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前編

この学校には関わってはならない人が存在する。

一人はシニガミさんと呼ばれる真っ白な少女。

昔から彼女の周りでは事故が多く偶然が重なり続けそう呼ばれるようになった。

彼女自身は気にしてる様子はないが。


そして、もう1人は…


放課後の学校。

体育館の倉庫。

いくつかある棚にはたくさんの道具が並んでいる。

およそ整頓されてるとは言えないが使っている人からみれば使いやすい並びなのだろう。

それを崩すのはなんか申し訳ないが…。

意を決して私は棚に手をかけると思いっきり倒す。

倉庫の中には爆音が響く。

多分外にも響いてるだろうな。

そう思いながらひたすら棚を倒し続けた。

「ちょっと!誰よ!」

倉庫の扉の音と共に怒声が響く。

私は振り返るとその声の主を確認した。

女子バスケ部の部長さんがこちらを睨む。

「ウソツキ。今朝変なこと言ったことに対しての報復?ふざけ…!」

「入ると死にますよ?」

怒る彼女に私はそう呟いた。

彼女は笑いながら

「またそういう嘘を言う。有名だものね。あなたは。」

そう言って聞きそうにないので仕方なく私は落ちてた鉄の棒を取った。

その様子を見て彼女は倉庫に入ろうとするのをやめる。

当然だろう。

頭おかしい女が武器を手に持った。

何されるか分からない状況なのだから。

しばらく牽制してたら他の生徒の声が響いてくる。

生徒数名に連れられていつも馴染みある先生が連れられてきた。

「葉月。おまえまたこんなことしてるのか?」

呆れたように言う彼に私はいつもどおり返す。

「命を大事にする結果ですよ?」

「むしろ、命を脅かそうに見えるんだが?」

正しい見解である。

私は仕方ないと鉄の棒を地面に置くと

「先生いつもどおり指導室行くのでしょう。早く行きましょう。」

「お前は…。」

呆れ返る先生をよそに私は歩き出す。

すれ違いざまにバスケ部の部長の顔を見るとすごい顔で睨んできた。

「死ねばいいのに。」

そんな言葉は誰が言ったのか。

そんなことを思いながら私は先生連れられてその場を去った。



悩みはないか?とか色々心配してくれるこの先生はいい先生なんだろうなとそんなことを考えながらお説教を今日も拝聴してその翌日のお昼休み。

購買に行くかと席を立つとふと、入口に白い人があるのが見えた。

シニガミさんと言われてる子なんだろうなとすぐにあたりがつく。そのわかり易い外見はシニガミというより天使のようだと思った。

私と同じ制服を着てるのに十割増で制服が可愛く見える。

誰か待ってるのだろうか。そう思いながら隣をすり抜けようとすると

「君がウソツキさんと言う人か?」

そう話しかけられた。

私は別に嘘は言ってないのだけど

「そうですが?」

言われているのは事実なのでそう返した。

「一緒にご飯でもどうだ?」

真っ白な少女空の唐突のお誘いだった。



クラスで並ぶには話題になりすぎる(悪評的な意味で)2人だったので移動することになった。

文芸部の部室だと言う旧校舎にある部屋はまるで図書館のように沢山の本棚が並んでいた。

文芸部って何をするかよく知らないが本を沢山読むのだろうか。

「いや。ここにある本棚は全て私の私物であり私の趣味だ。文芸部とは名ばかりの事実上私の部屋だな。」

目に付いた疑問を問うとそんな言葉が返ってきた。

本の単価なんて知らないが数から見て数万とかそういうレベルではないだろう。そして、ナチュラルに旧校舎とは言え部屋を占拠してるなんてひょっとしたら面倒な人間なのでは?

そんなことを思ったが憶測で人を見るのはどう考えても酷いことだ。

判断はもう少ししてからだな。

「ところで、なんでお昼ご飯のさそいを?」

「なに。はぐれ者同士仲良く出来たらと思ってな。」

ひょっとしたら天使か?

高校に入ってから…いや、生まれてから友達という存在がいない私にとうとうチャンスが回ってきたということか。

お相手があのシニガミさんだとしても噂なんて嘘と事実は異なることを私はよく知っている。

「やはり天使か?」

「見た目はよく言われるな。」

彼女は、そう返した。

冗談も言えるんだなと思ったが本当に言われてるのかもしれない。

可憐というか儚さが彼女から感じられる。

それに対して私は…。

「話はいいが早く食べないと時間が無くなるな。」

それもそうかと私は適当な椅子に腰をかける。

彼女のお昼も私と同じ購買のパンだ。

適当なものでいいぞとお金を渡して私に買わせたパン。

私が掴んだのは購買で1番人気のあるという激辛パンだった。

交換すると聞いたが適当なものでいいと言ったのは自分だからとそのまま。

私のパンは普通のコッペパンだ。中にはイチゴのジャムが入っている。

絶対逆にするべきだった。

そう思いながら彼女を見たが特に普通に激辛パンを頬張っている。

実はそんなんでもない?

まあ購買で売られてるくらいだしね。

そう納得していると

「…一つ訂正させてくれ。私が呼んだのは本当は別な理由がある。」

「別な理由?」

「頼み事なんだが…。」

少し言いにくそうに彼女は続ける。

「今日、友人…役として私の家に来てくれないか?」

唐突のお願いに私の思考はフリーズした。







後日談だが激辛パンは普通に激辛だった。

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