そのじゅうろくっ! 臨海研修旅行! その3 海に繰り出せ、遊べ、そして溺れて!?
臨海研修旅行編その3です!今回はトラブってしまう回です!主に敏豪が。
ま、だからこいつはモテるんだ、というのが証明される回でもありますね。
「・・・結局俺は外に連れ出されるってわけか・・・。一樹の言ってた意味はこれ・・・」
俺は今、絶賛砂浜で干乾びたいと思った。今すぐにでも干乾びることが出来たら、俺はすぐに涼しい部屋に戻れる。なのに、こういう時に限ってそういうことにならない。増して熱中症なんかならない。・・・暑いのに。抱きつかれて暑いのに・・・
周りの男子は大半が妬みの視線を向けてきやがるわけで。ちなみにそれ以外・・・つまり1-Bのやつらの目線は「あらあらまあまあ」とか「見ました奥さん?」「ええ、見ましたわ、初々しいわね」とか言った感じの視線。畜生ムカつく。
ちなみに俺の右腕には咲夜華が「絶対に離さないもん」と言わんばかりに抱きついているし、左側にはルナが競り合うように抱きついている。なんとなく必死っぽい。そして真正面にナタリア。全員水着になっているわけで・・・
その、あれだ。当たってるんだよ。「象徴」が。
「あ、あのね、敏豪君。私に泳ぎ方教えてくれないかなぁ・・・?ダメ・・・?」
「ダーリン、泳ぎ方を教えてほしいのです・・・」
「あ、あの、お、泳ぎ方、教えてくれませんか・・・?」
「・・・あのな、俺は一人なんだぞ?三人同時に教えられるかっての・・・」
俺が必死に(拒否のための)弁明をしても返ってくるのは上目のおねだり。しかも全く同じ内容ときたもんだ、どうしろって言うんだよ・・・
・・・ついでに、俺の頼みの綱だと思っていた一樹はというと・・・
「・・・おおぉ・・・ここは楽園か・・・!?」
「た、隊長、俺、もう死んでも構いません・・・!!」
「馬鹿者、ここで一人落とすまで死ぬのはまかりならんぞ!」
「は、はいっ!!」
・・・なんか他の男子とつるんで軍隊的なことをやっていた。・・・ここであいつらに春来んのかは正直不安。・・・つかまず無理かも。だって・・・あれ引くぞ?俺がもし女だったら・・・
「敏豪君・・・」
ふに。
「敏豪さん・・・」
ふにゅ。
「だーりーん・・・」
むにぅ。
「・・・」
・・・どうすりゃいい?俺は早く自由になりたい。なのに左右+前から抱きつかれてるからどうしようもない。
「・・・とりあえず離れてくれ。話はそれからだ」
「うん」
「はい」
「わかったのです」
三人がそれぞれの返事で離れた・・・その隙を見計らって俺は逃げる!!
「俺を少しくらい自由にさせてくれ!!」
「あっ!!」
「逃げたのです!ダーリンのイジワルなのです!!」
「う、海に走って・・・」
・・・そう、泳げないことを知ってて俺は海に逃げた。準備運動?する暇ないからそのまま行く!!
「・・・ダーリン酷いのです・・・」
「私達、泳げないのに・・・」
「うー・・・!」
・・・さーて、後は自由に泳ぐd・・・嘘だろ!?咲夜華がこっちに近づいてきてる!?
「泳げるようになるもん・・・!絶対に泳げるようになるんだもん!!」
海にざぶざぶ入ってくる咲夜華。・・・おいおい、泳げないのに無理すんなよ・・・
「・・・えいっ!」
突然海に飛び込みよった。・・・泳げないやつがそんなことするわけだから当然・・・
「た、助け、わぷっ・・・たす・・・」
当然、というか案の定溺れる。・・・まったくもって面倒なことになった!!
「ちょっと待ってろ!」
溺れてる咲夜華の所まで慌てて泳ぐ。・・・こういう時に女性嫌いとか言ってられっかよ!!
☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★
「ぷはっ!!」
「けほっ・・・けほっ・・・!」
咲夜華を抱きかかえて浮上。・・・ったく、面倒なことをしてくれたよ・・・!
「・・・ったく、大丈夫か?」
「・・・けほっ・・・敏豪君が悪いんだよぉ・・・」
・・・あのなぁ・・・
「・・・だから・・・もうちょっとこのままでいさせて・・・?」
「・・・正直、鳥肌が立つんだけど」
「ダ~メ♪」
拒否権はなかった。・・・というか最早決定事項となっていたらしく、俺に安寧はない、ということらしい・・・
「ちっぱいーっ!!一人だけ何やってやがるのですかー!?」
砂浜からナタリアの怒声が聞こえた。・・・動こうにも咲夜華が抱きついていて動けない。なにせ、片腕封じられてるから・・・
とりあえず敏豪がモテる理由、判明しました。底抜けに優しいんです。口では嫌だと言っていても。なお、咲夜華を砂浜まで連れて行っている間、彼は鳥肌立ってました。一応補足です。
次回は「おい、ちょ、待て、夜だからって・・・」と思わず言いたくなる回です。あ、ナタリアは出遅れますよ?
あと、そのうち一樹にも相手を作るつもりでいます。もち、悪魔で。