発現
「アバター」には
S級(とても能力が強い)
A級(S級とまではいかないが強い)
B級(安定型な感じ)
C級(弱い)
日本東京にて
その日は夏になる前の涼しい日だった、梅雨前の涼しさだ。
「何!?高校で大怪我、怪我の具合は?」
「頭部損傷!?急いでオペの準備だ!」
(この言葉が聞こえた。なぜ俺は病院に来たんだ)
数十分前
バン!
高校の裏庭に鈍い打撃の音が響いた、外はクラブやってるとはいえ裏庭周りは人が少ないのでよく音が響く。
「ぐぅ!」
1人の男の子が2人がかりになって殴れた男がいた。
「へっへっへっ、あれほど威勢が良かったのに今となってはこうか!」
「へ、さっさとやっちゃいましょうよ、ボス!」
「そうしないとな!」
バン!
「う、うぐぅ、うわぁぁぁ!」
「こ、こいつ泣き出したぜ」
「ひゃっひゃっひゃっ!」
「く、来るな!」
「なに、言ってもおもしれぇからもう1発!」
「やめろーー!」
ドゴォン!
重い打撃の音が響いた。さっきの不良よりも重くずっしりとした音だった。
「うげぇ」
「ボス!!き、貴様ー!」
ドゴォン!
「はグゥ!」
またさっきと同じ音が静寂の中に聞こえた。さすがに2回目の轟音だから周りに人が集まってきた。
「おいおい誰だよ、あいつらボコすなんてそうそういないぜ。」
「あいつなんじゃね」
「あいつか!あの地味っぽそうな奴が」
「ありえないありえない」
「何やってる君!」
「せ、先生」
殴られてた人がそう返答した。
「これをやったのは君か!?」
「・・・」
黙ってしまった、少年は何をやっても無駄だと感じてしまった、だから無意識に黙ってしまった。
「ん!君の手に血が付いていない、どういうことだ」
「こ、こいつがやった、俺たちは殴られたから、よく分かる、こいつはば、化け物だ!」不良のボスと呼ばれてる人がプライドを捨てたかと思ったぐらい必死に失神しそうな声で喋った。
「本当か?」
「ああ、だ、だが早すぎて見えねぇぐらいだ」
「君!これが本当だと大問題だ!」
「・・・」
「嫌だ」
「何?」
「こんな奴のために人生を棒に振るのは嫌なんだよ!先生は気づかなかったのか!僕がいじめられてたのを!それを気づいていれば少なくともこいつらはこんな風にはならなかった!クソーーーー!」と叫ぶと、少年含む全員が少年を虐めていた「ある力」によって攻撃され、失神した、特に少年の方は大怪我だ。
(そうか僕は、もういい、何もかも失ったさ、所詮日本は犯罪者に優しい国さ。)
と思いながら病院の綺麗な天井を見て死を待つために目を閉じた。
だが次目を覚ますとそこには自分の望んでいない光景だった、そこは病院の入院部屋だった。
(な、なんで)
そう何度も心に問いかけた。
ガラン
スーツを着た茶髪の女性が部屋に入ってきた。
「こんばんは、平川辰馬様に会いたくてきました。私の名前は古川里香、あなたのしたことを見てここに来ました。」
「あ、あなたはどういう人なのですか?」
「安心してください、警察等ではありません、私たちはどういう者かと言うとあなたが使用した「力」について知っているとだけ言っておきます、これ以上は企業秘密なので。」
「な、なぜ知っている!」
「先生や生徒、そして今のあなたの傷を見て気づきました。」
「なぜわかった!」
「特徴的な型がついているのです。まぁ、話は逸れましたが、私たちが何故ここに来たのかを説明します。」
「何をする気だ!」
「それを今から言うので少し静かにしてもらいたいです。」
「す、すみません。」
「あなたには私たちの学校に来てもらいます。もちろん費用は私たちが負担します。」
「な、なぜ!」
「あなたはこのような事件を起こした以上それが故意じゃなくても、このような力を正義のために使うために私たちが務める東京具現科高等学校に来てもらいます。もちろんあなたが今通っている高校にも話をつけて許可を貰いましたし、あなたの両親にも許可は得ました。あなたの傷が治り次第またここに来ますので」
と言うとパンフレットと制服と紙を置いて
「では私はもう行くのでもし相談等ありましたらそこの電話番号を書いた紙に電話してください、ではまた。」
と言うと扉を閉めて出ていった。出て行ってすぐにパンフレットを読みながら一夜を迎えた。
朝起きると平川の周りに大量の糸が貼り付けてあった、それを見て
「な、何!」
手で糸を切りながら出口に進んだ。そしてドアに近づくと切れた糸が平川に向かって飛び出してきた、平川はそれを間一髪で避けたが足に糸が貫通した。
「うぐぅ!」
どんどん切った糸が平川向かって飛び出してきた、平川は糸を避けて行った。
「よし!例え数が多くても軌道が同じなら避けることなど容易い!」
すると床に刺さった糸が平川に向かって飛び出してきた平川は
「し、しまった!」
だが避けようとしても糸に気づいた時には糸は目の前だった。
(くそ、どうして!)
