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そのさんじゅうはちっ! 激戦、体育祭 その5 負けられないアンカー

大変長らくお待たせいたしました、体育祭編ラストのリレーです。


・・・どこか物足りない気がするかもしれませんが・・・駄文故、勘弁して頂ければ。


続きもちまちま書き綴っておりますので、出来次第更新します。

西条東高校と西条女学院の合同体育祭は、様々な出来事があって進んでいった。応援合戦はほぼ1-Bが目を引き独占状態に(表に出てないのに、ナタリアだったり音羽だったりの声や・・・胸に視線がいったりで)。


玉入れは運動神経抜群な音羽やコントロール抜群な咲夜華がホイホイと籠に玉を入れていた。


そして、男子限定の目玉の一戦、棒倒し(3m程の竹の棒を様々な方法で倒し、天辺に取り付けられた旗を取る競技)では・・・問題が発生していた。



「いてて」

『一樹君、大丈夫?』

「なんてことないって、ただの擦り傷だよ」



棒倒しの際に一樹が膝を擦り剥いたのだ。敵陣一番乗りで突っ込んでいった時、足を引っ掛けられ転んだのだ。



「・・・傷だらけになるのは私だけでいいのに」

「お前はただのドジだろ全く」

『リレー、休む?』

「休まねぇよ、休んだらうちが負けちまう」



痛む足を無理に引き摺る形で立ちあがる一樹。そんな一樹にアリアネルゼは駆け寄って声を上げた。



「む、無理、しないで、ね」

「無理はしないって。それに俺は・・・アンカーじゃねえし」



そう言って一樹はある人物の方を見た。彼の親友であり、1-Bの中で5番目に足の速い男・・・敏豪を。











































〈只今より、最終種目、全学年両校対抗リレーを行います。選手の皆さんは集合してください〉



そういうアナウンスが流れた。選手全員が集合する。その中には当然敏豪や音羽、ナタリア・・・そして膝を負傷した一樹が並ぶ。



「一樹、あんた大丈夫なの?さっきので膝擦ったって聞いたけど」

「普通なら痛がってるって。けど俺は俺だからよ、1年男子最速は俺だぜ?へばってられっかよ」



リレーは男女の順番が混合となっている(女学院側が女子しかいないため)



「・・・トップは・・・あたしか」

「隣がちょっと嫌な予感しかしないけどね・・・」



横が卑怯と名高い女子だったため、不安が募る音羽。そして1年部門合計10人が並ぶ。



「位置について・・・用意!!」



一斉にスタート(クラウチング)の構えを取った。そして、ピストルが鳴った・・・と同時だった。



「きゃあっ!?」



一番最初に動き出したはずの音羽だったが、突然つんのめって前に転んだのだ。










































「あっ!?」



唯一リレーに参加していないルナは、偶然音羽がつんのめる瞬間が見ていたのだ(彼女は情けないことに、直前の競技である棒引きで、左脚に肉離れが発生してしまっていたため、救護テントの中にいた)。



「い、今のは・・・足を引っ掛けてた・・・!」



音羽がつんのめったその理由。それは・・・隣のレーン、卑怯と名高い女子が走り出そうとした瞬間、音羽の脚を見えないように掴んだのだ。・・・が、音羽はそのまま一回転し、走り始めたのだ。



「音羽ちゃん・・・頑張って・・・!」










































いきなり優勝候補だった1-Bの音羽が転んだ、という波乱のスタートとなったリレーだったが、音羽の猛追は他の追随を許さぬものだった。


隣にいた、音羽のスタートダッシュ失敗の原因となった女子に追い付き、外回りで追い抜いた。9位。その後に続くのは・・・若干遅れる形になりかねない男子3人が連続し、咲夜華、ナタリア、一樹、女子2人・・・そしてアンカーの敏豪となっていた(当初はナタリアが敏豪の前だったのだが、敏豪に回る前に大きく差が開いていた方ががいいんじゃないのかという意見を受けて布陣を変えたのだ)。



「・・・くっ・・・!絶対に・・・絶対に負けるもんかぁっ!!」



最後の意地と言わんばかりに速度を上げ、更に1人抜いて1-B男子で4番目に早い男子にバトンが渡った。クラス委員長の采配が良かったのか、その後の男子2人も順位を上げていた。そして・・・



