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独占と排他

作者: 岡みつる

挿絵(By みてみん)


独占と排他


 皆さん、今日は〔独占と排他〕について学習しましょう。

 〔独占〕とは独り占めすることですね。何を独り占めするのでしょうか。いろいろありますね。一言で言えば〔富〕と〔支配〕ですね。具体的にはお金、物、統制等ですね。

 〔排他〕とは他の人たちを追い出すことですね。これは〔独占〕をある人たちだけでずっと維持することですね。簡単にまとめると〔独占と排他〕とは富をある特定の人々だけで所有している状態やその為に行う事柄を指しますね。

 ではどのように〔独占と排他〕を達成するのでしょうか。いろいろありますが実際起こったことを紹介していきますね。


 ギャンブル、砕けて言えばバクチというものがありますね。これで絶対に勝てる方法があります。それは勝つまでやると言うものです。仮に1億円儲けたいとしましょう。まず最初に勝てば1憶円得られるように賭けます。勝てば終わりですが、負ければ次に前回の賭け金と1憶円を足した額を得られるように賭けます。勝てば終わりです。負ければまた同じことを繰り返します。そうすればいつかは勝つでしょう。ただしこれには前提があって勝つまでの賭け金を持っていると言うことです。現実にはなかなか難しい。賭け金が無くなると破産してしまいます。従ってこの方法を取るには、いかに賭け金を集めてくるかが鍵になります。お金を集める方法は人から借りるしかありません。どんどん借りていきます。そして仮先はバクチで勝っている人になる場合もあります。


 もう一つの例を挙げましょう。皆さんある商品が役に立つためには他の種類の商品とある性質が合っていないと駄目なことが多数あります。たとえばテレビ。テレビはそのテレビが受信できる電波で放送が行われていて初めて用をなします。どの放送も見れないテレビは価値がありません。これを逆手に取るのです。普通のテレビで見えない電波で放送を始めます。そしてテレビは無料で配ります。良い番組を放送すれば、みんな無料のテレビをもらうでしょう。テレビの殆どはその無料テレビになります。みんな無料テレビを見ているので、番組で広告を流したい人は無料テレビ局にお金を払って頼みます。そうしないと誰も見てくれないからです。無料テレビを配るのにかかる費用よりも得られる収入が大きければ成功です。これで無料テレビ以外のテレビを作っていた会社も幾ばくかのお金を払って無料テレビと同じものを作らせてもらうしかありません。


 今二つ実例を挙げました。ところで〔独占と排他〕は良いことなのでしょうか?

 〔独占と排他〕を成し遂げた人々は潤います。社会が皆これを目指すゲームなのだと捉えればそれは良いことと言うよりゲームの目的になります。するとそのゲームが良いゲームかという問いになってきます。

 問題を簡単にしましょう。

 このゲームを社会がやる場合とやらない場合で、どちらが社会全体の富が増すかという問題にしましょう。


 ゲームをやらない場合を考えましょう。つまりだれも〔独占と排他〕をしないという社会です。物を作る人々、サービスを提供する人々はそれを消費する人々に対してより良いものを作る必要があります。物を作る人々、サービスを提供する人々が受け取る対価はお金ですから、よりお金を得るには競争をしなければなりません。この競争が激化すればその結果はおのずと〔独占と排他〕です。ですから物を作る人々、サービスを提供する人々にお金以外の何かを対価として与えなければなりません。そしてその与えるものは〔独占と排他〕に利用できない何かです。そしてそれは何らかの質の高い富です。


 次にゲームをやる場合を考えましょう。

 誰かが〔独占と排他〕の勝者になります。このとき敗者の持つお金や物はすばらしいものとなっているでしょうか? そうであれば勝者の得るものもすばらしいものです。そうでなければ勝者の得るものはたいしたものではありません。ただゲームに勝ったというだけです。ゲームの結果として敗者の持つ富の質が重要となります。


A君:「先生、質問があります」

先生:「A君、なんですか?」

A君:「富の質とは何ですか」

先生:「簡単に言ってしまえば、良かれと思われるものが沢山持てると言うことです。A君にとって良かれと思うものは何ですか」

A君:「そうですね。何の苦労も無く良かれと思うものが沢山手に入ると言うことですね」

先生:「A君はそのために何をしますか?」

A君:「はい、良かれと思うものが好きなだけ手に入るように〔独占と排他〕を目指します」

先生:「Bさん、Bさんにとって良かれと思うものは何ですか」

Bさん:「私は普通の人が持つものよりもっと良かれと思うものを、普通の人よりも多く持つことです」

先生:「Bさんはそのために何をしますか?」

Bさん:「そのためには普通の人よりお金が必要なので〔独占と排他〕によってお金を準備します」

先生:「A君、Bさん。人々はずっと昔から良かれと思うものを欲してきました。良かれと思うものを造ることに努力し、良かれと思うものを奪い合う競争し、そして現在があります。現在は良かれと思うものにあふれていると思いますか」

A君:「僕は昔の人が良かれと思っていたものよりもっと良いものであふれていると思います」

Bさん:「私は昔の人が良かれと思うものを奪い合う競争をずっとお互いを傷つけない方法でやっていると思います」

先生:「〔独占と排他〕は良かれと思うものと言う意見ですか?」

A君、Bさん:「もちろん私達は勝つのですから」



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