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ルミの魔導書!! | ALMA2 : Spicanokia  作者: みととみはる
第一話 星空 | Chapter.01 Under the Stars
1/2

1-1 「卒業生」

僕には、本しか無かった。

 

昔から、本が好きだった。

1人の時間を、本だけが彩ってくれた。


でも、読み終わると、やはり僕は1人だった。


そんな日々に、突如として君は現れたんだ。

まるで空が蒼く晴れるかのように。

1-1 卒業生


「タンッ、タタタンッ」

静かな廊下に、パンチで文字を刻印する音が響く。

 魔法学I、II、魔法学教育課程...。活字用の正方字体で、手のひら程のサイズの金属カードに文字が打ち込まれていく。

「ルミさん、綴りはRだった?それともL?」

「Rです!」


 ザツァ自治連邦の一国、高原の町テラ・パシフィカより南に数十マイル。高原を下り森を抜けたその先にジダの町はある。人口二万程度の小さな港町だ。ザツァの大森林で隔たれた二国を繋ぐ交通の要所として、交易の町としてそこそこの繁栄を成している。

 その中心から少し離れた丘の上、小さな学校がある。大學程度の内容を教える学校で、ジダ周辺の村落から人が集まる。といっても、連邦の各都市立大學や西の帝国の国立大學のような正式な大學ではなく、講義こそ同じ内容もあれ、研究機関のない短期終了の、名付けるとすれば”専門学校”といったところだ。

 受付に張り付いているのはルミ。今朝がた時間をかけて整えてきたショートカットの髪、射影機械に向けたにこやかな笑顔が、彼女の卒業証明兼免許証に浮き上がる。

 歴史が記され始めて二千年、星に願い、魔法を手に入れた人類は、大いなる力で空をも支配したというが、今ではその面影すらない。

 

「科目は一種、二種の魔法学と教育課程ですね、卒業証明兼免許証です。」

打たれた文字がまだ温かい。

この日、ルミはこの学校の過程を修了し、卒業資格を得た。

 だいぶ前から一人暮らしの彼女の生活は変わらないが、コツコツ通った学校からの卒業という節目に、彼女はこれからの人生に大きな期待と一振りのスパイスー不安を抱いて、すべての処理が終わるのを待っていた。

「あ、これ貸し出しの魔導書なんですけど...」

彼女は思い出したように魔導書を取り出す。人の頭ほどもあるサイズのその魔導書は、彼女がここに通い始めたときに授業用に借りたものだ。

 古の時代、星の力を自在に操り、

世界に干渉せしめた魔法使いたちの持つその書は、その力の媒介をおこない、それ一つで岩をも砕く力を発揮したという。が、いまやそんなものは形骸化し、ただの教科書をそう呼ぶに過ぎない。


「ありがとうございます。回収しますね。」

 新暦914年、三月十五日。この日、ルミは魔法使いになった。


 その学校の正面玄関、片方を固定された両開きの扉の右側を開け、ルミは飛び出した。目前に広がるのはジダの町、その奥には大海原ジダ泊地、東ザツァ海が広がる。

まるで彼女のこれからを祝うかのように、あるいはそれ自体が彼女の未来を示すかのように、昼下がりの海はキラキラと日の光を反射して輝いていた。

 小さな校舎の裏に停めてある自転車にまたがる。使い古されて錆びた焦げ茶色のフレームは、彼女の毎日の努力を物語っている。石畳の道をいつもよりブレーキを弱めで降りるその自転車は、キーと音をたてながら、また上るのはいつになるやら、登り慣れたその坂に別れを告げた。

 彼女の体はいつもより軽かった。というのも、以前は重い魔導書をその鞄に入れていたからだ。まったく、複数冊に分ければいいものを、魔法学者たちはひねくれ者が多い。大概分厚く大きい本にこだわろうとするのだ。しかし、そんな日々も今日で終わり、彼女の自転車は町の中心に入り、川沿いを走る。しばらく行くと、彼女の行きつけの雑貨屋が見えてきた。

 ランプがはめ込まれた木製の看板に、その店の名が焼きつけられている。

 自転車を路肩に停めたルミは、その雑貨屋の戸を叩く。

「やってる~?」と陽気にルミが扉を開ける。卒業間際で忙しく、二週間もの間が開いた久しぶりの来訪にも、「チリチリーン」とドアベルが鳴るだけで返事は無く、その店内は静寂を保っていた。

 細い店内の壁の棚には、大小さまざまな瓶、本、薬品、布から実験器具まで様々な品が並んでいる。

 店の一番奥には机があり、そこにいつもは店主がいる。机上にはボトルシップや彼の愛読書、片づけている途中だっただろう瓶の箱などが置かれている。その合間にひっそりと寝ている白い毛玉は店の家猫だ。ルミが近づけば、むくっと起き上がった。

