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序章③

(何かが変しい・・・我々は何かを騙されているのでは・・・)

ユカタ達の殺害と爆破の犯人疑いは晴れたが・・・あの村の生き残りの怪我人とは、一切面会すらさせてもらえなかった。

というより、遺体が燃えて誰が誰だか見る影もなくなってしまったのだ。

それでは、面会をする理由が無くなる・・・

仕方ないので、その足で慌てて聖騎士団にユカタ達は戻った。

(一体誰が進軍の命令を下したのだ?)

聖騎士団に残っていた部下達に尋ねたが、『上からの命令』としか知らされていなかった。

なかにはユカタが命令を下した?と言う者も居た。

(あれっ?自分が抜けた後を任せた《副団長》はどうしたんだ?)

副団長は先行している騎士達と話があるとか言って、今は駐屯地に居ない。

呼びに来た男と副団長は、正式にはユカタの直属の部下では無い・・・村人の奪還の命令の為に兵を連れてユカタの親衛隊と合流して来た別の部隊の人間のだ。

(・・・もしや、《ヤツら》は上層部から《別命》を受けてるのか?)

やはり、進軍の命令を下したのは、副団長の独断な可能性もある・・・あと一人、この団に命令を下せる人物は居たが・・・

「・・・そういえば・・・『勇者』殿も来ていたのだったな?今は何処に?」

たしか副団長が、聖国から『光』の勇者とやらを王命で連れて来ていた筈だ。

「・・・勇者アベル様でしたら、後方の馬車で就寝なされている筈です・・・」

その報告に、ユカタは苦笑いを浮かべた。

(合流してきてから、何もしてないじゃないか?)

魔王ラムトスはアンデッドナイトの最高峰・・・『暗黒狂骨騎士ダークネス・グローナイト』なので、聖なる力に弱いと考えられ連れてこられたのだと言うが・・・

(役に立てる気が無いのなら、帰って欲しいのだが・・・勇者達も王命である以上はそれは出来ないのだろう)

「・・・あの〜ユカタ団長・・・我々は本当に魔王ラムトスと戦う事になるんでしょうか?」

ユカタが今後の事を思案していると、新入りの部下が遠慮がちに尋ねてきた。

「・・・なるべくなら穏便に事を済ませたいが・・・相手は魔物の王だからなぁ〜こちらの《意思》が伝わるかどうか・・・」

しょせんは魔物・・・自分たち人間よりも知慮が有るとは思えない。

「・・・相手の出方次第だ!・・・たが、こちらは200人の聖騎士団が居るんだから、負ける事はないだろう・・・」

聖騎士団は人間領では、最強と自負する強力な集団だ・・・いくら魔物の数がいた所で問題ではない。

そう自信をもって、ユカタが宣言した時であった。

「伝令!前衛隊が、《予定》通り魔王軍と交戦開始・・・これより我々も進軍します」

(予定通り・・・どういう事だ?)

これは直ぐに前衛に行き、副団長を問い詰めねばならないと思った。

「私も前衛に行く・・・親衛隊は付いて来い!」

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