのは嬉しいんやで?
でもせっかく自分で作ったのに好きなメニュー名やなくてええの?」
あぁこの子そんな事まで考えてくれるんだなぁ
めっちゃいい子やん
「ううん、このメニュー名が良いって思ったんだ。他の人達に文句は言わせんよ。
俺が決めたんだこのショートケーキとチョコレートケーキの名前はこれで決まり!」
これから先、きっとこの2人にはお世話になるかもしれない
まだなにもわからないし、続けられるかもわからない
だからこそ、初めて来てくれたこの2人には色々お願いするかもしれない
これから来るお客様も同様だけど、大切にしていかなきゃいけない
大切な人達。
「そうだ、このケーキ。せっかくだからお土産で持って帰って?
あんなに美味しそうに食べてくれたからさ?それとハーブティーの葉を一緒に入れとくね?」
rinちゃんめっちゃ嬉しそう笑
ほんとケーキ好きなんだね?
え、ちょ、めいちゃん?カウンター壊れる
めっちゃガンガンいってる
めいちゃん?落ち着いて?ね?
お願いだからだ!!落ち着いて!!
「え?!ほんと?!わーーー!!やったぁバリ嬉しいんやけど!ショートケーキももっと食べてみたかったんよ!」
すごくいい笑顔
見てるこっちも笑顔になる
「いや、そんな、わしなんかにそんなの勿体ない!なんも返さんから!でもせっかくだからありがたく頂戴します!」
うん、わしって言ったよね?
それに遠慮してる風にめっちゃ喜んでくれてる笑
よかったよかった笑
「ちなみにハーブティーはジャスミンとレモングラスをブレンドしてあって、香りもいいし、朝食に飲んでもスッキリしてて飲みやすいと思うから。次からは有料だけど言ってくれれば色んなブランドも作るね?今日はほんとにありがとう。」
そのあと2人にケーキとハーブティーの入ったスィーツボックスを渡して見送った
また静けさの戻ったいつものお店に戻った
でも楽しかったあのひと時を思い出しながら片付けをしていると
2人がいた席に銀色のスプーンが落ちていた
それはとても綺麗で曇りもなく輝いていた
「…ふふ、またスプーンが落ちてるよ。でもありがとう、スプーン頂きました。ゴチです」
これにて、本日の営業は終了です
またのご来店をお待ちしております…