そう思うとある人影が前に出て糸を弾いた。
バーン!
糸が壁に打ち付けられた。
「こ、これは!」
平川の前には人が居た、でも人間では無い、その時平川は古川が言ったことを思い出した。
(あなたが使用した「力」)
平川は手に違和感があった、手を開くとプレステワンのメモリーカードみたいな物が持っていた。そしてそのカードを机に置くと人みたいな物は消えた。そしてカードを持つと人みたいな物は現れた。
「ギミックがわかった!さぁこい!ここからは本気だ!」
と言うとどんどん糸が平川に飛んできた、そしてその人みたいな物を使い跳ね返した。どんどん壁に穴が空いた。すると壁の穴から糸が出てきた、平川はそれには対応出来ず肩に刺さってしまった。
(このまま糸だけを攻撃すると埒が明かない、本体がきっといるはずだ、まず病室から出ないと、さすがに相手は人間だ僕以外の人間がいるところでは大量には出さないはず。)
そう思い病室の出口まで走り外に出た。すると外に出ても糸が大量に貼り付けてあった、それよりも驚きなのはその糸で怪我をしている人や死亡している人がいた。
(な、何!)
声が出ない程の恐怖を感じた。これは自分一人では負えないと判断して古川に電話しようと思い病室に戻ろうとした、すると平川の病室の入口が糸で塞がれていた。
「よし、やはり来ていたな古川のやつ」
と扉越しで聞こえた、平川は人みたいな物で扉をこじ開けようと殴ると、中に人がいる、スーツ姿の男が居た。
「やはりお前は使えるんだな、「アバター(化身)」が、だが安心しろてめぇは殺さねぇ、殺すのは古川の奴だけだ。」
「な、なぜお前が古川さんのことを」
「俺と古川は元同期なんでね、だが方向性の違いで辞めたのさ。」
「だとしても殺すことは!」
「お前みたいなガキがわかるわけが無いさ、方向性の違いの重要差は、離婚の原因も方向性の違いということも少なくは無い!」
「古川さんは殺させない。オラァ!」
と言いドアを殴った、だが糸が丈夫なせいかビクともしない。
そして中にいる人が電話をかけだした。平川は何とかして入ろうと試みた。
(あれ、カードを強く握るとどんどん扉がでかくなっていないか、まさか!?)と思い更に強くカードを握ると、どんどん扉がでかくなった。いや平川が小さくなったのだ、それは平川自身も気づいた。 そして糸の隙間を使い部屋に入った。
「く、電話が通じねぇぜ、クソが!」
と言うと電話をベッドに投げ捨てた。そして奴が後ろを見ると平川が居た。
「な、何故ここに来れた!」
「何故か知らないがこれを握ると小さくなるんだ。原理などは知らなくていい、今はこの力であなたを倒すのみ!」
「ふふふ、この俺のアバター、「スレッド」(糸)は倒せねえぜ!」
と言うとスレッドの糸がどんどん集まり人型となった。そしてスレッドがパンチを繰り出した、それを平川の人のような物で対応した。だがスレッドはまた、反対の手でパンチを繰り出した、平川の人のような物は対応出来ず攻撃を受けてしまった。
(うぐぅ!糸の集まりだからって舐めていた、パワーがダンチだ)
一瞬よろけると、すでにスレッドはパンチを2発繰り出そうとしていた、平川はカードを強く握り小さくなった、だが遅かったのか、2発のパンチが顔に入ってしまった、
「ウグワァ!」
「ほらほらどうした!威勢が無くなってるぞ、ほらほらほら!」
(くっ、こいつは!)
