14 幕間 悪魔アバドン
4連投の最後です。
「ふむ、やはり召喚されたのは蓮か、なかなか厄介な能力で来たな。」
大森林表層より少し離れた上空に人影のような姿が漂っている。全身は黒っぽい衣装に包まれ、頭には金糸の飾り付けがされている黒のシルクハットを被っており、右手を顎に当てながら物思いに耽っているような佇まいをしている。
見た目は男性とも女性とも思える中性的な容姿だが、どちらにしても美しく整った顔立ちをしていた。
この者こそがこの世界を破壊に導くとされている悪魔アバドンだった。
「さてさて、どんな方法で楽しませてもらうのが良いかな。」
悪魔が今後の策を考えつつ王国や教国にいる協力者たちからの情報を合わせて方針を考えていく。
今回の侵攻は、召喚された蓮の実力を測るために魔獣どもを使っている。人間共々そのまま殺せてしまえれば興醒めだがそれもよし、負けても蓮の能力のほどが確認できれば良いぐらいの目的だった。
とはいえ、これほど威力のある大量虐殺の準備がわずか一昼夜で可能なのは想定外だ。
「数で攻めても意味はないな。少数精鋭でいかに苦しめるか、懐柔して油断を誘うか・・・まずは単純に女性を使って懐柔してみるか。」
自分の力を集めることとはまた別に、蓮への対応方針を決めると、王国の協力者へメッセージを送る。
『私です、第一段階の目的は達しました。そちらの準備は問題ないですか?』
『はい、下準備は済ませております。王もクラリーネ王女を使った取り込みに傾きましたので、彼が戻り次第行動を開始します。』
『よろしい。しかし、聖女には気を付けなさい。あれは対応を決めかねていますが、今回の力を見てどう動くか決めた可能性もあります。』
『かしこまりました、アバドン様。我らの未来に創生の加護を!ー』
「ふふっ、アバドンね・・・さて、私も次の段階の準備をしませんと。」
そう言った次の瞬間には忽然とその存在は空に溶けて消えていった。
次回は1月18日の予定です。




