ティア覚醒?
これから初の戦闘がでてきます。
「おはようトラス」
ティアが俺を起こしに来てくれた。
「おはようティア、昨日はよく眠れたか? 」
「う、うん眠れたよ・・・・。」
何だ? この間は、、まぁいいか。
今日はこれからフォルクスまでの旅が始まる、魔物達との実践経験を積むにはもってこいだ。
今までは退治と言うより捕獲だったしね。
出発の前にティアとパーティー登録済ませておかないとな。
「ティア、俺とパーティー登録しておこう」
「うん、そうだね」
2人でステイタスボードにパーティー登録をした。
「準備も万端、さあ出発だ」
「おう!」
しばらく行くと早速、魔物と遭遇。
「軍団バッタのおでましだ、ティアは下がっていろ、戦闘は俺がやる!」
と威勢のいい事を言ったが内心、久々の実践で多少緊張している。
数は5匹、間合いをつめて蹴りを一撃。
2匹まとめて始末ができた!やれるぞ!
2匹が同時に攻撃してきたが、半身になり、かわすと同時に突きをだし
もう1匹を倒した。
「たいしたことないぞ、こいつら」
すると軍団バッタ達の目の色が赤くなり、背翅を震わせ、ジギージギーっとセミの鳴き声のような音を立て始めた。
「しまった! 仲間を呼んでいる! 」
素早くバッタとの間合いをつめ下段蹴り2連!
何とか軍団バッタの仲間が来る前にを倒すことが出来た。
「ティア、大丈夫だったか? 」
「うん、大丈夫! 私でも勝てそうだった! 」
うへ、人の努力を踏みにじるかのような純粋な返答に少しへこんだ。
しかし実際にティアは強かった・・・。
しばらくは「鹿角うさぎ」や「魔獣猪」、「スライム」などの雑魚ばかり
相手しながら進んでいたが、集団のゴブリンと出くわしてしまった。
1匹、2匹なら雑魚の部類だか、集団となると厄介だ。
「ティア! 下がって! 」
数は8匹、少々厄介だな固有Lvが上がり、急所感知と空間把握が出来るようになっているとはいえ、ええい!考えててえも仕方がない! 相手との間合いを一気につめ乱戦に持ち込んだ。
紙一重で相手の攻撃をかわし、打撃を加える。
ゴブリンはボロとはいえ盾と剣を装備している、しかも8匹だ上手く空間把握を使い相手の死角から急所への攻撃、1匹、2匹と倒していく。
すると、周囲から気配を感じた! ゴブリンの集団だ、ざっと30匹以上はいる!
「やばい! 奴ら木の陰に潜んでいやがった! 」
やばいぞ、これじゃティアを守りながらの戦闘は厳しい!
するとティアが右手をかざし
「キロール! 」
ティアの周りに魔法陣が現れ、頭上に深紅の球体が出現し、
そこからゴブリンめがけて閃光が飛び散った!
「え? えええ!」
ゴブリンの集団を一掃してしまった。
「おいおいおいおい、ティアさまぁぁあ! これは何ですかぁ! 」
「トラス、私強いでしょ? 」
「強いでじょ? じゃ、なくて! 今の魔法でしょ!? しかも高高度な! 」
「ティアって魔導士なの? それとも賢者とか? 」
「どちらでも無いよ、、ただ少し魔力が強いだけ」
「もしかして、記憶が戻った? 」
「記憶は戻ってはないけど頭に浮かんでくるの、そのう、魔法とかが」
魔力が少し強いだけなわけは無い!かといって何かを隠し事をしているとも思えない。
とにかく、ティアは戦力になる!もしかしたら身体能力も俺より上なんじゃないか?
そう考えると少しさびしくなる。しかし、こうして戦闘を繰り返していくうちにティア
の記憶も少しずつ戻るかもしれないよなぁ・・・。
あー、ごちゃごちゃと考えるのはよそう、とにかく先に進もう。
それからどういうわけだか、ティアが魔法を使って以来魔物、魔獣との遭遇頻度が多くなった。
倒したと思ったら、直ぐに別の魔物に曹禺、
または倒す前に他の魔物にまで囲まれていたなんてこともしょっちゅうだ。
しかも俺の思った通り、ティアは身体能力も優れていた。
そう、あの時だ
「う!こいつは・・・」
トロールと遭遇してしまった。遭遇したくない魔物の一つだ。
俺は身構え、正拳突きを放ったが俺の打撃は殆ど通用しないようだった。
するとティアが
「クリムソンソード! 」
するとティアの右手に小さな輪っか状の魔法陣が2つ交差するように現れ
棒状の赤い光が出現した。
ティアは真っ直ぐにトロールに向かって駆け出し、又の間をくぐり抜けると
同時にトロールの左足を切断していた。
よろついたトロールの背後をとり、後ろ回し蹴りで頭部を吹っ飛ばした!
とても俺一人ではかなわなかっただろうし、ティア強すぎ。
おかげで、俺の個人・固有Lvはかなり上がったが。
魔法と体術であそこまで出来るなんて、俺、今度魔法系の職業に転職しようかな?
いや、あそこまでの高高度魔法を直ぐには習得できまい、次は武器を使える職業に
しよう。スライムとか素手だと相当な打撃で破裂させないと倒せなかったし、
剣や何かでスパッと切れれば簡単だ。
「ティア、ティアって本当は何者なんだ? それだけのスキルがあるならちょっとでいいからステイタスボード見せてよ? 」
「嫌だし、駄目よ! 」
そりゃそうだ、ステイタスボードを見せるって事は
他人に裸を見られるのと同じだからなぁ
まぁ、他人の事より自分の事をしっかりしないとな!
先を急ごう。
ティアの隠されていた能力が出てきました。
お読み頂き有難う御座いました。