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「ポラロロホーン、ポラロロホーン、ポロン、ポロロロン、ピンピン」

「ポンピンロロローン、ポロロロン、ポロン、ポロン、ピンピン、ポロロンロンロン」

光一のズボンのポケットからアラームが鳴る。これが近未来の音楽が。


「何だ、この音楽?」


「ごめん、父さん時間だ……」

「千奈美を迎えを頼まれているんだ。受験生だから予備校に通っている」


「千奈美って?」

千奈美は、男が女の子が生まれた時につけたかった名前だった。由来は男が、見ていたドラマに出演していた女優の名前から取った。女の子には、千奈美と付けていたのか。光一に千奈美、まさに男が子どもが生まれたときに付けたかった名前だ。


「うん。2つ年の離れた妹、兄の僕が言うのもなんだけど可愛いよ。せっかちな所があるから早く迎えに行かないと……」

光一は勝手に人の家に来といて、今度は自分の用事があるからといって帰ろうとしている。どこまで勝手な男なんだ光一。


「父さんがタイムマシンを見るわけにはいかないから寝てもらえないかな?15分だけでいいからさ。寝ないというならば僕が無理矢理やってもいいんだけど」



「は?何でだよ」


「父さんがタイムマシーンを見て、この時代にタイムマシーンを作ったら、時代が変わるからだよ。完成品のタイムマシーンを見たら作ってしまうでしょ?」

「この時代にタイムマシーンが完成したっていう出来事1つのせいで、世界が滅びる可能性はあるからね」


「いや、作れないわ!」

「大丈夫やわ、完成品を見ただけで同じものを作れるような能力俺にはないから、絶対に作れない」


「いや、作る、作れる可能性があるから言ってるんだよ」

「頑なに断るんなら、仕方ない、ちからづくで、眠らせるよ」


「いや、分かった 分かった、目をつぶる。自分で寝るから」

光一は未来人で、無理矢理というと近未来的な道具で何かされそうな気がしたから、男は無駄な抵抗はせずに目をつぶった。


「ただ、財布から金を盗むなよ。絶対に盗むなよ!」


「盗まないよ、盗むんだったら、父さんが起きる前にやってるよ、そして黙って消えるよ」

男はそれを確認すると、目をつぶった。


「じゃあ、父さん、いってらっしゃい」

目をつぶった男の頭を光一が3度撫でると、あら不思議。もう、男は夢の中だ。全く眠くなかったはずなのに、起きていた時間なんてほんの数時間だったはずが。


「あらやだ、こちらの世界にハマっちゃったの?」

「ようこそ こちらへ 十分に楽しんでってね」

案内人を勤めるのは勿論この人。ストローハットを被った紫塗りの偽物ピエロだった。


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