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異世界を花火で攻略だ?  作者: きょんきょん
9/13

九話 絡まれイベント発生


僕達は今、日菜さんと手を繋ぎながら露店巡りをしている。今は10時位のはずだけど中々人が多いな。


「あっ!これ美味しそう!これください!二本!」


「おう、嬢ちゃん可愛いからおまけしといたぜ。」


「わーい!おじちゃん太っ腹じゃーん!」


「……日菜さん大丈夫ですか?」


このやり取りももう六回目、いや七回目かな?ギルドに向かって少ししか経っていないのに、日菜さん朝食も結構もりもり食べてたじゃん。てかみんなおまけし過ぎだろ。胸か?胸に吸い寄せられとるんか?


「うーん、そうだね。米が恋しいねぇ。ここまでお肉が美味しかったら。あっ、あれも美味しそう。」


「…駄目ですよ?そろそろ自重してください。牛みたいになっちゃいますよ?」


僕は日菜さんの手をグイグイと引っ張って連れていく。


「うーん、牛にはなりたくないなぁーまあでも、ここは牛みたいになってるけどねぇ?」


わざと僕に見せつけるように胸を寄せる。これは僕の精神衛生上良くない。直ぐに目を逸らす…チラチラ見てしまうのは止められそうにない。


「駄目なもんは駄目です……はぁ、あと一店舗だけ行ったらいきますよ。」


「いぇーい私の作戦勝ちー。うーんどこにしようかなぁ。じゃあー、そこのお店で。」


「はいはい、すいません、そこのクッキー二つ…いや、五つ下さい。」


僕は露店のおじさんに話しかける。ついでにマキナの分も買っておこう。二つ食べるとしても三つは余る計算だ。


「おう、あんちゃんかっこいいから、一つおまけしとくぜ。」


「ん?それは僕のことですか?」


「?あんちゃん以外にいるのかい?」


それは僕に言ってるのだとしたらお門違いと言うやつだ。どう見ても僕はそこまでの顔じゃないんだけど…

ああ、『魅了』の効果かな?確か美しくなるーって書いてあったからなぁ。


「褒め上手ですね、有難く貰っておきます。」


「ほいよ、お釣りだ。使いやすいように細かめにしといたぜ。彼女と仲良く露店巡り楽しんでな。」


「ありがとうございます。彼女じゃないんですけどね。」


僕はクッキーを三つだけポケットに入れるふりをして収納した。日菜さんが収納のことを言ってたし、僕も少しは対策するか。


「彼女かぁ〜。奏くん、遠慮なく彼女の私に甘えてもいいんだよ?あのお風呂の時みたいに。」


「あんまりしつこくからかったら胸を揉みしだきますよ。それが嫌なら大人しくついてきてください。あとちょいでギルドに着きますから。」


僕が冗談を言うと、日菜さんは繋いでいた手を一旦離して、いわゆる恋人繋ぎをしてきた。そして胸をギュッと僕に押し付けてきた。


「な、何?」


「えぇー?こうやっとけば奏くんが毎回私のおっぱいガードをしなくても良くなるじゃん?あとセクハラとかもこうしてたら食らわないし、奏くんはお胸に触れられる。ほら、奏くんにはメリットしかない!後、クッキー食べさして。」


「は、離れてください、恥ずかしいです。」


僕はクッキーの入った袋二つをひなさんに渡す。


「ん?二つ?」


「日菜さんは食いしん坊なんで、余分に買っといたんですよ。感謝してください。」


僕は笑いながらクッキーをふたつ手渡す。うん、このクッキーはサクサクだ。美味しいし、大きくて食べやすい。これは当たりかな。今度から買おうかな?


「あ、今奏くんの彼氏っポイントが10は上がったね。あと90彼氏っポイントで私の彼氏になれるよ。」


「からかわないでください。僕と日菜さんの年齢差だったらどちらかと言えば姉弟って感じですよ。」


「あれ?私奏くんに年齢話したっけ?」


「ステータスを調べた時に見ました。」


「あ〜、奏くんを人権侵害で訴えますー。」


「残念、この世界にそんな権利は存在しませんよ、多分。」


そんな雑談をしていたらあっという間にギルドに着いた。剣と杖のマークが目印かな、わかりやすい。僕達が大きい扉をくぐると、これまたお酒を飲んでいる冒険者みたいな人が半数。カウンターと掲示板みたいなのに群がってるのが半数って所かな。お酒を飲んでいる方の冒険者がこっちをじっと見てきている。異世界してるなぁー。