「オラァ!」
と言うと平川の人のような物のパンチが入った。
「ふがァ!」
「そんなことをしてるから当たるんだよ、確かお前のやつにも名前あるよな。僕も名前をつけるよ「ビコムスモーラー」(小さくなる)それが名前さ。」
「てめぇふざけた真似を!くらいやがれ!」
「オラァ!」
と言うと重いパンチが飛び交った、スレッドの放ったパンチは小さくなった平川には当たらなかった、そして平川が元のサイズに戻りビコムソモーラーのパンチを叩き込んだ。
「ふごぉ!」
「こいつで。決着!」
ドゴォン
ビコムスモーラーのパンチが顔に入り、やつはベットの上に飛んだ。
下はベッドとはいえ、思いっきりぶっ飛んだのでそれなりの音が鳴った。
平川は唇から垂れてる血を拭き、奴のバッグを覗いた、そしてバッグの中から証明書を見つけた。
「佐藤祐市、か」
「て、てめぇ、な、何勝手に」
「やるというのなら、こっちだって!」
「あらら、やっぱりきたのね、裕市、あなたには」
「古川!貴様!ノコノコと俺の前に来やがって!」
と言うとベッドから起きてどんどん古川に近づいて行った。
「てめぇのせいで!俺の、俺とお前が築いてきた計画を裏切り!今のクソッタレの校長に着いたクソ野郎め!ぶっ殺して!」
「もういいよ」
「ハガア!」
佐藤の口から1つの腕が出ていた、そして腕が口の中から無くなると佐藤はその場で力が無くなった感じで倒れた。
「な、何をした?アバターか?」
「バレた?私のアバター「ディサセンブル(分解する)」アバターの体を自由にいつでもバラバラにでき、相手に潜航させたり、そして元に戻る力で相手に攻撃もできる。
まぁバレても私自身は負けたことはないから良いけど。」
「誰なんだ、佐藤ってやつは!」
「私の同期、まぁ見てわかる通り私、とても佐藤に嫌われてる感じなの、理由は仕事で私が佐藤を途中でやめたこと、まぁ最初成功しなさそうな企画がどんどんキツくなってきてやめた感じ。」
そう言うと古川はバッグから救急箱を取って椅子に座った。
「平川君、大丈夫?かなり怪我してるし、ていうか元から怪我しているのに無理に戦うから。」
と言いながら平川の腕に包帯を巻きながら言った。
「よし!これで終了、これからは無理しないでね。」
「もうここはバレてしまったから高校の保健室に輸送するね、用意して待っててね、病院とは話をつけてくるから。」
「佐藤ってチームを組んできたのか!」
「勘がいいね!計画にはたくさんの人が参加していて、裏切ったのは私1人、だからチーム組んで襲われるんだ。」
そう言うと古川は上着を着て。
「じゃあ用意しといてね。10分位で戻ってくるから」
と言うと古川は部屋を出た。
「平川は使えそうなやつか?」
「ええ、見た感じ動きはかなり良い感じだった、負傷した状態でも佐藤を倒したし、かなり戦力になりそうよ」
「そうか、それは強いな、だが、我々は平川を引き受けたのも、平川が今までにない「悪魔の子」だから引き受けた、あいつがもし「あれ」の場所を知らなかった時は殺せ。それがお前の任務だ!」
「まぁまぁ、彼自身人が良い感じだから暴走することはないよ。」
「お前のことだ、余計なこと言ってないか?言ってもし佐藤の方についたらどうする?」
「その時は私が殺すから安心して。」
「用心はしろ、「アンノウン」より怖いのはない」
「じゃあきるね」
「まだ話は!」
ツーツーツー
「さ、さっさと任務は遂行しようか。」
と言うと病院の人通りの少ないところから出て受付に行った。
「用意できた?」
「出来ました、あの、すみません、佐藤はどうするのですか?」
「うーん、まぁここには私たちの部下たちが来るから、佐藤は部下たちに任せるね。」
と言うと平川の荷物を入れたカバンを持って
「車手配してるからカバンは持っていっとくね、あと、遅れたけど制服置いておくよ、これに着替えてから下に降りてきてね。」
「わ、分かりました。」
そう言うと古川は部屋を出た。平川は言われた通りに制服に着替え始めた。
(計画?一体どんな計画かは気になるけど、まぁいいか)
制服に着替えると早速部屋を出て階段近くのエレベーターを使用して下に降りた。エレベーター内は壁の一部分がガラスなので外の景色が良く見えた、そして景色を見ていると違和感に気づいた、人が浮いている。平川はガラスに顔を近づけると、人は銃を構えた、平川は瞬間的にガラスから身を離したが、人は銃を発砲した。
パンパンパン!
