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そのじゅうきゅうっ! 臨海研修旅行! その6 死刑執行の夜

やってやりました。だが後悔はしていないっ!


・・・書いてて「わーなんという能力の無駄遣い」と思いました。そんな19話、どぞ。

「じゃあな敏豪。明日の朝また会おうぜ」

「今日は部屋戻ってくんなよ?ぜってー開けねえから」

「へいへい」



一樹を軽くあしらって(つか部屋からさっさと追い出して)俺は今日の夜、どう生き延びるかを考える。



「・・・まずは鍵をかけて・・・ロックは厳重にっと・・・」



オートロックで鍵を厳重にかけた。外からは絶対に入ってこれない・・・はず。少なくとも、従業員以外は。絶対に。



「後は・・・何をすべきだ・・・?」



窓も鍵をかけた。二重ロックで。・・・後はもう・・・寝るだけだ・・・



「さて・・・寝るか・・・」

『寝させないって言ったのです』

「っ!?」



突然聞こえたナタリアの声。・・・待て、鍵は全部かけたから入れるところはないはず・・・!



『なんで声が聞こえるのか気になるのです?』



今もなお聞こえるナタリアの声。・・・一体何処から!?俺は今窓際にいる。ベッドを見るが、誰もいない。



『・・・ここなのです」



もぞもぞと出て来たのは・・・ベッドの下!?ちょ、ええっ!?



「編入生には感謝してるのです。私をドアの影まで連れてきてくれたのですから」



影・・・もしかして・・・夢魔の力・・・!?



「分かったみたいなのです。私は討魔の力を持っていても一端の夢魔、影に潜って相手に近づく力くらいは持ってるのです」

「・・・一体どうやってベッドの下まで・・・!?」

「簡単な話なのです。編入生がトイレでドアの前を通るのを編入生の影で待って、影が重なったらすぐドアの影に移って、ダーリンが近づいたその一瞬でダーリンの影に入り込んだのです。そしてベッドに座り込んだ時にベッドの下に潜り込んで実体化した、ただそれだけなのです」



・・・全くもって能力の無駄使いだな・・・



「さてと・・・今は11時30分・・・始めちゃうにはちょうどいい時間なのです」

「始めるって・・・丁度いいって・・・何のことだよ・・・」



何となく嫌な予感がする・・・当たって欲しくない嫌な予感が・・・



「何って・・・ダーリン・・・女の子の口からそれを言わせるなんて・・・酷いのです・・・。・・・でも、そういう所も好きなのです・・・」

「・・・お前なぁ・・・」



頬を赤く染めて手で覆うナタリア。・・・こいつ変態か?



「ということでダーリン・・・」

「ちょ、待て、ナタリア!!俺はまだそういうことはしたくない!!」

「待ったなしなのです」



目の前で何の憚れも無く臆することも無く・・・堂々と服を脱ぎだしたナタリア・・・マズい・・・これはマズい・・・



「・・・逃げ「られるとでも思ってるのですか?」・・・だよな畜生・・・っ!!」



半裸(つか下着だけ)の状態でジト目され、諦めるしかないのか、と思った時だった。


・・・そうだ、一瞬で外に逃げれば・・・!



「逃がさないのです、ダーリン!!」

「うわっ!?」



そして立ち上がったその瞬間だった。何か縄のようなもので縛られて動けない・・・!!



「ナタリア・・・っ!何を・・・」

「影をロープみたいにして縛っただけなのです。ダーリン、逃がさないって言ったばかりなのです」

「ふざ・・・けんな・・・っ!!」



無理に見えないロープを引きちぎろうとしたが、全然引き千切れる気配がない。・・・何だよ、この、ロープは・・・っ!



「私の影のロープは私が外れろって思うかほかの術か何かで解除しない限りきれないのです。・・・さぁ、ダーリン・・・」



やばい・・・どんどんナタリアが迫ってくる・・・!!これマジでやばいって・・・!!



『あの・・・敏豪さん・・・?』



そんな時、救世主と言えそうな声が聞こえてきた。ルナ・・・!いいタイミングで来てくれた・・・!



「ル◎@$・・・っ!!」

「・・・喋らせないのです・・・」



ルナに助けを頼もうとしたら口を塞がれ声を出せなくなった。見えないからこれもナタリアが作りだした影・・・!!



「~~~っ!!~~~~っ!!!」

「声を出させないのです。誰にも邪魔はさせないのです・・・」



じたばたするが、出る音はベッドが軋む音。どうしようもない。これで気付いてくれたらいいのに・・・っ!!



