第8話 勉強、のちのち水餃子
夕日が教室を照らす放課後。
ミコトとモモが教室に入ると、そこには…
椅子に座り机に突っ伏すルナの姿が。
「もうやだぁー!」
いつもの事だと思いながら、ミコトは話しかける。
『ルナ、どうしたの?』
涙目のルナは言う。
「風真がさぁ、あたしだけ居残りとか言うんだよぉ」
『風真先生が?』
“なんか理由は無いのぉ?”
モモがそう尋ねると、
「いやさぁ、小テストでさ1点足りないだけで居残りって――」
『じゃあアンタが悪い』
バッサリ。
ルナ、沈黙。
「もう終わったけどさ…」
ミコトは静かにブラックコーヒーを飲む。
「あたしって、頭悪いのかなぁー…」
半分落ち込み、半分不貞腐れ状態に突入している。
『じゃあ――』
“ウチで勉強する?”
救世主が現れた。
「いいの?」
“ええよ〜”
ミコトはモモに聞く。
『夜は何食べるの?』
“う〜ん、水餃子にしよっかなぁ”
『行くわ』
即座。
“いや、勉強会――”
『1人だと心許ないでしょ?』
“まぁ、たしかに〜?”
そうして、水餃子パーティーもとい勉強会が始まった。
時間は過ぎ、夜11時ごろ。
モモの家で勉強を終えた、いつもの3人。
「もう…頭クタクタ」
“めちゃルナっち頑張ってたじゃん〜”
『ほんと、いつもこんなだったら良いのに』
笑顔で話しながら台所へ向かう。
「で、水餃子はどれくらい作んの?」
ふと気になった疑問をモモに言う。
“それはね…じゃじゃーん!”
[水餃子 100個入]
状況は一変する。
「ひゃっ、こ!?」
“そう!業務用スーパーで買ってきたの♪”
笑顔で答えるモモさん。
『今日食べるの、全部?』
おそるおそる聞くと、
“もっちろん!”
女子高生3人、深夜のドカ食いへと変貌した。
次に出てきたのは、スイカが丸ごと入りそうな寸胴鍋だった。
「ま、さか、それ…全部?」
楽しい楽しい、ドカ食い気絶のはじまりはじまり!
気がつくと、ものすごい量の水餃子ができていた。
笑顔の1人と諦観の2人。
“いっただきま〜す!”
「『い、いただきます…』」
水餃子をパクリ。
[ジュワァッ]
もっちりとした皮の中から溢れ出す肉汁。
肉ダネもニラとにんにくが練り込まれていて、1個でも十分な満足感がある。
『…めっちゃ美味しい!』
普段は業務用スーパーに行かないミコトは、新たな発見をしたと密かに喜んでいた。
時計の針が両方上を向く頃、ルナとミコトは床に倒れていたをした。
「も、もう食べれないよ…ウプッ」
『私も1年分の水餃子、食べたかも…』
少食の彼女らは完全にギブアップ状態だった。
対してモモ。
“ごっちそうさまぁでした!”
彼女達が食べれなかった分も含め、およそ半分以上もの水餃子を平らげてしまっていた。
“おなかいっぱいかも〜”
「モモ、どこにあの量の水餃子を収めたのか教えてヨ…」
“う〜ん、ひみつ♡”
ルナとミコトは思う。
――この人はぜったい敵に回したらいけない…
そうして、気絶の海に沈んでいった。




