ー《マイナス》01話‐始まり。
2025年1月下旬、17:00頃の出来事がきっかけである。
愛知県、どこかの交差点。
交差点の横断歩道をゆっくりと渡り始めた黒猫が一匹、正面の歩行者、自転車専用信号は青である。
このネコはその横断歩道を慣れた様に渡っているが、左奥からそのネコに向かって大型らしきトラックが迫っていた。
交差点は住宅街に面している、そんなところをこのトラックは猛スピードで爆走していた。
明らかに速度制限の40kmはゆうに超えており、時速100kmは出ているのではないかと思う。
それに、信号で止まる気も無いようである。
そうなると、トラックはかなりの音を出す事になるだろう。
黒猫は横断歩道の半分を渡り終えた辺りで、”ゴォォォォ”というそのトラックの音に気付く。
この時のネコとトラックの距離は既に50mに満たない。
それに加えてこの黒猫はこの時、なぜかその場で立ち止まってしまっていた。
そして、
黒猫は辺りを見渡して、トラックに気付いて飛び上がってしまう。
それと同時に、トラックはブレーキをかけ始め”ギィィィィ”と轟音を上げる。
トラックとネコの距離は10m未満に。
その時、
飛び上がった黒猫が謎の青年(男性)がキャッチした。
青年はネコをつかまえた際、左足の膝を道路に思いっきりついてしまっていた。
元々この青年は、黒猫が渡ろうとしていた先の歩道の向かいに居た。
そこで一連のネコとトラックの様子を確認しており、危険を承知で黒猫の元へと向かった。
その青年をトラックの運転手は確認して、ブレーキをかけ始めたのである。
彼の服装は全身が黒統一で時間帯的には、少し見えにくく感じるものだ。
それでもトラックの運転手が気付いたのは、彼の身長が180㎝強だったからだろう。
だが、ブレーキをかけ始めるのは遅かった。
彼もまたネコと同じく、一瞬ではあるが止まってしまった。
骨は折れていないが、相当の速さで走り膝を付いた。
膝には血が滲み、かなりの痛みだろ。
それでもだ、彼は前へ出なければ100%死ぬだろう。
トラックとネコの距離は3m未満に。
この時の選択、それがこれからの流れを変える。
その後。
トラックは横断歩道を超えて停止。
転がっている青年とネコ。
転生、そんな言葉がある。
断片だけではストーリとは理解しきれない事が多い、
少なくとも、この物語が始まるきかっけになったことには違いはない。
続く、、、