表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/39

そのじゅういちっ! 人間VS悪魔 力失いしか弱き少女は何を思う

今回は敏豪VSバエル回です。後で正式にタグを直しておきます。「バトルあり」と。


あとルナの本性、「ヴァレフォール」についてですが、時々「ヴァルフォーレ」となっている個所が何箇所か見受けられると思います。完全にタイプミスなので、見つけたらご指摘ください。

「だ・・・ダメ・・・!榊君・・・!あなたじゃ・・・勝てっこ・・・ありません・・・!」



敏豪の後ろでルナがか細い声で制止をかける。・・・けど、敏豪は止まる気にはなれない。寧ろ、なるつもりがない。



「ぜってぇ・・・殴ってやらああああっ!!」



勢いをつけてバエルの顔面に拳を振るう。だが、それを片手ではじいたバエルは・・・



「愚かな・・・。無駄な足掻きと知るがよい」



はじいたその手で指を弾く。いわゆるデコピン。しかし悪魔、それも魔王の一撃は重く・・・



「がっ・・・!!」



敏豪は軽く吹き飛ばされてしまう。地面に着いた所からまた転がる。



「榊君!!」

「ふん、人間風情が出しゃばるからこうなるのだ」



吹き飛ばされて本来ならそこで諦める。それが普通の人間。相手が異形の存在なら、それに畏怖し、怯えてしまうもの。しかし・・・



「・・・誰が・・・これで諦めるかよ・・・!」



敏豪は立ち上がる。今の彼はクラスメイトを守りたいっていう気持ちだけで動いていた。



「・・・ほう」

「っあああああああっ!!」



そうしてまた走って突っ込んでいく。



「無駄な足掻きを」



突っ込んでいってはデコピンで吹き飛ばされ、それでもまた突っ込んでいく。何度でも立ち上がっては吹き飛ばされ。


まるでボロ雑巾のように転がされ、各所から血を流し、埃塗れになりつつも立ち上がる。


ルナはそれをただ見ることしかできないのが辛かった。今の彼女には彼を助ける力もない。二回目の転生の時にバエルと対峙した際に『辛うじてバエルを退けた』力もない。それが辛かった。



「まだ・・・まだぁっ・・・!!」

「・・・人間、何故貴様は立ち上がり、我に歯向かう?」

「なぜって・・・そんなの決まってんじゃねぇかよ・・・!」




敏豪は口からプッと血を吐き出し、フラフラになりながらも立ち上がりバエルを睨みつける。



「クラスメイトだからに決まってんだろ!?」

「クラスメイト、か。たかがその程度の繋がりだろう?その程度の繋がりで何故貴様は我に歯向かう?」

「その程度・・・だと・・・!?たかが繋がり・・・されど繋がり・・・だよっ!!」



敏豪はもう一度突っ込んでいく。それが無謀だと分かっていても、今の彼を止めることなど出来ようか。



「・・・ふん」



今度ばかりは叩きつけるような雰囲気の一撃を放つバエル。しかし、今度は違った。



「うらあぁっ!!」



敏豪「が」振り下ろされた腕「を」打ち上げたのだ。魔王の一撃を込められた腕を弾いたため、既に右手は悲鳴を上げていた。それでもなお、敏豪は悲鳴を上げた右の拳を振るった。



「・・・っらあっ!!」



その拳はバエルの顔に一撃入れるには至った。が、当の本人の右手はもう、振るうこともできなくなっていた。



「・・・貴様・・・我に触れるかっ!!」



激昂したバエルは敏豪の腹部に一撃を入れる。敏豪にとってそれは普通の人間に殴られたそれよりも強い力で殴られたもので・・・



「あ・・・が・・・」



反動で呼吸困難に陥ってしまう。


























☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★



「・・・」



私は何も言えなかった。「クラスメートだから」という理由だけで勝ち目もない相手に立ち向かう榊君に。



(・・・どうして・・・どうして悪魔の私のために・・・ボロボロになるの・・・?)



そして、榊君がバエルを一回殴った。・・・その直後・・・



「・・・っ!!」



榊君のお腹に重い一撃が決まってしまう。



「さ・・・榊君!!」



うずくまる榊君に、私はただ声を上げることしかできない。・・・辛い。これしかできないということが辛い。



「もう・・・もう止めてください!これ以上・・・これ以上は・・・榊君が・・・死んじゃいます・・・!!」



(私が・・・私が自分を捨ててしまえば・・・それで榊君が助かるなら・・・)



「私・・・あなたに・・・」

「・・・何を言われたかしんねぇけどよ・・・!」



榊君がまた立ち上がる。そんなボロボロなのに・・・!



「悪魔だからって・・・誰かに運命を決められるもんじゃねぇだろうよ・・・!!バエル・・・テメェがヴェイルフォールの行動を・・・心を縛る権利なんて・・・ねぇんだよ!!」

「・・・!!」



榊君の言葉に、心がとくんと鳴ったような気がした・・・























☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★



「・・・興醒めした」

「なっ・・・」



目の前でバエルが言ったこの一言。あまりにも嘗められたような気がした。



「これ以上やり合っても無駄だ。我に貴様は勝てぬ。しかし貴様は我に歯向かい続ける。それに我は興醒めした、と言っているのだ」



バエルは踵を返す。



「ヴァレフォール。貴様は自由に生きるがよい。威厳も力も失い、ただの女となり果てた貴様に、我は興味を失った。好きに生きて好きに死ね」



そうして、バエルは去っていった。



「・・・へっ・・・やって・・・やったぜ・・・!」



立ち上がったその直後、ふっと力が抜けてしまう。



「・・・っとと・・・」

「さ、榊・・・君・・・その・・・あの・・・」



横にいたヴェイルフォールが足を縺れさせて座り込んでしまう俺におずおずと話しかける。



「私・・・悪魔なんですよ・・・?それもメデューサとかサキュバスなんて目じゃない・・・ソロモン72柱の序列6位の・・・悪魔なんですよ・・・?なのに・・・なんで・・・」

「・・・さっきもいったろ?」



無理矢理だけど、笑顔で言う。

































「クラスメイトを守るのに理由がいるかよ?」

次回はこの戦いの後日話です。ルナをバエルの手から守った敏豪。彼は一体どうなるのか・・・?ルナは一体どうなるのか・・・?このことを一切知らない咲夜華とナタリアは発狂するのか・・・(マテ)


アンケート、まだまだ受け付けてますので、感想にどしどし書いてください!キャラ案も貰えたら嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