「イライザ、彼、居る?」

 イライザはルミを見て、目を細めると、また眠りについた。

 彼は下の工房に居るのかな?。そんなことを考え店内を見回していると、ルミは机に、気になるタイトルを見つけた。紋章、のようなものが、背表紙に描かれている。


 ルミはこの店の常連客だ。

 数年前、彼女がこの町に越してきたのは、入学と同時であった。彼女の下宿の近くだったこの店は、店主が彼女と同年代だったのもあって行きつけの店となった。一方は魔法学の道を志し、一方は魔動機関を作る職人を目指す若き二人。その進む道はさほど重なったわけではなかったが、同じ魔法の道。いつからか。彼女の学校からの帰りには、寄って夕食を共にし、魔法談義で夜更かしをするのが二人の習慣となっていった。


 ふと手に取るその本は、手帳よりは大きいが、本よりは小さいといったところ。美しい意匠がこらされた革のカバーに、まっさらなページが連なっている。ページをめくる手を止めたルミは、裏表紙を見た。

彼女の名が入っている。

「私の?...じゃないよね。」

表紙裏には、これもまた複雑な意匠がこらされていた。不気味なその意匠は、彼女の意識を吸いつけ離さない。

「カラン、カランカラン」

店内に響いたその音は、瓶の一つが床に落ち、その静寂を断ち切った。人の気配。ルミは振り返る。

「ケイ、じゃないか。」

誰もいない。扉のステンドグラスから差し込む光が、ただ白くまぶしかった。


 ケイ…、。何かが私の心に引っかかる。

 ケイ。この店の店主…ルミの友達…。


 ドアの向こう、この店が面する石畳の道は、街の大通りから少し外れたところを通る用水路のそば、水面から二段上がったところを走っている。その一段目から二段目の間が、各建物で地下室となっているのだ。地下室には一段目に出る扉もあり、ルミも工房に直接行くときは通ったりする。

 この店の店主、ルミの友達のケイは、つい昨日までその工房に籠っていた。そう、ルミへのプレゼントをこしらえるために。

 幸い、私は彼女が借りていた魔導書に対する不満をこぼした日のことを覚えていた。確か通い始めて一年過ぎたころだった。2年次に入り、新しくなったそれは「重いしデカすぎる、もっと小さい、それこそポケットに入るサイズのものが欲しい」と。

 同時に彼女は、教科書を自分で作りたい、ともいっていた。自分でノートに纏めることほど、最良の勉強方法はない。だからこその白紙の本なのだ。

 ケイは彼女が卒業するタイミングで渡そうと、コツコツ制作を進めていたのだが、結局装飾に悩んだりして、ギリギリまで長引いてしまったらしい。

 私は最後の仕上げに、金で彼女の名前を革に刻んで、ってあれ、ケイって僕のことでは??そうだ、確かに彼女の名前を刻んで、

しかしそこからの覚えがない。


 私はケイだ、オーケー。私はケイだ。で、そこにいるのはルミとイライザ、オーケー。って、オーケーじゃない。何で僕がいない体なの、僕はここにいるじゃないか。

 

 ほら僕は、あれ?

 体を見ることができない。下を向こうにも向けない。手を出そうにも出せない。まるで体がなくなったかのようだ。しかしなぜかルミの事はすべてわかる。というより、彼女の周りのことしかわからない。彼女を後ろから見守っているような感覚。感覚を共有している。本当にひどく混乱した。取り乱しそうなほどに混乱した。しかしその混乱は、思考の中にとどまり、それを吐きだす器官は、もはや私にはなかった。

 

 ルミはまた机に視線を戻し、先ほどの本を置こうと手を伸ばす。メモがあった。見慣れたケイの筆跡だった。それは本に隠れていたようで、一言。

「卒業おめでとう。」


「プレゼント、ってことなのかな。」

彼女は再び、その本を手に取る。

そうだよルミ。プレゼント。大事に使ってくれたらうれしい。 


 どうやら、僕は死んでしまったらしいな。

 僕はあれを、二週間前には完成させたはずだ。最後に名前を入れた日は、確かに二月の末だった。最期に彼女と会った、その次の日。

 記憶がない。すっぽりと抜け落ちたように。死ぬとはこういうことなのかな。

 記憶がない。そうか、その日のあとに死んだんだろう。そうして、すべてに忘れられていた僕は、ただ一人彼女に探され、こうして最後に、願いが届くのを見せてもらえたのだろう。世界に感謝をしなければならない。


