そのきゅうっ! ラッキースケベは唐突に!?
今回も、「敏豪このヤロー!!」な回です。ついでに久しぶりに・・・ひっさしぶりに!!あいつらが出ます!ちょこっと。
徐々にフラグは立ち始めるものぜよ・・・
1時間目が終わってから。つか1限目のときは俺と咲夜華とナタリアで面倒を見ることになった。元々俺が面倒を見ることになってたのに、二人が「二人きりにさせたくない!!」と断固拒否してこうなった。
「えと・・・次は・・・音楽・・・?」
「音楽室・・・確か・・・うわ、魔の階段地帯通らないと遠回りになるし・・・」
「魔の・・・階段地帯・・・?」
ヴェイルフォールが「何それ?」というふうに聞いてくる。仕方ないか、来たばかりだから知らないわけだし・・・
「・・・嫌な所だよね、あの階段・・・」
「絶対転びそうになるのです・・・。下手したらスカートの中見られちゃうのです・・・」
「えっ!?」
「・・・あの階段、傾斜が強いんだよな・・・。ふつう12~3段なのにあそこだけ設計ミスってか17段あるんだよな・・・」
魔の階段地帯・・・この西条東高校の実在する伝説として知られている、音楽室のある3階へと通じる階段。あの階段の怖いところは・・・女子にとっては段数の多い階段だからスカートの中が見られてしまいかねない、ということ。共通している所というのが・・・
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「・・・来た、魔の階段地帯・・・」
「え・・・と・・・これは・・・階段・・・なんですか・・・?」
「階段だ。やけに斜めった、な」
そう、1段1段の角度が90度じゃなくて60度なのだ。踏み場自体に傾斜がついてしまっている。それでよく生徒が階段を踏み外したりして転んでケガをしているっつー話。
「どうやら私達が最後尾なのです。ダーリン、もし転んだ時に私たちを助けて欲しいのです」
「つーことは俺が一番最後に登れって・・・?」
つーことは・・・うーわ、俺上見れねぇ・・・
「敏豪君、もしもの時は助けてね?」
「・・・わーったよ、どうにかするよ」
「お、お願いします・・・」
ナタリア、咲夜華、ヴェイルフォールの順で登ってく。俺は最後、全員が登り終わった後に登ることに。・・・やーな予感。
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ナタリアが階段を上がりきり、咲夜華も登り終えた頃。ヴェイルフォールはまだ半分も登っていなかった。やっぱり初めてだと怖いんだろな・・・
「ん・・・しょ・・・ひゃっ!?」
・・・今の声、まさか・・・
「だ、ダーリン!編入生が足を滑らせたのです!!」
「ど、どうにか・・・どうにか止めてあげて!!」
「というかちょっと待て!!体勢的に無理だろ!?」
バランスを崩し、俺に向けて倒れてくるヴェイルフォール。しかも・・・うつ伏せ・・・つまり俺と正面衝突する形で・・・
「きゃああっ!!」
「うおおっ!!?」
衝突、そして一気に踊り場まで。・・・そしてついでに頭を打った。・・・痛い。
「ダーリン、だいじょぶなのです!?」
「敏豪君!ヴェイルフォールさん!!」
・・・二人が声をかけている・・・少なくともヴェイルフォールには何もないはず・・・
「っ!?」
「・・・む~っ!?」
「あーっ!!」
「だ、ダーリンにな、何をしてるのです編入生!?」
・・・偶然。超偶然で。キスしていた。ヴェイルフォールと。・・・やばい、鳥肌が・・・なんかもう、つーか寧ろ・・・
心臓が痛い・・・
俺は上に手を上げ、数秒助けを求めるが如く天を握って・・・そのまま・・・気を失った・・・
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「ダーリン!!気を失ったら負けなのです!!」
「ヴェイルフォールさん退いて!敏豪君気を失ってる!!」
「はひゃいぃっ!!」
急勾配の階段をものともせずかけ下りてくる咲夜華とナタリア。凄い勢いで降りてくる二人の気迫に圧され、すぐに退こうとしたルナだったが・・・
「あっ・・・つぅ・・・」
右足首を抑えて蹲った。
「編入生、もしかして足捻ったのです?」
「そ、そうみたい・・・です・・・いたた・・・」
さっきの転落の時だ。足を滑らした瞬間が悪かったらしく、捻ったらしい。
「・・・しょうがないのです。授業に遅れるのを覚悟して保健室まで連れてくのです」
「そうだね。事故だから仕方ないし、説明したらわかってくれるかもしれないね」
咲夜華とナタリアが一階まで敏豪を下ろし、脚を捻ったルナにナタリアが肩を貸してゆっくりと一階まで向かい、そこから二人でまた敏豪を担いでいって、ルナはひょこひょこと保健室まで二人について言ったのだった。
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「あなた達は授業に行きなさい。彼なら大丈夫だから」
「で、でも!」
「ダーリンに何かあったら私・・・」
「そんな大事に至ることなんてないから」
咲夜華とナタリアが保健室の先生ともめていた。理由は単純、敏豪のことである。残っているルナに何かしないか、とか逆に何かされないか、など、過剰に心配していたのだ。
「わ、私は大丈夫ですから・・・何もしませんし何もされませんから・・・」
ルナの説得で渋々授業に向かった二人。・・・何となく納得はしていないのは編入したてのルナですら把握できた。
「ヴェイルフォールさんも、授業に行くのはちょっと様子を見てからにしてね。・・・あぁ、そういえばちょっと用事があったので先生抜けるけど・・・いい?」
「ああ、はい。大丈夫です」
ルナを保健室に残して、先生は行ってしまう。一人残ったルナは、ベッドで今も気を失ったままの敏豪を看ていた。
「・・・」
だが、それもほんの数分だった。突然顔を赤くして俯いたのだ。その理由は・・・
(お、男の人の唇って・・・柔らかかったんだ・・・はぅ・・・)
さっきのキスを思い出して・・・その感触をも思い出してしまっていて、だった。
(・・・私ったら何考えてんだろう・・・!!)
