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そのにじゅうごっ! 従妹と誕生日 前編

新キャラが出ます、3人も。そのうち1人は・・・チョイ役のスーパーモブです。・・・色んな意味で凄いですけど。

「敏豪ー、電話出てー」

「へいへい、分かりましたよーっと」



母親に催促され、敏豪はさっきから呼び出し音を鳴らし続ける電話の受話器を取る。



「はいもしもしー」

『敏豪か。久しぶりだな』

「・・・おっちゃんかよ」



電話の主は、敏豪の伯父だった。或る意味敏豪を溺愛する父親代わりのような人で、何かと色々送ってくる。誕生日にはなおさらだ。ちなみに色んな意味で凄い人だ。



「なんで電話してきたわけ?」

『そりゃお前、決まってるだろ。そろそろ誕生日だろう?バースデープレゼントを贈ろうと思ってな』

「いらね。こんななりしてもらって喜んだら恥ずかしい」



バッサリと切り捨てる敏豪。しかし伯父のとった行動は突飛なものだった。



『あ、そうなのか?欲しいものとばかり思って送ったんだけどな』

「気が早すぎるだろおっちゃん」

『というか、行かせたんだけどな』

「は?それってどういう(ピンポーン)・・・誰か来た?すまんおっちゃん、ちょっと出てみる」

『おお、行ってみろ。ひょっとしたら・・・』



伯父の言葉に引っかかりを覚えつつ、敏豪はインターホンの鳴る、玄関まで行った。





































☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★



「今日こそはダーリンの家に行って・・・ダーリンとイチャイチャするのです」



ナタリアは榊家に向けて足を進めていた。なんとなく足取りが軽そうなのは気のせい、ということで。



「今日こそダーリンに会うのです!そうじゃないと何日も会えないのにまた会えない日が続いて・・・そんなの耐えられないのです」



商店街を通り抜け、榊家付近に差し掛かった時だった。



「・・・およ?」



ナタリアの眼に、二人の人が映った。地図を手に取り、何か話しているようだった。



「・・・まあ、人助けするのもあれなので放置するに限るのです」



そしてその二人を横切ろうとした時だった。



「あ、あの!」

「・・・気付かれたのです(ボソッ)」



金髪の少女に声をかけられ、ナタリアは小さく(本当に小さく、自分でも聞きとれるかどうかのレベルの声で)言った。



「あの、「榊」という名字の家ってどこにあるか知ってますか!?この辺にあるって聞いてきたんですけど・・・」

「・・・榊?・・・うにゅ・・・ダーリンの名字が確か榊だったような気が・・・」



ぼそぼそと呟きながら思い出すナタリア。



「知ってるんですか!?なら・・・なら連れて行って下さい!」

「・・・しょーがないのです」



ナタリアは金髪の少女と隠れるようにしてナタリアを見る黒髪の少女(髪が地面に着きそうで、夏だというのに肌の露出が殆どない)を敏豪の家まで連れていくことにした。

































☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★



「私が知っている「榊」はここだけなのです。・・・ここに用があるから」

「ありがとうございました!・・・でも・・・この人いるのかなぁ・・・」

「・・・っ!?」



金髪の少女が取り出した写真を見て、ナタリアは驚いた。



(なんでダーリンが写っているのです!?はっ、もしやダーリンの浮気相手!?・・・いやいや、ダーリンは女に近づかれるだけで拒絶反応が出ている男、そう簡単に浮気をするわけは・・・)



