ティアの願い
ダンジョンを出て一気にLvの上がった俺は、大抵のモンスターを余裕を持って倒せるようになっていた。この調子なら何も問題なくトルミネまで行けそうだ。
しかし、気になる事がある。ティアの事だ。
ティアのあの再生能力、膨大な魔力と魔法についてだ。初めてティアに出会った時は幼く儚い印象だったし土砂に埋もれていた。
ティアの強さならあんな土砂崩れにも巻き込まれえないだろう。それが何故だか分からない。直接聞いてみようか。
「なあティア、何であの時、土砂崩れなんかに巻き込まれたんだ? 」
「私、少し思い出したわ。私はあの時、死のうと思っていたの」
「死ぬって!!? 何でそんな事を考えたんだ? 」
「そうねぇ、生きる事に飽きてしまったのかな・・・」
「飽きるって・・・ そんな歳でもないだろ?」
「私、少し思い出したは、私は見た目以上に長い時を生きて来たの」
「長い時ねぇ・・」
見た目は10歳程度にしか思えないんだが。
「それに私、化物だから、トラスも見たでしょ? ダンジョンであの魔導士に腕を斬られたの」
「たしかに、信じられない程の再生力だった、その膨大な魔力と関係があるのか? 」
「分からないけど、無いとは言い切れない」
「それとお願いがあるの」
「どんなお願いだ?」
「私を殺す方法をさがして!」
「!?、何言いだすんだ」
「だって私不死身なの、だから皆私をおいていってしまう・・」
「もう、一人は嫌なの」
「あー、やめやめ、この話は無かったことにする」
ティアが不死身だって?しかも死ぬ方法なんて、そんなの俺がティアを殺すみたいじゃないか。そんなのは勘弁だ、とにかく今はティアの素性がわからない。
情報がいる、今はトルミネ経由でフォルクスまで行くことだけを考えよう。
「ティア、とにかく旅は続ける、お前の素性を知るためにだ」
「・・・・分かった」
そうして俺とティアの旅は続くのであった。
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