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そのにじゅうななっ! 夏休みの榊家 Part2

夏休みの榊家その2です。スポットは主にフィーリア8割アンナ2割・・・くらいです。

朝。外から雀のさえずりが心地よく聞こえてくる朝。はっきり言えば二度寝は当然と言ってもいい朝。・・・扇風機を強にしてずっと回しっぱなしだけど。



「お兄様、起きてください」



突然誰かに体をゆすられる。・・・もうちょっと寝たいってのに・・・



「・・・あと1時間・・・」

「ご飯が冷めちゃいますよぉ・・・」



起こしに来たのはフィーリアだけど・・・正直・・・寝たい・・・



「お兄様ぁ・・・起きてくださいよぉ・・・」



フィーリアの声が涙ぐむものになってきた。


・・・正直、そろそろ起きるべきなのか・・・?



(目覚まし・・・まだ鳴ってねえけど・・・止めなきゃ・・・」



手探りで目覚ましを探し回る。枕元に置いてあるのは分かる・・・が・・・分からねえ・・・



そのまま探すこと数分。俺の手は空中を往来し、そのまま何かに向けて倒れ込んだ。



「ひゃっ!?」



そして聞こえるフィーリアの声。



「お、おにい、さまぁ・・・んぅ・・・」



手に感じる、ふにゅふにゅとした、水風船を握ったかのような感触。時折感じるぴくんとした感じ。


・・・もしやと思って目を開けたら、案の定だった。目も一気に覚めた。



「お兄様・・・その・・・嬉しいんですけど・・・いきなりは・・・その・・・んぅ・・・」



・・・俺の指は、フィーリアの胸に沈み込んでいた。そして・・・揉んでいた。・・・食い込んでいたのだから。


当然胸を鷲掴みにされ、揉まれたフィーリアは顔を真っ赤にしていた。



「わ、悪いフィーリア!!わざとじゃなくて事故というかその・・・なんというか・・・とにかくすぐ起きなかった俺が悪い!!」

「え、あ、そ、あにょ、だ、だいじょうぶれしゅ!」



めちゃくちゃ噛み噛みになってるフィーリア。顔を耳まで真っ赤に染めて。



「おっにいちゃーん!!起きたー?・・・あや?」



口をパクパクさせた上、顔を真っ赤に染めたフィーリアと、どうしたものかと困惑している俺がいる部屋に、アンナが突然入ってきた。



「おにーちゃん?どうしたの?フィーも顔真っ赤だよ?」

「い、いや、気にしないでくれ、アンナにはまだ早いから」

「えー?私には早いのにフィーは大丈夫なのっておかしいよー!フィー、何されたの?」

「な、なんでもないよ・・・」

「・・・怪しい・・・」



じとーっとフィーリアを見るアンナ。フィーリアは「ぁぅ・・・」と怯えて敏豪の後ろに隠れる。



「フィー、あったこと話して?話してくれないとおっぱい揉むよ?」

「や、やだよぉ・・・」

「その「やだ」は話すのがやだっていう方?それともおっぱい揉まれるのがやだっていう方?」

「どっちもやだぁ・・・」

「・・・お仕置き!!」

「や、やだ、やめてよ、アンナ・・・ふにゃぁぁぁああああああああああ!!」



































朝っぱらからフィーリアの悲鳴というかなんというか、とにかく大声が榊家に響き渡った。































☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★



「ふえぇ~・・・お兄様ぁ~・・・」



リビングのソファでグデっとしていた所にフィーリアが泣きついてきた。朝を食べ終えている間もまだ続けていたらしく、目には涙の跡がしっかりと残っていた。アンナも一緒に降りてきた。



「・・・まったく・・・。アンナ、ああいうことはやっちゃいけないっておっちゃんから聞いてなかったのか?」

「お父さんいっつもお仕置きと言ってお母さんにあんなことやってたもん」



驚愕の事実。おっちゃんはアンナに如何わしいものを見せていたらしい・・・



「まったく・・・兄さんは昔っからああなんだから・・・」

「そういえば母さんっておっちゃんの妹だったんだよな。どうだったのさ、昔のおっちゃんは?」

「簡単にいえば・・・女の尻ばっかり追っかけてた。そんななっさけない兄さんで毎日頭を下げていた記憶があったわ・・・」



おっちゃん・・・子供の情操教育はちゃんとやってください・・・というか子供になんてもの見せてんだアンタは!



「おにいさまぁ・・・ぐすっ・・・」

「・・・まあ落ち着け。とりあえず怖くないからな。アンナ、一応罰として食器洗って来い」

「はーい」



反発する事もなくすぐに皿洗いに行った。・・・素直なのはいいんだけどな・・



「フィーリアも泣き止め。な?」

「・・・ぐすっ・・・」



どうにかフィーリアを宥めて落ち着かせることに成功。向こうから「フィーリアずるーい!!」というアンナの抗議の声が聞こえたが・・・関係ない。寧ろ悪いのはお前。



































☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★



何事もなく午後2時。我が母は突然こう言った。



「フィーちゃん、2階のお掃除頼んでいい?」

「お掃除、ですか?」



フィーリアに掃除を頼んだ。・・・大丈夫・・・なのか?



「が、頑張ります」

「あ、掃除機は2階のよく見えるとこにあるから、それ使ってね?」

「は、はい」



とててて、と2階に上がるフィーリア。・・・はっきり言うと心配なのに変わりはない。アンナはリビングで昼寝中。・・・子供っちゃあ子供なんだけどな・・・




「・・・ねえ、敏豪」

「なんだよ」



突然母さんから声をかけられた。・・・いきなり何だ?



「ちょっとフィーちゃん見てきてくれない?さっき頼んどいてなんだけど、やっぱり心配で・・・」

「・・・へいへい」



やっぱり心配だったのか、と思いつつ、俺は2階に上がる。・・・その時、フィーの声が聞こえた。・・・半泣きの。



〈・・・ぇ~・・・い~・・・〉


(・・・フィー?)



声がした部屋に行ってみたら・・・



「ふえぇ~ん!掃除機が動かないよぉ~!!」



思わずずっこけてしまう俺。その間フィーリアは「なんで、どうして」と繰り返して掃除機の周りをうろうろしていた。おまけに掃除機をぺチぺチと。



「・・・フィーリア、コンセント」

「・・・ふえ?」



俺の声に気付いたのか掃除機をぐるりと見てみるフィーリア。そしてコンセントを見つけ、プラグを刺した・・・まではよかったが。



「ひゃっ!?」

「・・・!?(ブッ!)」



掃除機は突然(ちゃんと持ってなかったから当然と言えば当然なのだが)フィーリアの服を吸い始めた!急だったうえ力は強、勢い良く吸われたフィーリアの服は一気に胸まで捲れ上がったため・・・俺は鼻血を吹いて・・・気を失った。



「ふやぁ~ん!!止まってくださぁ~い!!」



フィーリアの困り声を肩耳に俺の意識はブラックアウトした・・・




























俺が目を覚ましたのは午後6時、夕食の頃だった。アンナがきて血の海に沈む俺を介抱した上、フィーリアを助けたらしい。・・・従兄として恥ずかしいことこの上ない・・・

次回はナタリアのもう一つの顔が出ます。・・・とはいえ、既に出た顔ですけど。


ついでに次回が夏休み編最後です。

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