兄弟達の挽歌:1
東京郊外にあるベットタウン。
聳え立つマンション郡の中にほんの小さなデットスポットがある。
マンションとマンションに挟まれて出来てしまったほんの小さなスペース。
そこは綺麗に整備され、一本の立ち木と小さなベンチを設えた今では、買い物帰りの主婦がひと時を楽しむ憩いの場となっていた。
そこではいろいろな会話が飛び交う。
昨日の晩御飯のメニューから最近みたドラマの内容、はたまた旦那の会社の話や隣近所の色恋沙汰まで。
そんなありとあらゆる小話が乱れ飛ぶこの場所に場違いな物が一つ。
「あれ…あれって何かしら?」
最初に気がついたのは話に夢中になっていたはずの主婦だった。
昨日来た時には無いモノが此にある。
ベンチの後ろにひっそりと置かれたソレは二重に重ねられた黒いゴミ袋だった。
なにやらずしりとしたモノが入っているようで、べしゃりと袋は潰れて広がっている。
主婦は憤りを感じていた。何故こんなところにゴミを捨てるのかと。
綺麗に皆が此を使っているのに、ルールを破る奴がいるとそれが蔓延するのではないかとそう思ったからだ。
盛り上がる話を中断し、ひょいっとゴミ袋を持ち上げる。
親切心で捨ててやろうと考えたのだ。
私ってほんといい主婦。
そんな風に思っていたかもしれない。
しかし、持ち上げてみると、ソレは想像していたよりもはるかに片側がずしりと重く、主婦は思わず手を滑らせた。 手から離れた袋は地面に打ち付けられ、もともと緩く結ばれていた袋の封印を破った。
そして中からゴロリ…と重さの原因が姿を現した。




