閉ざされた真実
「だってさっきの移動の時間、誰にも聞いてないのに場所が分かってたり海紅の名前知ってたんだよ?
名札や名簿もないし教えてないのにおかしいじゃん」
「え?そうだっけ・・・」
そういえば、そんな気もする。
なぜ海紅の名前を知っていたのだろう。
「それにはるかちゃんの苗字であんなに驚くなんて
何かあったのかなぁ、知り合いだっただけかな?」
「・・・たい」
「え?何か言った?」
「もう1度立花さんと話したい。
なんかやっぱり引っかかるの。お願い、海紅も来て」
やはりこれが得策だろう。
分からないことを考えたって仕方が無い。
それなら聞いてしまった方がいい。
「うん!んじゃお昼休みに誘ってみようよ!」
「それがいいね、そうしよう」
相変わらず立花さんの事が引っかかって
授業なんかに集中出来ない。
何か立花さんからオーラを感じるんだ。
それに、何だか見覚えのあるような気がする。
まぁ見覚えがあるというのは流石に
考えすぎだと思うけど・・・
あっという間に昼休みになった。
「じゃあ、海紅話しかけてくるね!」
「ありがとう、お願いするね」
海紅が立花さんを誘っている間に
3人で食べられるように机を並べる。
いつもは2人だから中庭のベンチで食べるけれど。
「はるかちゃん!立花さん呼んできたよ!」
「ありがとう海紅、立花さんこっち座りなよ」
「ありがとう、あと呼び捨てでいいよ?
菜々乃って呼んでよ」
「うん!それじゃあ食べようか!海紅お腹すいた!」
「分かった分かった、食べようか」
「「「いただきまーす!」」」
「たちば・・・菜々乃ってどこの学校にいたの?」
菜々乃のことについて聞いてみる。
それで流れで昨日のことを聞ければ・・・
「あ・・・よ、横浜の高校にいたの」
「そうなんだ!結構近いんだね!
海紅の家、神奈川県に近いから
会ってたかもしれないね〜!」
ここの高校は東京都内の高校だ。
そんなに遠くないのに引っ越す必要は
あったのか?と思ってしまったけれど
まぁ家庭の事情ってやつなのだろう。
「あれ?そういえば、菜々乃ちゃんはパンなんだね
お弁当作らないの?」
「今、ダイエットしてるからあまり食べられないの」
「えー!今でも充分細いじゃん!
海紅より背は高いけど体重は菜々乃ちゃんと
変わらない気がするよ〜」
「確かに菜々乃、細身だからダイエットなんて
しなくても充分キレイだよ」
菜々乃はスリムだし、顔も私や海紅より
大人びて見える。それに美人だから彼氏とか
いそうな感じ・・・
「うん!彼氏とかいそうだよね!美人だから!」
海紅、お前が聞くんかい。
「ウフフ、私、彼氏は出来たことないの。」
「えっ意外だなー!絶対いると思ったのにぃ」
「菜々乃キレイなのに!」
菜々乃で彼氏がいないのなら世の男子は
一体どんな人を好むのだろう・・・
「そういえば、聞きたいことがあるんだけどね!」
海紅が聞いた。さっき言っていたことだろう。
「なんで昨日、海紅の名前知ってたの?
菜々乃ちゃん海紅のこと知ってたっけ?」
「・・・ッ」
沈黙が五秒程続いた所で菜々乃が口を開いた。
「本当のことを言ってもいい?」
「ほ、本当の事って何!?何か隠してるの!?」
まさか本当に何かあるとは思わなかった。
担任の先生が紹介してくれたとか下駄箱の名前とか
そんな事だろうと思ったのだけれど。
「私、実はね・・・」
to be continued・・・