そのさんじゅういちっ! 大荒れ体育祭練習
お待たせしました(というか待ってる人いるのだろうか?)、「そのさんじゅういちっ!」、更新です!
体育祭練習とは名ばかりの、無駄に繰り広げられる取り合いと嫉妬・・・
体育祭練習。・・・俺は今途轍もないプレッシャーに押されていた。
「なんで3人4脚に変わるんだよ種目が・・・」
「いいじゃない。敏豪はあたしに身を委ねてくれればいいのよ」
「ダーリンは私に身を委ねればいいのです。そうすれば勝利は間違いないのです」
「あたしよ!」
「私なのです!!」
・・・俺の隣は音羽とナタリア。・・・一番勝てるであろう組み合わせ、となったのだが・・・逆に負けるんじゃね?
そして横からはすっごい妬みの視線を感じる・・・。・・・咲夜華とルナの・・・な・・・
そして鳥肌。鳥肌が立ってるわけだよ。
「とりあえず練習しないとまずいだろ・・・?」
「わ、分かったわよ・・・」
「・・・むー・・・」
二人とも渋々、と言った感じで練習を始めた。・・・が。
「せーのぉおおっ!?」
『きゃあっ!?』
俺の両脚は同時に投げ出され、つんのめった俺と一緒に二人が転ぶ。・・・偶然音羽の足と俺の足を縛っていた手拭いが解け、仰向けにひっくり返る音羽(俺がつんのめった時同時に二人がつんのめり、音羽の方が先に倒れ込んだ。その時体勢がおかしかったのか、仰向けになった)。
「・・・っ・・・」
何か柔らかいものに挟まれているような気がしたんだが・・・なんだこれ?
「ひゃあっ!?」
・・・なんか手に柔らかいものが?そんでもって音羽の声?なんで?
「・・・敏豪の・・・えっち・・・」
・・・見たら音羽の胸にヘッドダイビングする形になっていて、右手が音羽の胸を鷲掴みにしていた。・・・これ事故!事故だから!!
「・・・は、早く退きなさいよ・・・」
「わ、悪い、ってうわっ!?」
突然何かに引っ張られた。
「ダーリン!牛にドキドキしてたらだめなのです!!」
「あっ!?」
急にナタリアに引っ張られ、俺の体はナタリアの小さな体にすっぽり収まる。そして俺は相変わらず鳥肌。
「脳筋・・・あんた・・・」
・・・やばい、音羽のアホ毛が倒れた・・・キレてる・・・
「空に浮きたい?それとも子供産めない体になりたい?」
「お前ごときにそんなこと出来ないのです」
結局・・・
「ふしゃーっ!!」
「ふーっ!!」
見るも見事な猫の喧嘩に発展しかけた二人。・・・仕方ないため・・・
「ひゃっ!?」
「にゅっ!?」
「お前ら喧嘩すんならトラックの外でやれ。トラック内とかコースの上でいちいち喧嘩されてると練習の邪魔になるんだよ」
拳骨一発。恨みがましい目で見られたが、事実こうでもしないと止まらないと判断したから。
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「むーっ・・・」
咲夜華は音羽とナタリアの頭に拳骨を決めた敏豪に対し嫉妬していた。
「・・・敏豪君・・・デレデレしてた・・・」
しかし、咲夜華の嫉妬は突然聞こえた泣き声によって途絶えた。
「・・・くすん・・・ひっく・・・えぐ・・・」
「る、ルナちゃん!?ど、どうしたの!?」
「・・・ふえぇ・・・ふえぇぇぇぇぇぇぇ・・・」
結局何も聞けず号泣された咲夜華はどうしていいか分からず右往左往していた。
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「・・・そういう訳なんだ、泣いてたの・・・」
「・・・はい・・・くすん・・・」
泣きやんだルナからようやく事情を聞けた咲夜華は、その理由に納得した。泣いていたその理由とは、『自分だけ運動音痴で活躍できないこと』、『敏豪と一緒にいられないのが嫌』という、あまりにも我儘な理由だったが、納得できてしまうことだった。
「でも、私だって敏豪君と一緒にいられないの悔しいもん。男女混合リレーだってバトン渡すのリーアフォルテさんだし・・・」
「・・・それでも羨ましいんです・・・うぅ・・・どうして運動音痴な体に生まれたんでしょうか・・・」
「で、でもルナちゃん料理が得意だから、そこで挽回できるって!うん、絶対出来るよ!!・・・そういう私もなんで料理だけできないんだろ・・・はぁ・・・」
何故か生まれたお葬式ムード。ルナは自虐に、咲夜華は墓穴を掘ってそうなってしまっていた。
後、敏豪が保健室に運ばれていた。理由は単純、3人4脚でボロボロになるまで引き摺られたのが原因だった。
次回は・・・夏休み、思い切った告白が功を奏し、晴れて一樹の恋人となったアリアネルゼ。・・・しかし彼女に最大の危機が!?どうなる一樹、どうするアリアネルゼ!?
なお、一樹に一切の非はありませんので。彼のことは責めないであげてください。