エピソード4 ~私のせい~
「どこに居るの?ミレイ!」
私は辺りを見渡してミレイを必死に探した。
見つかったのは驚くほど恐ろしい猛獣がいるだけだ・・・
も・・・もしかして・・・
「ひどいわ!!この猛獣め!!ミレイを返して!!」
私は泣きながらわめいた。
泣いて泣いて泣き叫んだ。
私の瞳からは涙が滝のように流れおち、目が涙でおおわれた。
ミレイが居ない。
この猛獣のちょっとしたエサにされた・・・
私はショックすぎて、地面に手をつき崩れ落ちた。
ミレイが居ない北極。
それは心のどこかが崩れ落ちたようだった。
これからは一人で暮らす。
ミレイの居ないこの寒い寒い北極で。
「ぐすっ・・・ミレイを・・・ミレイを返してよぉ!!!!!!」
私は猛獣の白いたるんだ皮を持ち、私は叫んだ。
・・・ん?白い皮・・・
「も・・・もしかして・・・」
予想通りにそこにはバカ社長特性の首輪をつけたシロクマが居た。
「でも・・・でもいくらなんでもヒドイわ!!あのバカ社長が飼っている
シロクマのはずなのに人を食べるなんて!」
私は理性を失いそうになった。
ただ、悔しかった。
ここにしか居ない友達が食われた。
私がエサやりに来たせいで人が死んだ。
私のせい・・・
「私のせい・・・?」
シロクマの目は私を睨めつけ、まるで次のターゲットは
おまえだ!という状態だった。
よだれを垂れるように流し、私に近づいてきた。
するどいツメがある手をずんずんと前に・・・また前に・・・
ズルズルとお尻をつけ、私は逃げた。
逃げても逃げても近づいてくるシロクマは怖かった。
「グルル・・・グルル・・・」
私は冷たい氷の岩に背中がついてしまった。
「も・・・もう終わりだ・・・ミレイ・・・」
・・ガッシャン・・
近くの音だからよりいっそう大きく聞こえた。
「なんだ?今呼んだか?」
声がした方向には食われたはずのミレイが居た。
「道具を持ってきたんだ。ここの下に魚がいっぱい居るようでな」