新しいもの
ハーレムってこうゆう事を言うんだろうな…
俺は演劇部に来た瞬間にそう思った
桜が咲き、小さな小学校から離れ…
今までの思い出を噛み締めながらいつもとは違う通学路を歩く
そう…そして俺は大きな舞台へと飛び立…
「ひぃぃぃぃぃ!!!」
「かな、落ち着きなってば」
「やだやだヤダ!!!!中学とか無理!!!!上下関係とか死ぬ!!!!!」
「先輩との恋愛が夢って言ってたじゃん…早く行くよ」
「楓の馬鹿野郎!!!!!」
人が思いにふけている時に…
このアホそうなやり取りをしている2人。アホでも俺の大事な人だ。アホだけど。
中学校をすごく怖がっているアホは、俺の双子の姉。奏美。
もう一人のほうが楓。姉の幼なじみの事もあって、色々と関わりがある。
にしてもうるさい。うるさすぎる。
ナンダコイツラ。
しかし、中学生から近い俺達の地区は、15分位歩けば学校へついてしまうのだ。それまで我慢すればいい…けどやっぱりうるせぇ…
やっとの事で学校につくとクラス別の紙が貼られている。
「かーなーみーーーッッッッ」
「あぁぁっっ!!瑠美ちゃぁぁぁぁん」
奏美の友達らしき奴が走ってきた
会った瞬間に抱き合ってる…
女子ってこーゆー面倒くせぇよな
…ま、俺は男だし関係ねぇけどな。
「奏美!!ウチら一緒のクラスだよ!!」
「嘘!!やった!!!!」
「6組だった!!ヤバイヤバイやった!!!一緒に教室行こ!!!」
俺と楓をそっちのけで話す二人。
俺は別にいいけど…楓が怒ってるの気づかねぇのかな…
「そういえば、奏美の双子ちゃんも一緒だったよ」
「だってさ!すごくない!」
オレの方をキラキラしながら見つめてくる…俺的にはどうでもいいんだけどな。
「それよりさ、みんなは部活決めた?」
今まで黙っていた楓が口を開いた。
「んーとねぇ、瑠美は吹奏楽部!」
「ちなみに私は演劇部。かな達は?」
「私は…まだ、わかんないや、」
一人だけ浮かない顔の奏美。
ちなみに俺も決まってない。
奏美と同じ部活にするから。
帰宅部希望だ、と親に伝えると、それならば奏美と同じ部活にしなさい。と言いつけられたのだ。
ま、どうせ美術部とかだろうけどな。
この時、俺は完全に美術部に入ると思っていた。
それ以外の部活の可能性はとても低いし、そもそも、ありえないとも思っていた。
あまり期待する事もなく、俺はまだ綺麗な白い靴を下駄箱にそっと入れた。
〜弟の目線から〜
続く