昔々あるところに_001
昔々あるところに_001
昔々あるところにモグさんという貧しい青年がおりました。
モグさんは、ある日「黒猫堂」という骨董品屋で、
「何でも望みを叶えてくれる神様」の像を見つけました。
神様は高さ20センチほどの白い像で、ひげを生やした老人でした。
「じゅうまんえん」という値札が付いていました。
モグさんは神様の像をカウンターに持って行くと「これください」と言いました。店主は「じゅうまんえんだニャ」と言いました。カウンターに座っていたのは猫でした。
モグさんは十万円を払うと、神様の像を小脇に抱えて自宅に向かいました。
マンションの扉を開けると、真っ暗でした。
電気代を払っていなかったので電気の供給を止められていたのです。
モグさんは「ああ、明かりがほしいなあ……」
と、ついつぶやいてしまいました。
すると「その願い、聞き入れたぞ」神様の像が、急にしゃべりました。
すると、そのとたん、部屋の明かりが全部点灯しました。
もぐさんは、急におなかがすいてきました。
そして、うどんを食べたくなりました。乾麺のうどんが棚の上に残っていましたので、それをゆでてうどんを作ろうと思いました。しかし、ガスのレンジをひねってもガスが出ませんでした。
ガス代を支払っていなかったので、ガスの供給を止められてしまっていたのです。
「ああ、ガスが使えたらなあ……」
と、モグさんはつぶやいてしまいました。
「その願い、聞き入れたぞ」神様の像が、いいました。
すると、そのとたん、ガスレンジが使えるようになりました。
モグさんはほっとして、うどんをゆで、醤油とみりんと鰹だしで味付けすると食べました。
すると、きゅうにおなかがぐるぐると鳴りだし、トイレに行きたくなりました。モグさんはトイレに駆け込みました。そして、うん!とりきんで大きなうんちを出しました。
ところが水が流れません。モグさんは水道料金を滞納していたので、水道を止められてしまっていたのです。
「ああ、水道が使えたらなあ……」
と、モグさんはつぶやいてしまいました。
「その願い、聞き入れたぞ」神様の像が、いいました。
「そのとたん、じゃばああああと水が流れ出しました。
モグさんのうんちは便器の穴に吸い込まれていきました。
「三つの願いを叶えた。さらばじゃ!シュワッチ!」
そういって、神様の像は、天に飛んでいってしましました。
あああああああああああああああああああああああああああああああ