表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/39

そのさんじゅうごっ! 激戦、体育祭 その2 開会式後~競技開始

長らくお待たせしました、さんじゅうごっ!です。

開会式から競技開始までの間を主に綴っております。ついで程度に競技が行われてますが。

「・・・はふぅ・・・」



グラウンドの一角で、フィーリアは日中傘も含めてずっと日陰になるように設置された屋外用の机のイスにちょこんと座りこんだ。



「フィー、大丈夫?」

「だ、大丈夫・・・ちょっとふらっとしただけだもん・・・」



大丈夫と強がってはいるものの、立てば足はふらつき、背中を軽く押せばすぐにでも倒れてしまいそうな感じだった。



「お、お兄様が、頑張っているのに、わ、私だけ、休んでなんか、いられないもん・・・!」

「でもさ、フィーが無理して倒れちゃっても悲しむと思うけどなぁ・・・」

「が、がんばるもん」



両腕を胸の前でくっと構えてちゃんと宣言する。しかし・・・



「・・・あふぅ・・・」

「わわわ、ほら、言ったそばから!もー」



まるで体調を崩したようにくてんと机に倒れてしまうのであった・・・





































☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★



「ダーリンと同じクラスだったからずっと一緒にいられるのです♪」

「ちょっと脳筋!!敏豪はあたしのよ!?それだけは絶対に譲らないわよ!!」

「違うもん、私のだよ!!二人とも離れてよ!!」

「あ、あの、また敏豪さんが窒息してるような気が・・・ってああぁっ!?と、敏豪さん!?し、しっかりしてくださーいっ!!」



またしても咲夜華・ナタリア・音羽に三方から抱きしめられ、窒息している敏豪の姿があった。ルナはまた出遅れた。


ちなみに名誉会長はというと・・・



「痛いから!!引っ張るなって!!痛たたたたたっ!!!」

「・・・!・・・!!!」

「・・・絶対に・・・渡さない・・・!」



手だけで引っ張る雫と腕に抱きつく形で引っ張るアリアネルゼに引っ張り合いをされて最早半分に引き千切られそうな状態になっていた。ちなみに左腕は完全にアリアネルゼの豊満な胸に埋まっていた。



「だーめーなーのーっ!!」



そして咲夜華が強硬手段に出た。ナタリア・音羽に比べ腕力も筋力も劣る咲夜華は、勢いをつけて二人から敏豪を引き剥がしたのだ。その時すてんと転んで自分が押し倒される形になってしまったが。



「こらーっ!!何誘惑しくさっとんのよーっ!!」

「ゆ、誘惑じゃないもん!絶対誘惑じゃないもん!!」

「というか皆さん!!いい加減敏豪さんを離してあげてくださいよ!!敏豪さんの腕がだらんと垂れちゃってますから!!」



ルナがさらに咲夜華から敏豪を引き剥がし、完全に呼吸を止めてしまった敏豪に対し心臓マッサージ「だけ」を試みてみた(人工呼吸をした途端、絶対自分が叩かれるのが見えていたから)。



「・・・ふん、どうせお前らは水面下で叩き合えばいいのです」

「まだあんたそんなこと言うわけ!?やっぱ脳筋じゃ同じことしか言えないわけ?」

「・・・勝手に言ってろなのです・・・にゅふふ・・・」

「・・・くぅっ・・・!」

「これが勝者の優越権なのです。私はダーリンと(禁則事項です)したりとか(大変お見苦しいものをお見せしております)したりとかしちゃってるのです!!もう私の勝利は確実なのです!にゅふふふ!!」



相変わらずナタリアと音羽の言い合いが起きた。ちなみに咲夜華は・・・



「わわわ、ご、ごめんね敏豪君、お願いだから起きてよ、ねえ、敏豪君ったら!!」



必死に敏豪を揺すっていた。そして当の敏豪はというと・・・



(・・・俺・・・いずれ死ぬのかな・・・)



そう思い始めていた。








































☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★



敏豪・一樹の女子による取り合いが起き、それが宥められた後に、ちゃんと競技が行われた。


一競技目は定番、100m走。全校生徒別なので3回ある。まずは1年生。



「プログラムだとー、1年生からみたいだね。おにーちゃんいつ走るのかな?」

「うぅ・・・私も見たいよぉ・・・」



アンナが体育祭プログラムを独占し、そのプログラムを告げた。フィーリアは太陽の元を何の気なしに歩けるアンリを半泣き顔で見ていた。



「だーいじょうぶだって。叔母さんがちゃんと録画してくれるから」

「まっかせなさいって!フィーちゃんのためにちゃんと敏豪の姿を撮ってくるから!」

「お、お願いします・・・」



敏豪の母親がアンナと共に撮影ポイント(絶好な)へと駆けて行った。



「うぅ・・・」



一人残ったフィーリアは、アンナが暇潰し用に持ってきた某配管工兄弟の横スクロールアクションゲームをプレイし始めた。


























その100mは、1年生最速の脚を持つ音羽と一樹が他を圧倒する活躍を見せていた。一樹は最初からトップスピードでゴール、相手も全員クラス最速の男子でまとめられていたが、手も足も出ないという結果。音羽はスタート直後に足を滑らせるという事態があり、負けるか、と思われたが、一気に全員抜き返し1着でゴールするという快挙を見せた。



そして敏豪は僅差で2着という結果に終わった。ちなみに最終組、所謂鈍足組がスタートした時、極めて足の遅いアリアネルゼとルナがゴールした時、暖かい拍手が送られていた。何度も転び、体操服が砂塗れになっていてもちゃんとゴールしたことに対するものだった。






























そして2年生、3年生も終わり、結果としては敏豪ら1-Bが所属する赤軍が白軍に僅差で勝っている状況だった。

次回はその3、ついに・・・!?



激化する争奪戦(?)、お楽しみに。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