観察17:ロマンチック?
「うーむ……」
「お兄ちゃん? 一体何を唸ってるの?」
「あんた、まだ悩んでるの?」
朝食中。雪奈の作ったご飯をつつきながらオレは考えこむ。
「いや、悩んでるのは悩んでるんだが、それとはまた別」
「はぁ……なんか碌でもないこと悩んでる気がしてきたけど……一体全体何を悩んでるのよ?」
「ロマンチックに告白するにはどうすればいいか」
「「…………はい?」」
二人揃って同じ反応するなよ。本当の姉妹みたいだな。
「えーと……俊行? はっきり言っていいかしら?」
「なんだよ?」
「あんた馬鹿でしょ」
こころの言葉に雪奈もうんうんと頷いている。
「告白するんだぞ? 一世一代の大勝負じゃないか」
「別にそれ自体は否定しないけどね。あんた既に一度告白してるのにそんなに悩むこと?」
「そりゃあの時は99%勢いで雰囲気もそれとなく良かった感じだったし……」
「うわぁ……お兄ちゃんの恋愛話とか軽く鬱だよ……」
勝手にダメージ受けてる雪奈はとりあえずスルーするとして……。
「というかそんなに悩むくらいなら昨日で告白しとけばよかったのに。雰囲気的にはちょうどよかったんじゃない?」
「おー、それはたしかにロマンチックっぽい」
「……なんかすごくお兄ちゃんが馬鹿っぽい」
無駄に酷いことをさらっと言ってる雪奈は華麗にスルーして……。
「やっぱり一度勢いで告白して別れてるし、今度はちゃんと考えた上で告白したいんだよなぁ」
「それ自体は間違ってないけど考える方向間違ってるでしょ」
「いや、でもやっぱり女の子ってロマンチックな告白に憧れるもんじゃないのか?」
「否定はしないけど……じゃああんたが考えるロマンチックな告白シチュエーションって?」
「屋上で夕日に照らされながら告白とか」
「ふむふむ」
「海辺で夕日に照らされながら告白とか」
「……他には?」
「空を飛んで夕日に照らされながら告白とか」
「…………」
「……やっぱりお兄ちゃんって恋愛事になるとすごい馬鹿になるよね」
うるさいよ。
「馬鹿というか……あんた生まれてきた性別間違ってんじゃない?」
大きなお世話だよ。
「まぁいいわ。想像力貧困なくせに考え方が乙女だし変な告白はしないでしょう。好きなだけ悩みなさい」
「なんだよ。つっかかってきたのはそっちのくせに」
「いやだって……ねぇ?」
「うん……今のお兄ちゃんに付き合うのはつかれる」
……流石に少しは傷つくぞ?
「えぇい。こうなりゃお前らがあっと驚く告白方法してやる」
「はいはい。頑張りなさい頑張りなさい」
「うん。私も応援してるよー。うん。応援してる」
終いにはなくぞ。
そんな感じでオレは頭をまた悩ませるのだった。