「代永、頼む!」

「うん!」



咲夜華にバトンが渡った。この時、4位。咲夜華の足は1-B女子5番目。下手したら抜かれる可能性があるが・・・



「絶対に・・・絶対に敏秀君に回すんだもん、私が足を引っ張るわけには・・・いかないもんっ!!」




咲夜華も真剣になって走っていた。抜かれまいと、先に走る存在を抜くんだ、と。咲夜華が次の走者、ナタリアにバトンを渡す時には順位は3位に上がっていた。



「リーアフォルテさんっ!!」

「言われなくても分かってるのです、ちっぱいっ!!」



ナタリアに渡るバトン。ナタリアは流石、と言わんばかりの速度で上位を追いかける。そのまま次に回る頃には2位に浮上。そして次は・・・一樹。



「気張りやがれなのです!!」

「分かってるって!!」



一樹はナタリアからバトンを受け取り、走り出した。脚が痛み、本来ならまともに走れる状況じゃない。・・・だが。



(負けられねぇ・・・!アリアが見てる前で負けるわけには・・・っ!!)



一樹は足の痛みを堪え、無理に走り続けた。一歩足を出す度にズギズキと痛む。それでもなお走る一樹。一樹がバトンを回す頃には、脚のハンデを持ちながらも1位に迫るほどだった。・・・が。



「・・・く・・・そっ・・・!」



トラック内部に入った瞬間、一樹は痛みを堪え切れず、ついに足を着いた。すぐに駆け寄ってきたのは雫。



「・・・大丈夫!?」

「・・・さすがに、無理が祟った、か・・・!」



一樹は負傷していない足を曲げて座り込む。少し遅れてアリアネルゼも到着した。



「か、ずき、くんっ!」

「・・・ははっ、無理してこの様だよ」



上手く走者の間を潜り抜けてきたアリアネルゼはすぐに一樹に抱きついた。



「無理、しちゃ、ダメ!足、ダメに、なっちゃう!!」

「・・・悪いな、終わったら保健室、か?」



一樹はそう苦笑いしていた。











































「敏くん・・・頑張るです・・・!」



心愛は順番が迫る敏秀にエールを送っていた。そして前の女子が1位になったため、敏豪にはプレッシャーが募るのは当然だった。



「・・・敏くん・・・!!」











































「榊君、お願いっ!!」

「分かったっ!!」



手にバトンを受け取り、走り始める敏秀。彼も脚は早い方なのだが、如何せん相手はアンカーを走るに相応しいような相手ばかり。



(抜かれる・・・ものかぁっ!!)



敏豪は全力で走る。後ろからはじわじわと迫る他クラスのアンカー。現在ゴールまであと50m。



「く・・・っそぉぉっ!!」



最後のラストスパートをかける敏秀。当然相手もスパートをかけるため、徐々に差を詰められていく。











































「・・・敏豪、勝ちなさいよ・・・!」

「ダーリン、負けるのは許さないのです・・・!」

「敏秀君・・・・!」



音羽、ナタリア、咲夜華は抜かれそうになる敏秀に負けるなと願う。自分達がつないだバトンだから、というのもあるが・・・やはり、好きな相手が負ける所を見たくない、というのもあった。そして・・・ほぼ横並びで敏豪と後続2位(?)がゴールした・・・











































〈ただいま写真判定中です。しばらくお待ちください〉



そういうアナウンスが響いた時。敏豪はゴールした直後トラック上に倒れこんでしまっていた。見るとふくらはぎを押さえている。



「敏秀!!」

「敏秀君!!」

「ダーリン!」



3人が倒れた敏秀に駆け寄った。もしかしたら、という考えに至ってしまったからだ。・・・が。



「・・・あ、脚、攣った・・・!」

「あ、脚!?」



もしかしたらと思っていたら、少し突拍子もない答えが返ってきて力が抜けた音羽。



「・・・あー、ダーリン見てたらあの時より早かったのです」

「と、とりあえず保健室!?それとも少しでも痛みを引かした方がいいのかな!?」

「とにかく保健室連れてくわよ!!」



こうして一樹に引き続き、敏豪も保健室搬送が決まったのだった・・・











































・・・そして・・・



(ただいまの結果をお知らせします。1位、西条東高校1-B。2位・・・)

『いよっしゃあああああああっ!!』



1-Bが接戦を制して勝ったのだった・・・

次回はまた一つ西条東高校が、敏豪が荒れます。周りが戦々恐々します。・・・なんかお決まりなパターンですが。



次々回新キャラ出ます。次回は・・・既に出たあるキャラがとんでもないことをしてくれます。お楽しみに。

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