そのはちっ! 臨海研修旅行の話と転校生
新キャラが増えます!・・・さて、元悪魔は一体どの悪魔でしょうかね・・・?
そしてタイトルにある臨海研修学校はちょっとしたら出てきます。すぐには出てきません。
「ダーリン、嬉しい話とそうじゃない話があるのです」
突然抱きついてナタリアが切り出した。・・・いい話と悪い話?
「いい話から先にくれ」
「いい話は・・・再来週月曜から臨海研修旅行があるのです。盗み聞いた話によるとその間は異性交遊OKだとか」
「どこがいい話だ」
「私にとっていい話なのです」
「・・・で?他にないのか?」
「あとあと、転校生が来るとか。性別までは分かんなかったのです」
転校生・・・もしかしたらもしかしなくても・・・
「・・・どの道悪い話じゃねぇかよ」
「あり?」
「で、悪い話ってのは?」
「夏休み明けに期末テストがあるとのことなのです」
「・・・悪い話しかねぇ・・・」
俺はもう、机に突っ伏すしか取るべき行動がなかった。臨海研修旅行の異性交遊OKだと俺どうなる分かんねぇし・・・転校生つったら俺が『面倒見ろ』なんて話になりかねないし・・・テストなんて死亡フラグじゃねぇかよ・・・
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そして朝のSHR。俺にとって多分決定的に疲れ果てると思う時間が来た。
「うーい、さっさと席に着けー。SHR始めるぞー」
そうして担任が入ってきた。ノリのいい俺のクラスメイト達は軍隊のように席に着いた。・・・はっきり言う、足並みが整っていた。
ちなみに咲夜華とナタリアは俺をはさんだ両隣りだったため、俺を挟んで火花を散らしていた・・・。俺、もしかしなくてもその内心筋梗塞起こしそうな気がしてきた・・・
「うーし、今日は連絡が何個もあるぞーまずは臨海研修旅行の話なー」
ナタリアの話通りマジであんのかよ・・・
「あー、臨海研修旅行の間に恋人同士になっても構わないが、節度くらいは守れよー」
・・・そして異性交遊がOKとな・・・
「榊ー、お前もう付き合っちまえよー」
「そうだそうだー!お前もう嫁さん二人いるんだからよー!!」
「ばっ、嫁って!?いねぇよそんなん!!」
タイミングを見計らったかのようにいつもの冷やかしが入った。前は別のやつだったのに・・・!畜生・・・
「あー静かにしろー。茶化すなら休み時間にしろー」
そしてアンタは止めないのかよ!!
「んでテストの話もしとくぞー。夏休み明けすぐにあるからなー。範囲は・・・夏休み前に配る。面倒だから」
・・・安定のめんどくさがりあざーす。
「んで、最後の知らせだー。今日は編入生が来た」
「女ですか!?女子ですか!?それとも野郎ですか!?」
「お前らの期待通りだ、安心しろ」
刹那、クラス中が歓喜した。ただ、その内容が・・・
「よっしゃー!榊を思いっきりいじれるネタがキター!!」
「いやいやそこは擁護すべきだろ!?少しずつ教え込んでいって・・・だろ!?」
「どの道榊乙だな!!」
・・・というもの。女子に至っても・・・
「榊君が頑張ってくれるから大丈夫だよね!」
「榊君優しいからねー」
「Mrハーレムだからねー、女の子には優しいからねー」
・・・誰も擁護してくれる人はいなかった・・・
「ダーリンを差し出すわけにはいかないのです!!」
「そ、そうだよ!!敏豪君が何で女の子の面倒を見ないといけないの!?そういうのって委員長の仕事じゃないの!?」
・・・いや、一応いた。弁護にはなってないけど・・・
「とりあえず静かにしろー。うーし、入ってこーい」
指示に従うように、控えめにドアが開く。そして、チリンという鈴の音。
入ってきたのは銀髪が映える女子だった。編入生と言っても外国人っぽい。
「おし、自己紹介しろ」
「はい」
後ろで黒板に彼女の名前を書きながら自己紹介を促す先生と、それに返事をする女子。
「皆さん初めまして、本日付で編入してきましたルナ・ヴェイルフォールと言います。不慣れなところもあると思いますが、よろしくお願いします」
流暢な日本語でしゃべるヴェイ・・・ヴェイルフォール・・・は恭しく頭を下げた。首に鈴付きのチョーカーをしていて、それがチリンと鳴っていたようだ。
・・・あれ?ヴェイルフォール・・・なんかどっかで聞いたことあるような・・・もうちょっと違う聞き方で・・・
「・・・どうしよう、マジ美人だ・・・」
「・・・やべぇ、これマジで誰かフラグ立てんじゃね?」
そういう会話がぼそぼそと始まった。・・・やめてくれ、そういう時は大概俺にフラグ立つから・・・
「つーことで榊ー、今日一日面倒見てくれー」
「なっ・・・!?」
突然振られ、俺は言葉を失った。・・・マジ!?
「つーことでSHR終わり―。次移動教室だから遅れんなよー」
「ちょ、ウソだろ!?」
・・・予想が当たった!!嫌な予感ばっかり当たるってこのことだったのか!!
「・・・ダーリン?浮気したら許さないのですよ?」
「浮気て・・・」
「・・・ダメだからね?浮気・・・」
「・・・へいへい・・・」
この時点で俺はもう机に突っ伏すしかなかった。
ヴェイルフォールは『わ、私、迷惑だったかな・・・』と言わんばかりにおろおろしていた。・・・心配しないでくれ、ヴェイルフォールは無関係なのだから・・・
「あ、あの・・・榊・・・君・・・ですよね?」
「・・・ああ・・・」
「その・・・よろしく・・・お願い、します」
「・・・こちらこそ」
横から来る視線が痛かった。ぐさぐさと来るのが辛い。
次回は・・・『ラッキースケベ羨ましいぞこのヤロー!!』な回です。
この子は・・・一体何の悪魔でしょうか?ヒントは名字に。そこから推測できる人マジすげぇ、です。