そのさんじゅうよんっ! 激戦、体育祭 その1 登校~開会式
開会式描写は少ないですが、とりあえず体育祭編です。
今回は登校時の敏豪のハプニングから。
ルナが筋肉痛になったり、敏豪が音羽・ナタリアに引き摺られて満身創痍になったり、挙句の果てには取り合いになって音羽とナタリア、そして無理矢理割り込んできた咲夜華の胸に埋もれて窒息しかけたりなど(その当時ルナは筋肉痛で満足に動けなかったため、参加していない。ちなみに凶器になったのは咲夜華だったりする)・・・
体育祭の組み分けが発表された。・・・が、西条東高校4クラスと西条女学院2クラス合わせて(1年生の場合・・・というか全学年がそうであるため、割愛)6クラスなため、それを半分に割って紅白に分けた。なお、戦力に偏りが出ないために運動神経がいいクラスと悪いクラスをしっかりと分けた。
「ちょっと前の球技大会で最弱ってレッテル貼られた1-Dと一緒かよ・・・」
と漏らす1-Bの生徒。敏豪&一樹はというと・・・
「明日どうすんのかな・・・」
「どうするってお前、休んだら流石にダメだろ?」
「いや俺じゃなくて従妹の話」
クラス分けなんて関係ない、といった感じで会話していた。
「・・・青葉・・・心愛・・・?あれ、どっかで聞いたことあるような・・・?」
紅白分けでクラスがざわめいている中、音羽は一人ひとりの名前に頭をうねらせていた。
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「姫川・・・音羽・・・?」
西条女学院でも、その合同体育祭の組み分けが発表されていた。そんな中、音羽と同じ様に頭をうねらす少女がいた。・・・心愛だ。
他の生徒が「白馬様を見つけますわ!」とか「絶対にいい人を見つけます!!」と意気込んでいる中だった。
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当日朝。榊家にて・・・
「敏豪、ちょっとお願いあるんだけどいい?」
「なんだよ母さん、今から出ようってとこだったのによ」
いつも制服を着ていくが、今回はジャージを着ていく敏豪は、母親に呼びとめられた。
「・・・ったく、面倒じゃないことならやるけどよ」
「アンナちゃんとフィーちゃん、連れてってくれないかしら?」
「はぁっ!?」
頼まれたのは前代未聞、従妹を連れていけ、ということだった。
「しょうがないじゃない、本当ならフィーちゃんだけでもって思ってたんだけど、アンナちゃんが一緒に行きたいって駄々こねちゃったから」
「しょうがないとかじゃねえんだよ、フィーリア日陰んとこ歩かなきゃ日焼けしちまうんだぞ!?しかも重度の!」
「そのフィーちゃんなんだけど、今日焼け止め浴びるように塗りたくってるから大丈夫よ。それに熱が篭らないタイプの袖付きワンピース着てくって言ってるから」
「・・・いや、そんだけの問題じゃないんだっての・・・」
敏豪が必死に反論していた時だった。
「あ、あの、お兄様・・・お、お待たせ、しました・・・」
不意にフィーリアの声が聞こえ、敏豪がそっちを向いたとき、フィーリアの姿が近くに見えた。今の彼女は袖付きで腰から下が長い、白いワンピース(長袖、脛まで隠れるほど)と麦藁帽子を被って、手には彼女の背丈に合う大きさの日傘を持っていた。敏豪にはちょっと可愛らしく見えた。ちなみに残暑真っ盛りなのにも拘らず、少女は汗一つ掻いていなかった。
「・・・本当に行くのか?」
「は、はい!お、お兄様と、い、一緒に、行きたいんです・・・!」
きゅ、と敏豪の手を握るフィーリア。
「・・・しょうがない、運動場までだからな?校舎の中は原則立入禁止、昼飯まで会えないけどいいか?」
「は、はい!」
敏豪がフィーリアの手を握り、行くぞと促した時。
〈おにーちゃーん、待ってー!!あ、あれ?うまくズボン履けないよー!!きゃーっ!!〉
待って欲しいと懇願し、ズボンが履けないと慌て、すっ転ぶアンナの声がした・・・
ちなみに登校中(フィーリア・アンナにとっては一緒に行動)、アンナが敏豪の右腕にずっと抱きついており、フィーリアがそれをむっとした顔で見ていた。そしてフィーリアが抱きつくために日傘を閉じようとしたのを見た敏豪が必死に止め、アンナを引き剥がす光景が見られた。
さらにどうでもいいことだが、アンナとフィーリアのことを知っている咲夜華たち以外のクラスメイトが敏豪と一緒にいる二人を見て『彼女だ』とか『将来の奥さん!?』とか言いだし、敏豪は音羽達にまた詰問されていた(2回しっかり言ってようやく理解してもらえていた)・・・
そして午前9時。西条東高校と西条女学院全生徒が西条市総合グラウンドに集まり(総合グラウンドは二校合同体育祭を行ったとしても十分な広さを誇る広大なグラウンドである)、置かれた朝礼台に二校の校長が登り、どちらもお決まりの『本日はお日柄もよく』から始まった話に敏豪は半分意識を奪われながらも(睡魔的な意味で)必死に耐えていた。ちなみに敏豪には誰も抱きついていない。出席番号順で並ぶため、敏豪は前半、ルナは敏豪よりも前の方(「ヴェ」なので)、咲夜華・ナタリア・音羽は後半となっていた。ちなみに一樹は雫にずっと抱きつかれており、後ろからアリアネルゼに嫉妬の視線を向けられて本人は冷や汗をかいていたり。
そして体育祭が始まった・・・
∧_∧
( ´・ω・) みなさん、おにぎりを食べながら次回をお待ち下さい・・・・。
( U U ,.-、
と_)_) (,,■)
∧_∧
( ´・ω・) 次回は第一競技までですよ・・・・。
( U U
と_)_)