『ドアも開かない・・・もう寝ちゃったんですか・・・はぁ・・・』



・・・最悪だ、異変に気付いてない・・・!帰った・・・!!



「・・・邪魔者はいなくなったのです。ダーリン、明日の朝までずっとイチャイチャしようなのです♪」

「むーっ!!む―――――――――――っ!!」



足をばたつかせて必死に抵抗するが・・・








































結局俺は・・・大変なことを「させられて」しまった・・・。・・・二度と取り返しのつかないことを・・・































☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★



朝6時20分。西条東高校の生徒が止まるこのホテルは6時になるとオートロックが自動で解除されるシステムとなっている。もしかしたら、のことを考慮してのシステムだ。



そして、それが敏豪にとって最悪な事態を招くことになってしまった・・・



『(コンコン)敏豪君?入るよ?』

『あ、あの、入りますよ?』



控えめにドアをノックする咲夜華とルナ。そしてその部屋の主はというと・・・



「・・・んぁ・・・?咲夜華と・・・ルナの声・・・?・・・ってやべぇ・・・!これ見られたらやべぇって・・・!!俺、今日死ぬって・・・!!」

「・・・だーりん・・・♪」



敏豪は今の現状を思い出してしまったのだ。昨日の夜からナタリアが眠ってしまうまでの間、大変なことをしてしまったのだから・・・



「ちょ、ちょっと待ってくれ!まだ着替えてないから!!」

『でも下着くらいは大丈夫だよ?気にしないよ私』

『わ、私も気にしませんよ・・・?』

「俺が気にするっての!!」



敏豪は二人に入ってこさせないように必死に制止を駆ける。しかし・・・



「ふにゅぅ・・・だーりん・・・だいしゅきれしゅ~・・・」



この一言が、大変なことになったのだ・・・



『敏豪君・・・今リーアフォルテさんの声が聞こえたけど・・・どういうこと・・?』

「い、いや・・・それは・・・その・・・」

『・・・エッチなこと・・・してないですよね・・・?』

『入るからね、敏豪君!!』

「ちょ、ストップ!!ホントにダメだってば!!」



敏豪は頑張って動こうとする。・・・しかし、ナタリアが上に乗っかっていて、しかもまだ縛られている(影のロープ。ついでに言うと乗っかって抱きついている状態なので尚更)ため、動くに動けない。


そして、運命のドアが開いた・・・



「敏豪君!何・・・を・・・」

「・・・そ・・・そん・・・な・・・」



入ってきた二人が見たもの、それは・・・






























既に『事後』な状態の二人だった(敏豪は被害者だ。抵抗した後もきっちり残っている。つまり犯人はナタリアというのは一目瞭然)。



「・・・あふぅ・・・」

「る、ルナちゃん!?だ、大丈夫!?」



それを見たルナは卒倒してしまう。



「・・・ねえ敏豪君・・・これ・・・どういうことなの・・・?」

「いや、これは・・・俺からやったんじゃないってのは分かってくれるよな!?現に動けないわけだし!!」

「・・・それでも・・・抵抗した風には見えないんだけど・・・」

「抵抗したくてもできなかったんだって!!いっぺんルナ来た時に助け求めたんだけどナタリアに口塞がれて声出せなかったんだよ!!」

「それでも・・・それでも・・・!」

「しかも不可抗力!俺は一度鍵もかけた!どうしようもなかったんだよ!!」

「・・・敏豪君・・・?」

「は、はいっ!!」

「・・・お昼・・・覚悟しておいてね・・・」

「・・・りょ、了解・・・」



妙に凄味を聞かせた声で言う咲夜華に、敏豪は有無を言わさぬ返事をするしかなかったのだった・・・



























おまけ



「えっ!?ナタりんやっちゃったの!?」

「やっちゃったのです♪・・・あう・・・まだ歩きづらいのです・・・」

「で、で、どうだったの!?やっぱり・・・」



ナタリアが思い切り周りに自慢しちゃっているため、敏豪は羞恥に耐えるしかない。というか寧ろ公開処刑な気分。



「・・・」

「・・・」

「・・・(視線が・・・痛すぎる・・・)」



そして、横から来る「敏豪君のバカ」「私だって」「リーアフォルテさんになんか負けないんだもん」などなどの視線。言うまでも無く、咲夜華とルナから来るものだ。



(・・・いっそ俺を殺してくれ・・・!)



敏豪はそう虚空に願うしかなかった。

やっちまった、だが後悔はしていない!断言しておきます。



次回は前アンケートを取って出た結果の子が(最後にちょっとだけ)出ます。恋愛戦争により一層の嵐が・・・

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