表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妹?観察記録  作者: 河上 誤停
ツンデレ?編
160/165

観察23:関係

「それでこころ。何に乗りたい?」

遊園地に入り、オレは後ろを歩くこころの方を振り向きそう聞く。

「別に……なんでもいいわよ」

「……って、やっぱ聞くまでもないよな。ジェットコースターに決まってるんだから」

「…………そうね」

答えるこころはどこかそっけない。

「ほんと、そういうところって姉妹みたいだよな。雪奈と」

そのそっけなさを気にしないように、オレはできるだけおどけるようにしてそう言う。

「……姉妹……か」

「? どうかしたか?」

「ねぇ俊行。あたしがあの子の姉で、あんたがあの子の兄だって言うなら……あたしとあんたの関係って何なのかしらね」

「…………今はそういう話はいいだろ。楽しもうぜ」

「……そうね。嫌でもその話はすることになるんでしょうし」

「……ジェットコスターでいいんだよな?」

重い空気に少しだけ辟易しながらそう聞く。

「ええ。このさいだからおもいっきり乗るわ」

「………………まじですか」

「とりあえずぶっ通しで3時間いきましょうか」

笑顔でそういうこころに微妙な怒気のようなものを感じながら、オレはこころと一緒にジェットコスター乗り場に向かった。


「ふぅ……流石にぶっ通しはキツイな」

乗ってる時間より待ち時間のほうが長いが、それでも頭の中が揺れている感じがする。

「あたしは待ち時間のほうがきついわね」

待ち時間も待ち時間でこの暑さだ。単純に休憩時間というわけにはいかない。

「そうね……時間もそろそろだし、お昼にしましょうか」

「ん……お前どっち行く?」

預けている弁当を取りに行くかかりと休憩所での場所取り。そのどちらを担当したいか聞く。

「お弁当取りに行くわ。飲み物は炭酸じゃなければなんでもいい」

「了解」

こころから飲み物のオーダーも受け、オレたちは一旦別れた。



「んー……またサンドイッチか」

「贅沢言わないの。というよりこういう場所にきた時の定番じゃない」

オレの愚痴にこころは嘆息しながらそう言う。

「ま……こころのサンドイッチは久しぶりか」

怪我をしてからはサンドイッチが多かったが、それは雪奈が作っていた。こころも手伝ったりはしてたようだが。

「うん……うまい。なんだかんだでこころも料理うまいよな」

そう口につけたサンドイッチの感想を言う。お世辞抜きで美味しい。

「一応、雪奈の師匠だし……もう、あの子のほうが上手いけどね」

「ま、そうだな」

「少しは否定しなさいよ」

「別に料理に命かけてるんじゃないだろ? こんだけ上手ければ嫁の貰い手には苦労しないだろうよ」

「それはどうも。あんたにほめられても嬉しくないけどね」

「……可愛くない奴」

「誰のせいよ」

やっぱり無理やり連れてきた事に不満はあるらしい。

「やっぱり、さっさと話を終わらせたいのか?」

「聞くまでもないでしょ」

「……楽しめなかったか?」

「楽しめたわよ。あんたと……今の俊行と一緒にいる割には」

「あー……やっぱりバレてたか?」

「分かるわよ……緊張してるのバレバレ」

「んー……じゃあ、もう言っとくか」

「ちょ……あんたまさかここで……」

珍しく驚き焦っている様子のこころ。オレはそれを気にせず、

「こころ。オレ、お前のことが好きだ」

そう告白した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