第3話 ご褒美はハムカツサンド
前回からのつづき。
ルナは国語の小テストという未曾有の危機に直面していた。
テスト前日の夜――テストまで残り6時間。
「明日の朝、早起きしてやればいっか!」
翌朝――テストまで残り30分。
「ヤバい!ヤバい!ヤバい!ヤバい!」
ルナ、一瞬の思考。
学校までおよそ30分。
不運にもチャリはパンク中。
――結論。
「いってきまぁす!!」
ルナ、駆ける。
やらかした己の為、説教回避の為、ルナは全速力で走り出す。
いつもの道が工事中だったり、踏切で立ち往生したりと複数の苦難が彼女に襲いかかる。
走る、走り続ける。
――テストまで残り0分。
「ま、間に合ったぁ!」
ルナはなんとか間に合ったのだ。
『ルナ、ちゃんと来ておきなさいよ』
「いやぁ、時計見た時マジ死んだと思ったぁ」
“ちなみにぃ、テストは――”
「モモ。」
「あたしがテストの勉強、してると思う?」
“う〜ん、してないかにゃ?”
『してないでしょ』
「つまり、勝負に勝って試合に負けたっていう事☆」
『“じゃあダメじゃん”』
時間は過ぎ去り、夕暮れの放課後。
「いやぁ、久々に合格の二文字を見たわぁ」
『嘘でしょ…』
いや凄いな…
するとルナは、
「今日のあたしは機嫌が大変良い!」
突然そう叫んだ。
“ルナっち…?”
「――よって諸君、ハムカツサンドを食べに行くぞ!」
『…それって私たちも?』
「もちろん♪」
『奢ってくれたりとかは――』
「ない♪」
ルナは右手を高く振り上げて一言。
「行くぞー!」
午後5時。
3人は土屋商店街の近くにある喫茶店に訪れていた。
内装はレトロな雰囲気を感じさせている。
「久しぶりに来たなぁー、ここ!」
『あんまり大きい声を出すなって…』
マスターは微笑みながら3人に近づいてきた。
――お嬢ちゃん、ハムカツサンドかな?
「うん、3人分お願い!」
20分後、3人のもとにハムカツサンドが届いた。
『…でっか!』
“すごいねぇ〜”
「3人とも来たよね?」
ルナは確認した後、手を合わせると
「いただきまーす!」
[サクッ]
『――美味しすぎる…!』
“すっごいサクサク感だねぇ”
「やっぱりハムカツの厚さがハンパないね!」
「食パンのモチモチとハムカツのジューシーさ、衣のサクサクがハッキリと感じられる!」
「――めっちゃ美味しい☆」
夕焼けが町を照らす午後6時。
「マスターごちそうさま!」
――お嬢ちゃんたちの笑顔が見れて良かったよ。
――またおいでね。
「うん!」
「さぁて、明日も頑張るぞ!」
『ルナ、昔からあの喫茶店行ってたの?』
「まぁね♪」
「いつも頑張った時、自分へのご褒美として食べに行ってるんだ!」
“じゃあ明日も頑張れば、また行けるね”
時が一瞬止まる。
「へ?」
『明日は数学の小テストだよ』
「……」
ルナは顔を下に向ける。
「数学は…ちゃんと勉強します」
ルナを励ますミコトとモモであった。