古川は外で待っているとその音に気づいた。
(まだ居た感じね)
と肌で感じた、古川は上着を脱ぎ
「ちょっと待っててね!平川君が不安だ」
と言うと走って病院内に入った。
「ち、ちくしょう、僕がアバター持ってなかったら死んでいた、あいつ俺がアバター使いなのを知っているのか!」
平川はアバターを使用して弾丸を弾いた、だが1発腕に当たり、腕を押えている。
(どうしたらいい、古川さんに?いや嘘だと思われて終了だ、小さくなってやり過ごすか。)
と思いカードを強く握った、だが奴はまた3発エレベーターに撃った。
「は、早い!」と言うとアバターを使用し護った、次は音が聞こえたためすぐに対応できた。
(後10階で1番下!それまで耐えなければ。)
古川は外に出て、銃の音が聞こえた方向を見て、
「デイサセンブル!」と言い腕を飛ばした。
「くっそ、あいつとの距離が遠くて攻撃できない!目では見えるのに!」
と叫んでいると奴に向かい何かが飛んできて顔に直撃したのを目の当たりにした。そしてふらつくとまた構えて3発撃った。
「くっ!」
アバターで防ぎ終わると、また3発撃った、平川は対応出来ず3発が、肩、足、腕に当たり、平川は壁に飛び打ち付けられた。
「あ、あいつ!」
そう平川が言うと平川は意識が無くなった。
そして意識が無くなって直ぐにエレベーターが下の階に着いた。
「う、うわぁぁぁ!」
と古川の部下が叫んだ。古川は
「安心して彼は生きているわ、そして撃ったやつも捕まえた。これからは尋問するから先に学校に連れて行って、保健室に行かして。」と言うと古川は病院の出口に出て撃った奴に向かい
「名前とアバターを言って、言ったら命だけは補償するわ。」
「名前は言わねぇぜ、だがアバターは言ってやる!」
「名前も言って」
「これ以上言うのならアバターも言わない」
「.........。わかったわアバターの名前は?」
「「ウォークインザスカイ(空を歩く)」だ。もうこれ以上は情報は公開しない。例え拷問しようがな。」
「.........」
古川のもう1人の部下は黙った。そして少し沈黙が続くと古川が口を開けた。
「わかったわ。帰っていいよ。」と言った、それを聞くと古川の部下は
「な、何を言うのです!?」
「大丈夫、私には「策」があるから」
そして撃っ奴は病院の敷地内から出ていった。
出て行って声が奴に聞こえないところで
「実は隠して私の指1本を奴のポケットに入れたの、だからこれで奴がどこの奴かわかるっていう事。これからは私の行く道に行って、そこで情報を掴む。」
「ハッ!」
と言うと古川と古川の部下は車に乗った。
平川が目を覚ますとそこはあの病院の綺麗な天井ではなく、年季を感じる古い天井だった、目を覚ますと古川が入ってきた。
「ようこそ東京具現科高等学校へ、平川辰馬君」
「あの?ひとつ聞きたいのですが」
「なに?」
「僕に発砲したやつは誰なのですか?」
「調べたところ佐藤のところの人間だった、アバターの名前は「ウォークインザスカイ」っていう。」
「そいつは捕まえたりしたのですか?」
「してないわ、今は泳がしてる感じ。少し話を変えるね?君、もうそろそろ歩ける?」
「あ、はい!全然歩けます」
「そう、じゃあついてきて、教室に案内するから」
と言うと保健室を出て階段をのぼり少し歩くと
「ここの人達はみんな少なくともあなたより実戦慣れしてる人達、あなたもここで頑張って力、伸ばしてね。
あと進級には実績とかが必要でそれは一人に課せられたノルマがちゃんとクラスみんなが達成出来れば進級できるの、あなたの実力を使ってみんなで3年で卒業しようね」
そう言っている間に札が見えた。
「1年2組」
そして教室前に着くと
「はい、ここがこれからあなたが過ごす教室です。心の準備出来ていますね?」
と言うとドアを開けた。
「はい、これが新しい転校生の平川辰馬君です。みんな仲良くしてね」
「ひ、平川辰馬です、よろしくお願いします。」
と言うと古川は外に出た。
平川はオドオドしているとブカブカの学ランを着た女子が近づき
「君のアバターとても危険ね、S級のアバターな感じよ。こんなアバターあいつと古川さん以外に見た事ないわ。」と言った。
「S級って?」
「アバターにだってティアランクは存在するのよ、あなたのアバターはスピード、パワー全てにおいて高性能、そうそう見かけないわ、あたし見てわかるのよ、アバターの強さが。」
と言うとカッターシャツの男子が
「確かに、君の持っているカードは黒い、でも薄くないか?これはS級か?準A級とかにされるのじゃないか。」
と言うと女子がそれを聞き平川のカードを見た
「確かに始めてね、こんな色のカード。でも準A級ってクラスなんてないわよ。」
「まぁまだ決まった訳じゃない、調べないと分からないな。」
と言った。それが胸に刺さった。
現在のアバター
平川辰馬
ビコムスモーラー現在測定をしていないので不明
能力
自分を小さくする。
佐藤裕一
スレッドA級
能力
糸を出す。
古川里香
ディサセンブルS級
能力
自らのアバターの体が分解できる。
???
ウォークインザスカイB級
能力
空の上に立てる
戦え、生き残りたければ