 そうやって、いろいろ考えているうちに、なんだかもうろうとしてきた。

 これが本当の最後、なのかもな。

 二週間。何があったんだろう。





 下の階を探してもいなければ、ようやくあきらめ雑貨屋を出たルミは、彼女の自転車にまたがる。この自転車も、実はケイが廃品から作ったものだ。

 夕暮れ時をとっくに過ぎ、刻々と暗くなる街を、彼女の自転車はガタガタと音をたてながら走っていく。彼女のアパートにはほんの数分で着いた。

「うーん今日は早めに帰っちゃったし、早めに寝ようかな。」

彼女はつぶやく。

「あらルミちゃん、早かったわね。おかえりなさい。」

 扉を開けた所で出会ったのは、大家のお婆さんであった。いかにも老体齢七十、というような風貌の彼女は、ルミにとっては優しく

頼れる祖母のような存在だ。

「今日で卒業だったもので。」

「そうだったの?もうそんなに時間が経ったのね。おめでとう。」

 軽く会釈をしたルミは、階段をあがってゆく。木の階段はキシキシと音を立て、モルタルの壁はところどころひび割れて崩れている。 木造モルタル三階建て、この町では普通くらいの建物だ。そのアパートの三階を彼女は借りていた。

「今日は夕飯ぬきかな。やっぱ新しいの買わないと。」彼女はつぶやく。

 元々ケイと食事をするつもりだったので、夕飯の材料は買っていない。ならストックはというと、彼女の低温保存庫は壊れかかって使えないのだ。魔動機関がもう寿命なのだろう。

 軽く風呂に入って彼女はそのまま床に就いた。


 チュンチュンと鳥のさえずりが聞こえる。ガラヴァン鳥だろうか。白い腹にこげ茶の羽のその鳥は、朝の知らせの代名詞。

 窓から差し込んだ光がルミの瞼を貫く。まだ寝ていたいのだろう。ルミはタオルケットにくるまれたまま、ごろんとベットからずり落ちた。それから彼女が起き上がるまで、実に三十四分。

 さっと身支度をすませたルミは、モルタルの壁を左肩で少し削りながら、狭い階段を駆け下りてゆく。「おはようございます!」と大家さんに一声。扉を開けて駆け出したルミの黒いコートが一瞬空を覆う。今日は忙しいのだ。

 彼女が最初に向かった場所は商店街だ。まずは尽きた食料を確保しなければならない。

 この町、ジダの町は交易の町、つまりは商業の街だ。テラ・パシフィカのような大きな都市と違い、この町は全体が商店街のようなもので、多くの店はメインストリート沿いに比較的バラバラに分布している。それゆえ、誘惑も多い。

