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プロローグ
『ずっと一緒にいようね? お兄ちゃん』
今へと続く、始まりの覚悟。
『またね……とーくん』
小さな頃の幼い恋。
『大丈夫だから……傍にいてあげるから』
くじけそうな時に支えてくれた優しさ。
『リア充氏ね』
バカな悪友とのなんでもない日常。
どれも今の自分を形作る大切なもの。一つでも欠けてたら今の自分はないと思う。
それでも、いつか選ばないといけない日が来るんだろうか。
一つを選び、他を過去として割りきらないといけない日が。
父さんや母さん達と同じように。
といっても、オレに残された選択肢は二つしかなく、オレは一つを選ばない事を既に選んでいた。
だから、後は時間をかけて割りきって行くだけ。
……そう思っていた。