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第三回「下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ」大賞

交差点ですれ違うあのイケメンは指名手配犯かもしれない

 今どきのギャルの春香は、引っ込み思案の幼なじみの秋奈から相談を受ける。

「どうしたんだよ秋奈、改まって」

「私、……好きな人ができたの」

「マジで? おめでとう、相手は誰!?」

「結構前に、スマホをなくして探している時に、駆け寄ってきて、一緒に探してくれたの。歳は二十代後半くらい……かな。今でもよく、商店街の交差点で見かけるんだけど……自分から声をかける勇気がなくって。春香ちゃんに付いてきてほしいんだけど」

「なんだそんなことか。いいぞ、付き添ってやんよ!」

 こうして春香は放課後、秋奈に連れられるまま商店街の交差点に行った。

 そこにはアイドルにもひけを取らないイケメンが立っていた。

「ほら! あそこに立ってる人だよ、春香ちゃん」

「……っ」

「春香ちゃん? どうしたの?」

「……ウソだろ」

 春香はまぶたを見開き、ギリギリ聞き取れないくらいの声で呟いた。


 今から七年前、その交差点近くの銀行で強盗事件があった。

 犯人は二千万円奪い逃走、今も捕まっていないという。

 当時、春香は偶然そこに居合わせ、目撃してしまっていた。


 ――――その犯人の顔が、秋奈が恋をしたイケメンと酷似していたのだ。


 しかし「犯人が頻繁に現場の近くをうろついているわけがない。そうだ、きっと他人の空似だ」と、自分を納得させて、その日はなんとか秋奈に声をかけさせないまま収めることができた。

 その場はうまくごまかせても、春香はその夜ずっと頭を抱えることとなった。

「春香に真実を伝えるべきか、なんて言う? もし万が一彼があの強盗だったら……どうにかして秋奈に彼のことを諦めさせないと……」


 次の日、学校の朝礼にて――

「今日からこの学校に赴任してきました、冬田夏目と言います!」

(…………ウッ……ソだろ)

 春香は絶句した。

 そのイケメンはあろうことか、春香たちの学校に新任教師として赴任してきたのだった。

小説家になろうラジオの

「タイトルは面白そう」のコーナーで

ミステリーが流行っていたので作ってみた短編


雰囲気だけ楽しんでいただけたらなと思います

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― 新着の感想 ―
[良い点] まさかの展開に夢中になりました。すっと物語に入ってあっという間に最後まで読んでしまいました。1000字とは思えない内容の濃さです。
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