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転移者は異世界で笑う  作者: 黒蓮
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05 情報収集

 時間が出来たので2話ほど投稿させてもらいます。

 クロスティーナの先導の元昨日案内された白い部屋に戻ると、浴場に置いてきたスーツがテーブルの上に畳まれていた。

着なれたスーツに着替えると、現在分かった情報を整理する。


まずここは地球と違って別の理の異世界であるということと、 元の世界に戻ることはかなり難しいと考えた方がいいこと。またこの世界には魔法はあるが科学があるかは不明。 さらに召喚された時に知識創造なる能力が備わった。 そして召喚した教会の目的は悪魔を消滅させること、であれば悪魔とは直接もしくは間接的に戦うとこになるだろうこと。


さらに気掛かりなのは、もし悪魔を倒せたとしてその後にどのような扱いになるかということだ。可能性は3つ、①救世主として持て囃され順風満帆な人生を歩んでいけるか、②どこか僻地に追いやられたり軟禁されたりされるか、はたまた③危険人物として処分されるかだ。

②や③の可能性の原因になり得るのは知識創造という能力の使い方に左右されるだろう。仮に戦略級兵器を作り出すことができた場合そんな人物を野放しにしておくことはあり得ない。


(どこかの組織や国に帰属しているのであれば首輪を付けれるが、私はこの世界には何の束縛もない。もし私が教皇の立場でそんな強力な兵器が作れると知ればそれが自分に向く前に作れる者を殺したほうが安心なんじゃないだろうか。)


確信が持てないのはそもそも地球において一個人がそんな強力な兵器の作成など不可能だからだ。良くて手製の爆弾が作れるくらいで、仮に核兵器を一般の人物が1人で作れるとわかった時の他者の反応、国家機関の反応など想像の埒外なのである。

もしかしたらこの世界の魔法の威力は地球でいうところの戦略兵器並みの力があるかもしれない。そうであればそれほど深刻ではない、前例がいるならばその人達と同じような対応をしてもらえるように恭順すればいい。


(とにもかくにも優先するべきは自分の能力の確認と、この世界の情報だな。)


 考えながらちらりと時計を確認すると現在時刻は10時だった。クロスティーナは12時頃昼食の準備ができ次第迎えに来ると伝えられていた。まずは2時間のうちに能力を確認できるだけする。ただ、まずは見られても問題ないものから創造していこうと考えていた。


「まずはさっき作ったナイフを作ってみよう。」


先ほど作ったので簡単に作れるだろうと考え、ナイフを作ってみる。 ただし今回は刃の部分を以前鍛冶職人の工房で見た鋼を何度も鍛え上げるような日本刀をイメージする。

すると頭に浮かんできたのは日本刀の大きさのイメージだったのでナイフの大きさにイメージを修正する。

完成したのは30㎝の大きさのナイフで、刃に日本刀のような波紋が出来ていた。


「先ほどよりスムーズにできるようになったな。切れ味は・・・後で確かめよう。」


続いてどのぐらいの知識までが創造できるのか確かめてみることにする。


「読んだことはないが書店で何度も見かけたベストセラーの書籍を作ってみよう。」


思い浮かべると書店で平積みされていた本の表紙がイメージとして浮かんできた。そしてそのまま本が創造される。


「これで知識のない本の内容まで書かれていたなら、本当にただその存在を知っているだけで何でも作れるな。」


作った本を手に取りパラパラとめくってみると、残念ながら内容は真っ白だった。


(つまり外観の知識はあっても中身の知識がなければただの入れ物ができるだけか。 となるとある程度の知識があるものでなければ作ってもただのガラクタだな。)


今度はスマホを充電するための物を作る。ただし、発電機では大きいし音も煩くなってしまうのでソーラー式のモバイルバッテリーにする。 自分の使っていたモバイルバッテリーを思い浮かべ、その背面にソーラーパネルが接続されたイメージをしてみると、一見普通に使用できそうなモバイルバッテリーができた。


「とりあえず窓辺に置いて充電できるか確認してみるか。」


すると窓辺に置いて暫くすると充電中を示すランプが点灯し始めた。


「よしこれでスマホも使えるし、何よりΣ(シグマ)の知識も使うことができる。」


スマホが使えるようになった事に安堵し、昨日からテーブルの上におきっぱなしだったスマホを手に取り電源を入れる。


「Σ(シグマ)起動」


「声音認識・・・本人と確認。 おはようございます火乃宮様。 ご用件をお聞かせください。」


「データベースを確認し監視衛星の設計データを確認、合わせての兵器データのラインナップの確認を行え。」


「かしこまりました・・・軍事衛星の設計データが表示可能です。兵器につきましては80種類のデータがございますが、どのようなデータの表示をご所望でしょうか?」


(・・・なんだかこれだけの物を個人で費用を気にせず作れたら、一国相手にも戦えそうだな。とはいえ本人は脆弱だから暗殺されたら終わりだ。)


さっき考えていた危険人物になりそうなので、必要以上の軍事力は持たないほうがいいと改めて認識する。まずは非殺傷性の武器を護身用に作っておくことにする。


「非殺傷性の武器のラインナップを表示。」


多数の写真付きラインナップをスライドさせていき、めぼしい物を探し出し必要な情報の確認をする。


「テーザーガンのデータを表示。」


「かしこまりました、性能データ及び製造関連データを表示いたします。」


テーザーガンはいわばスタンガンに銃を組み合わせたもので、相手に怪我をさせず効果的に動きを封じることができる。サイズもコンパクトで内ポケットに収まるので目立つこともない。

一通り情報を確認してイメージをしていくと、テーザーガンができた。


「一発しか撃てないし、今は性能の確認ができないな。」


自分のできそうなことの確認と、護身具を作ったところでドアがノックされる。それほど見られて困るものではないがテーザーガンとバッテリーを内ポケットに仕舞い、日本刀ナイフを机の上に置いておく。

もう1話続きます。

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