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光の中で

 光は前方から広がってきて、景色や列車をまるで飲み込んでいくようだった。それは空間を照らしたりしない。私は何か何だか分からないでいる。光の中では、乗っていた列車はボロボロと崩れ壊れて、バラバラに分解され、その欠片はパラパラと空間に消散した。座っていた椅子が粉々になって、足を着いていた床が抜けていって…私は光の中に投げ出された。

 そして私は光の中に投げ出された。私はこの光に壊されなかったんだ。少なくとも電車のようには壊れずに居られる。

 今、私は不思議な光の中にいる。ふわふわと光の中に浮かんでいる。列車は粉々に壊れて、面影も無い。私は自然と前方に進んでいる。何も着ていないだろう。何も持っていないだろう。この身一つ程度。そんな裸の状態で、光の中を漂えば、これは新しい物語の始まりだと思ったりする。


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