ちょっと思慮に耽ってから・・・



「とにかく話を聞けば分かるのです!」



勇んでインターホンを押すナタリアだった。そしてピンポーンと小気味いい音が鳴る。



「へーい・・・ってナタリア?」

「ダーリン、どういうことなのです!?」

「いきなりどういうことだと聞かれてもな」

「この二人のことです!!」

「ひゃうっ!?」



ナタリアはとっさに黒髪のほうを掴んでグイッと前に突き出した。その瞬間だった。



「おにーちゃん!!やっと会えたー!!」



瞬間、時が止まった。否、動いていたのは『敏豪に抱きついた金髪少女の髪』だけだった、と言い直す。



「・・・ダーリン・・・これは一体どういうことなのです・・・!?」

「いや、俺に聞かれてもよく分かんない・・・だから抱きつくなって!!」

「やー!!」



金髪少女は敏豪の腰にしがみついて離れようとしない。そんな金髪女子を制しようとしたのが・・・



「あ、アンナ、ま、まず、事情を説明しないと、その、お兄様にも、分かってもらえないと、思う、よ・・・?」



黒髪少女がアンナと呼ばれた金髪少女を止めようとして発言した。・・・が。



「フィーは黙っててよ!おにーちゃんは私のなんだからー!!」



さらに空気を悪化させてしまった。・・・というかアンナと呼ばれる少女は独占欲が非常に強いんだな、と鳥肌を立てながら敏豪は思った。



「・・・ダーリン!」

「おわっ!?」

「ひゃっ!」



ナタリアが敏豪の腕を引っ張るが、元々抱きついていた少女はさらに力強く抱きついてくる。それに気付いたナタリアはさらに力強く引っ張りこむ。



「ふにぃ~っ!!」

「うにゅ~っ!!」

「ふ、二人とも、腕、離そ?お兄様の腕、外れちゃうから・・・」

「お前は黙ってるのです!!」

「ひぅっ!?」

「フィーはすっこんでて!!」

「ぇぅっ・・・」



さらに押し込まれたフィーと呼ばれた少女。目には涙を称えていた。





































この騒ぎは、たまたま近くを通りかかったルナ(本当に偶然。買い物に行くとき近道だから通っている)や咲夜華(元々遊びに行くつもりだった、というか泊まるつもりでもいた)、弄るついでに敏豪の誕生日を祝いに来た音羽が来るまで収拾つかなかったとか・・・
















































☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★



「・・・敏豪、ちゃんと事情を説明して!」

「だから俺に聞かれてもってさっきから言ってんだろ!?」

「あ、あの、私が説明しますから・・・その・・・」



黒髪少女がおずおずと、敏豪に詰め寄る女性陣に意見した。聞いていたのは・・・



「え、っと・・・フィーリア・エルゼ・・・ちゃん、だっけ?年は・・・」

「その、15、です・・・」

「一つ下?」



ルナだけだった。あとの3人は・・・



「牛、そいつを引っぺがすのです!!」

「アンタの命令聞くのは癪だけどやってやるわよ!!敏豪、少しくらい痛いの我慢しなさいよ!!」

「な、何言って・・・いだだだ!?」

「やぁ~っ!!」

「・・・いーなー・・・」



ナタリア・音羽は引っぺがしに躍起になり、咲夜華は引っぺがされようとしている少女・・・アンナの胸を見て羨ましがっていた。



「で・・・フィーリアちゃん、なんでアンナちゃんと一緒に来たの?」

「えと、その、お兄様のお誕生日プレゼントを、持っていくようにって、お父様から、言われて・・・」

「プレゼント・・・あれ?敏豪さん今日が誕生日・・・?」

「は、はい・・・。お父様がそう言ってましたけど・・・」



ルナは今初めて知った事実に愕然とし、すぐに恥ずかしさから顔を赤くした。



(ど、どうして言ってくれなかったのですか!?今日誕生日だってこと知りませんよ!?言ってもらえたらプレゼント準備したのに~っ!!)


「あ、あの、どうかしましたか・・・?」

「えっ!?あ、その、えと、な、なんでもないんです、なんでも!!」

「そ、そうですか・・・。それで、その、私達も何を持っていくのかを聞いたら・・・」

「聞いたら・・・?」

「『プレゼントはお前達でいいか?』と、聞かれました・・・」



この言葉を聞いたルナは、動きを止めた。



「え・・・ど、どういう意味・・・ですか・・・?」

「そ、その、私にも、よく、分からないんです・・・ただただ、私達がお兄様に会いに行けばいいのか、とも思って・・・」

「あ、そ、そうなんですか・・・」



そんな会話がなされていたその奥では・・・



「お前ら少しは自重しろ!!腕がもげるかと思った!」

『ごめんなさい(なのです)・・・』

「・・・なにすんのよ・・・!」



涙目で訴えてくる音羽と、涙目で叩かれた頭をさすり謝るアンナとナタリア。目の前にいる敏豪は三人を叱っていた。

次回は後編です。おっちゃんの『色んな意味で凄い』の意味が分かります。それについての補足は次回の後書きで。



後、ナタリアの仕事についてもちょっと触れておきましょう。彼女は昼は現をぬかしておりますが、夜はちゃんとやってます。・・・あ、R18なことではないですよ?祓魔師の仕事ですよ!?


それについても執筆します、はい。

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