頭をぶんぶんと振ってさっきのキスを忘れようとするルナ。けど忘れることは難しく。
「・・・あ、布団がずれてる・・・。直さなきゃ・・・」
歩くことがままならないため、立ち上がって奥の方の布団のずれを直し始めるルナ。ただ・・・
「と・・・どかな・・・い・・・っ!」
片足でグーッと体を伸ばしているが、ぎりぎり届くか届かないか、の位置。
「ちょっと動いて・・・ん~っ!!んん~っ!!」
ギリギリ届いた!と安堵したその時だった。
「うわああっ!?」
突然敏豪が飛び起きたのだ。運悪く体を伸ばしていた時だったため、案の定・・・
ふにょん。
「ふひゃんっ!?」
ルナの胸へと顔面ダイブしたのだった。その瞬間力が抜けたルナは敏豪の顔を覆うように倒れこんでしまう。結果・・・
「むぐうぅぅぅぅっ!!」
見事に敏豪の呼吸する穴全てを塞いでしまうのだった。
「・・・あ、ご、ごめんなさいっ!!」
慌てて敏豪の上から飛び退く(とはいっても慌てて椅子に座り込むだけ)ルナ。
「・・・悪い、俺も飛び起きたから・・・」
「う、ううん・・・」
その後はお互い気まずい雰囲気が残っていた・・・
おまけその1
授業終了後のこと。
「だ―――――――――――――り―――――――――――――――――――――ん!!!」
シパァン!と、ドアを壊しそうな勢いでナタリアが飛び込んできた。少し遅れて咲夜華も入ってくる。
「な、何もされてないはずなのです!何もされてないですよね!?」
「何もしてないよね!?そうだよね!?」
「なにもしてないから!!天地神妙に誓ってしてないから!!」
「・・・!!」
敏豪とルナは同時に否定。息ぴったりだったのが咲夜華・ナタリアの疑惑を深めているのには気づいていなかった・・・
おまけその2
「榊敏豪ぇっ!!今こそ貴様の息の根を止めてくれるうぁっ!!」
変に巻き舌をして親衛隊が入ってきた。保健室にである。ルナはそれに驚いていたが、敏豪は「またか・・・」と言わんばかりに呆れていた。
「お前らなぁ・・・ここ保健室だぞ?病人いたらどうするんだよ・・・」
「お前を殺す為なら無問題だぁっ!!」
そして乱入してくる親衛隊。しかし・・・
「だ、ダメですっ!!」
ルナが痛む足を押してまで立ち上がり、敏豪の前に立ちふさがった。
「退きたまえ麗しい姫君!!そこの害虫を排除しなければ我らが姫は解放されないのだ!!」
「害虫とか言うのはダメですっ!それに、もし排除したら代永さんが寧ろ皆さんを嫌いますよ!?」
ルナの正論に親衛隊は「ぐぅ・・・」と言うしかなく、引き下がった。
「榊敏豪!今日はこれくらいで退いてやる!だがこれで済むとは思うなよ!!」
久しぶりに出ました親衛隊。キモさは如何でしょうかね?ルナですら「姫君」と呼称するあいつら。そして相変わらず敏豪に対して敵視をし、あまつさえ「害虫」呼ばわりと来たもので。
次回はついに・・・!ルナの正体が明らかになります!・・・とはいっても大体予測つく人はつきますけどね。
アンケート、まだ受け付けてます。内容は
1.4人目を追加すべきかせざるべきか
2.(追加すべきと答えた人は絶対)
その4人目は次のうちどっちがいいか
a.ゼバル(ソロモン72柱序列16位)
b.ハルファス(ソロモン72柱序列38位)
3.(これは自由・・・というか募集)4人目を追加することになった場合、そのキャラはどんなキャラがいいか(つまるところ設定です)
です。期間は今週の金曜日まで。日曜日辺りに発表します。