メロンパンとカレーパン
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いらっしゃいませ
草風緑の不思議な日常生活へようこそ
どうぞ ごゆっくりお寛ぎくださいませ
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わたくし
普段は玄米を主食にしておりますが
どうにもパン愛が止まらず
パン屋さんへ向かっております
扉を開けますと
ふわっと
焼きたてのパンの香りが漂ってきます
棚に並べられたパンは
どれも美味しそう
どれにいたしましょう?
わたくしは
トングでメロンパンを取り出します
サクサクと音を立てそうな
表面のクッキー生地が
食欲をそそります
わたくしは
メロンパンを口にした瞬間の
あの甘い幸せを思いながら
夢想いたします
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あるパンの町に
メロンパンくんが住んでいました
メロンパンくんは
町で一番の人気者
金色に輝く
サクサクのクッキー生地が
とてもカッコよくて
強そうだったからです
けれども
メロンパンくんには
誰にも言えない秘密がありました
実は
メロンパンくんは
弱虫だったのです
ある日
パンの国に
カレーパンくんがやってきました
カレーパンくんは
鋭いトゲに覆われていて
スパイシーでピリッとした性格
他のパンたちを
いじめることが大好きです
カレーパンくんがやってくると
みんなは怯えて隠れていました
ある日
カレーパンくんが
クロワッサンくんを見つけると
すぐに押し倒しました
「おい、クロワッサン!
お前はフワフワすぎて弱っちいんだよ!」
弱虫なメロンパンくんは
怖くて
みんなと一緒に隠れてしまいました
でも
クロワッサンくんの泣き声が
耳に届くと
友だちを守りたい気持ちが強くなり
思わず叫びました
「やめて、カレーパンくん!
クロワッサンくんをいじめないで」
カレーパンくんは
驚いて振り返りました
「なんだ?
オレさまに逆らうのか、メロンパン?」
カレーパンくんが
トゲを突き出して攻撃しようとした
その瞬間
メロンパンくんは
自分の硬いクッキー生地を
前に突き出しました
カレーパンくんのトゲは
メロンパンくんの硬い生地にぶつかり
まるで鎧のように跳ね返されました
カレーパンくんは驚きました
「なんて硬い生地なんだ!」
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わたくしは
トングでカレーパンをつかみます
「ふたりとも仲良くしないとダメよ」
そうしてわたくしは
メロンパンとカレーパンを持って
公園へ向かうのでした