誰
気が付けば、知らない世界に居た。
気味の悪いくらい真っ黒な空。何故か明るく、雲は無い。
コンクリートのような大地から、単純な立体が疎らに生えている。
生き物の気配は一切無い。
周囲を見渡す。全体的に大した景色の差は無い。
少なくとも呼吸は出来るようだ。
食料は緑茶のペットボトルと、2箱の栄養調整食品。
出口を探してみる。
ひたすら歩く。
500m程だろうか。誰かが見てる。
誰?
…私?
気になって追いかけた。
相手は全力で追いかけてきた。
兎に角走った。
走った。
走った。
走りまくった。
追いつかれた。
「はっ!?」
目が覚めた。という事は、今までの事は全て夢だったのだ。
居眠りを教師に叱られ、周りにいじられながら、ふと疑問に思う。
追いかけていた私は、誰だったのだろうか。