「いらっしゃーい、新鮮な果物だよ!。」

「肉ー牛肉はいかがかえー。海の向こうのアルヴェサリア産だよー!!」

「芋類穀類お安くしとくよー!」

 各店舗そろって朝の稼ぎ時だと、客をつろうと必死である。

「お、ルミちゃんじゃないか。牛肉パティ焼きのバンズ挟み、どうだい?」

 野菜を売っている商店に一直線だったルミの足は止まり、くるっと向きを変える。

 牛肉パティ焼きのバンズ挟みに一直線だ。

「おっちゃん、牛肉パティ焼きのバンズ挟み、一つおねがい。」

「まいど。五十アリアンね。」

「あー、大きいのしかないや。ごめんおっちゃん、おつりある?」

「金貨一枚で千アリアンね。はい、銀貨九枚と銅貨五枚。はいこれ出来たて。」

「ありがとう~!」

 彼女の誰に対しても絶えない笑顔は、町のみんなの心をつかむ。

「それにしても、もっといい名前ないの?牛肉パティ焼きのバンズ挟みって、そのまんまじゃん?」「まあなあ、そのうち考えないといかんとは思ってるんだが。」

 海の向こう、アルヴェサリア共和国から伝わったその料理は、同じくアルヴェサリアから輸入される安い肉とともにザツァ全土に浸透しているらしい。

 少し重たい朝食の後、ルミはまた歩き出す。買い物を終え帰宅したころにはもう昼であった。

 朝が重かったし昼はいいかな。そうつぶやいたルミは数日分たまっている洗濯にかかる。

 幸いなことに、彼女の洗濯機械は今は壊れていない。先代は彼女が途中で扉をあけたために壊れ、これも寝ぼけた彼女が鍋を洗い壊れるも、ケイが直している。

 ルミは洗濯機械に洗濯物を放り込みながら、昨日のことを思い出していた。

「なんでなんだろう。」

そう呟いたルミにとってのケイとの約束は、ただ祝ってもらおうというだけではなかった。

 あのケイが約束に遅れたことなんてなかった。いつも約束の二十分前に来る彼が、よりによってあの日に居ないなんて。心の中でルミは嘆く。

 あれ僕、約束に二十分前も早く行ったことなんてあったっけ。

「あったでしょ!いつだったか忘れたけど確か冬の日だった...って、あれ...。」ルミは振り返りながら言う。しかしそこには誰もいない。

「確かにケイの声だった気がしたんだけど...。」

 待て待て待て待て、僕のつぶやきがルミに聞こえた?、というか俺、どうしてたっけ。

 昨日の夜から今までの記憶がなだれ込んでくる。水を掛けられて急に目が覚めたときのような気分だ。寝起きのもうろうとしている

間の記憶のような、昨日から今までの記憶がある。

 ってまて、牛肉パティ焼きのバンズ挟み、名前そのまますぎんだろ誰だよ。てかルミ朝から牛肉パティ焼きのバンズ挟み...。

 彼女がだいぶ華奢なほうだからに、朝から肉ってのは衝撃が、すごい。いや、その分昼を抜いたりしてるから痩せてるんだろうな…。

 次から次へと出来事が思い出されていく。一つ一つ鮮明に。

 よく考えてみると、こんなことが昨日にもあった。昨日はこんな急にではなかったが、叩き起こされた時のような感覚。意識が戻り、しかし意識がなかった時にもしっかり見て聞いていたような感覚。

 てか寝起きのルミ...。

 私の中で築かれていた彼女の印象。明るく、まじめで、しっかりしていて、それでもって優秀で...。

 てかあの洗濯機械、鍋入れて壊したの…。

 ガラガラと、いや、爆発するようにと言ったほうが正しい。彼女の印象が崩れていく。

 ちょっと、かわいいかもな。

 最初に出た感想はそれだった。


 そういえば、どうやら死んだわけではなかったらしい。最後くらい格好つけて文章を締めようと思ったのに、意識が復活しているのは。いや、やはり死んでいるのかもしれない。いまだそこに体は存在せず、意識だけの存在。

 そんなことより、不思議なことがある。こうやってルミの背後霊のような状態な私だが、文章を書いている感覚がある。 

 不思議だ。今の私はただただこう思考しているだけの存在と思われるが、その思考が文章にとらわれている感覚があるのだ。


 とここで、私は今重大なことに気が付いた。

 風呂の記憶がある。

 これはまずい。忘れなければ。

 記憶が鮮明によみがえってくる。

 本当にヤバイ、背徳感と言うかなんというか、消えたい。逃げたい。というかこれダメだろ本当に待ってほしい。あーまってくれ。頼む、忘れさせてくれ。あー。

 理性が拒んでも、思い出されるものは思い出されるのである。そうしてどうしても拒めなかった私は、仕方ないと受け入れ、とてもエッチな気分になった。


 一転、気持ちを切り替えたルミは起動した洗濯機械を後にし、

次は部屋の掃除をと部屋を見回す。

 しばらく掃除していなかった天井は、やはり梁がむき出しの構造だけあって蜘蛛の巣が張っている。

 床にあるものを一回すべて片した。大掃除だ。机の上のものも、しまったり布を掛けたりする。

 ふと、あの本が眼に入る。ルミは手に取らずにはいられなかった。昨日のことがあったから、なんだかさみしく、ケイに怒りが湧いた。

同時に、とてもさみしく思った。


 表紙の裏には、不気味な模様がある。開いたルミは、またそれにとらわれる。手を延ばさずにはいられなかった。

 触れる。手。

 ばちっときた。莫大なエネルギーが、本を取り巻いている感じがした。本は彼女の手から落ちる。

 しかし静寂は訪れなかった。

 ページがどんどんと捲れていく。百、二百、五百。その小さな本には到底入らないページ数だ。

「なにこれ...」

 驚いた彼女は数歩後ずさる。しかしページは止まらない。

 千、一万、百万...。遠目のルミにはパラパラとめくれるページの下の数字が、あり得ないほど大きい桁なことしか分からない。

 部屋に風が吹き始める。その風はだんだんと強くなり、魔導書へ吸い込まれてゆく。まるで竜巻のような強さだ。物は飛び、ルミ本人も踏ん張るも、フローリングの床に靴下だ。滑ってそれに近づいていく。切迫した「やばっ」という声が漏れる。どこかにつかまらねばならない。上から机が降ってくる。彼女のあたまの上を抜け、みるみるそれは小さくなり、ぐにゃりと伸びて、一点に収縮された。ほかの物も、同じように吸い込まれていく。

 ついにはその魔導書は、部屋の物を飲み込み、ルミをもその本の中に吸いこまんとする。焦った。焦りながらも、彼女はぐっと手を伸ばす。つかめる。そう思った。

 目を開ける。つかめた。眼前には、何もなかったかのようにたたずむ世界。日差しが窓から注いでいた。先ほどまでの猛烈な風は窓より吹き抜け、消え去る。静寂が部屋を包む。

 だが、彼女の家財道具もなにからなにまでも、先ほどの動乱とともに消えていた。

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