交戦②
「・・・やはり、そうだったか・・・」
魔王ラムトスは、ゴブリンライダーと村の生き残りの話を聞いて納得していた。
「・・・《ヤツら》の狙いは、《証拠隠滅》をする為に火災を起こし村人をも見殺しにした・・・俺達、魔物でもやらない非道な事をしやがって」
他人の村を《証拠隠滅》で焼くのは、悪魔達でもやる事だが、私的理由で自分の住む村までやるのは、非道だと思った。
報告するゴブリンライダーのリーダーも、怒りを露わにしている。
「その証拠に、あの村に駐屯していた筈の兵士も領主と一緒に真っ先に逃げていますからね〜」
自分たちゴブリンライダーが駆けつけた時には、すでに兵は居なかった為に村は混乱していた。
「・・・俺らが巡回してたから良かったですが、居なかったら皆が焼け死んでましたからね・・・」
リーダーは部下に何かを言って、退室させた。
「で『犯人は現場に確認に戻る』じゃありませんが・・・偵察に戻って来た兵士を捕まえてきました。」
その言葉と共に、3人の人間の兵士が連れてこられた。
「残念ながら・・・1人は取り逃がしましたが、コイツらを《尋問》すれば・・・」
と、その時だった・・・
1人の兵士が、ラムトス目掛けて突進してきた。
すぐに脇に控えていた護衛の四手骸骨が、斬り伏せてしまったが・・・
「しまった!・・・コイツが1番に情報を知っていそうだったのに・・・」
油断したと、悔しがったが・・・
「・・・大丈夫よ!そんな事も起きるかも?とココには結界張ってあるから!」
そう言って現れたのは、暗黒祭祀の女性だった。
死人なのか、彼女の横には火の玉が有った。
「・・・死人に口なしだっけか?・・・残念〜私なら死人からでも、口を割らせられるから!」
魔力を籠めると、黒い炎を放った。
その炎はある一角で広がり、何かを捕まえる。
そしてその炎は、兵士の死体の上に一時浮かんだが、死体を包み込む様に広がった。
すると、斬られた傷が塞がっていく・・・
「・・・うっ!失敗したのか・・・ならば」
しかし兵士の手足はおろか身体は動かない。
「無駄よ!まだ貴方は完全に《蘇生》した訳じゃないから・・・さて我々の質問に答えて貰おうかしらね〜」
彼女は、兵士の腕に短剣を突き刺したが、すぐに再生している。
その行動に、他の2人も怯えた様な表情になった。
「・・・俺は領主に、『後始末』を命令されただけだ!」
1人がそう言い出すと、もう1人も話し出した。
「・・・俺は奴らが聖都に行かない様に《監視》を命じられただけだ!」
聖都方面に行くようなら、連令の者に使えるのが役目だったそうだ。
「・・・それで、貴方は?」
いまだ発言しない、あの突っ込んで来た兵士に女性が尋ねる。
「俺は・・・」
その時だった・・・
「ラムトス様、大変です・・・重症人を置いて来たバグスの街の長の屋敷が放火に合いました!」
慌てた様に、新たな配下が入ってきた。
「ラムトス様、勇者がこちらにやって来てます・・・その後にはおそらくは聖騎士団も・・・」
続けて、もう一人現れ、そう報告が入った。