「日菜さん。もう少しこっちに。」


僕は日菜さんの手をより強く繋いだ。日菜さんをガードしとかないと。


「なんで?」


「もう少しでわかりますよ。」


僕は笑顔で日菜さんに説明したあと、下卑た視線を日菜さんに向ける人達の横を素通りして、カウンターに向かおうとする。だけど僕が横を通り過ぎた瞬間。


「おっとっと。大丈夫?奏くん」


僕はつまづいて転んでしまう。日菜さんが引っ張ってくれて、地面に激突するのは避けれた。


「にいちゃん、もうすこーし経験積んでからきた方がいいぜ、なんせ俺の置いてた足にすっ転んじまう位なんだからよ。ギャハハ。」


「おい!ジャム、そこまでにしとけよ!そいつは女に守って貰わねぇといけない位弱そうなやつなんだぜ、ほれぼうす、早く帰ってそこのおっぱいでかい彼女にあやしてもらいな!」


ちょっとムカつくな。


「足を出してきたのはそちらでは?あんまりボケてるのならあなたの頭を名前通りジャムにしてあげましょうか?」


僕は笑顔で詰め掛ける。戦闘中だったらあんな攻撃余裕でよけれるのに。


「あ、あいつ死んだな。」


「これやばくねぇか?誰も止めねぇの?」


「止めれるわけねぇだろ。相手はあのジャムだぞ、あんななりでも青色(ブルー)級冒険者だぜ。」


そこらじゅうからそんな声が聞こえる。ヒソヒソしてるつもりだけど、聞こえてるし。説明ご苦労さまです。


「あ?お前誰に口聞いてると思ってんだ?」


「貴方ですよ、ジャームーおーじーさーん?ぶふっ!」


「ちょっ、奏くん、ふふ、言っちゃダメだよ、ははは!」


やば、ジャムおじさんとか、しっくりきすぎだな。さすがに笑っちゃうよ。


「ああ!?俺におじさんなんて言うなんて、命知らずだな、だが、俺は優しいから、一発だけで許してやる。」


「わーやさしー」


『デウス・エクス・マキナの加護が発動しました。』

『シェーンの加護が発動しました。』

『グランディールの加護が発動しました。』

『主人公の加護が発動しました。』


次の瞬間、僕の左の頬に強めのパンチが当たった、僕は結構吹っ飛んだ…振りをした。当たる瞬間に少しバックステップして拳と同じ方向で吹っ飛んだだけだ。少し拳より遅めに飛んだから当たったは当たったけど。


「いてて。」


痛くは無いけど痛がる振りをして、さりげなく頬を隠す。跡でバレたらいけないからね。


「ほら、これで一発だ。そこのおっぱいでけぇ嬢ちゃん、彼氏が無様にぶっ飛んでったぜ。どうだ?そんなバカっぽそうな彼氏より、俺達の方がいいと思わねえか?」


そんな言葉を無視して日菜さんはこっちに真っ直ぐ向かってくる。僕に手を伸ばしてくれた。


「奏くん、腕輪かして、ゴブリンのやつ。」


「え?」


「早く。」


僕は腕に付けてた腕輪を素早く日菜さんに渡す。こ、怖い。日菜さんはその後僕の耳元に近づいてきた。


「あとで説教だからね。」


ひぃっ!怖いです、日菜さん。


日菜さんはその腕輪を付けたまま、ジャムの人のところに戻る。そのまま至近距離まで詰寄る。そして胸の部分を触る。ああ、あの人ジャムにされそう。ご愁傷さまです。


「お?おお、俺の女になるってか。いいぜ、俺のバスターソードでヒィヒィ鳴かせてやる。」


こいつまだ気づいてないのかよ。胸倉捕まれそうなのに。


「遠慮しときます。」


日菜さんがジャムの胸倉を掴む、少しづつだが、ジャムの体が浮き上がってきた。腕輪の効果だな。腕力が上昇してるんだろう。


「ああ!?何しやがる!!お、おろしやがれ。」


「私は奏くんが殴られたのを無視するような性格じゃない。それに先にそっちがやってきたからやる。正当防衛だからね。」


日菜さんはその状態で顎に一発、鳩尾に一発、股間に一発、パンチをした。ジャムの人は気絶したみたいだ。そりゃ股間と顎にやられたら気絶するか。日菜さんは掴んだままその人を放り投げる。過剰防衛な気もするが…


「次、私の弟になにかしたら、内蔵ぶちまけるまで殴るからね。さ、奏くん、登録しないと。あと腕輪返しとくね。」


「「「「「おおーーー。」」」」」


「え、ああそうですね。」


絡まれイベントは日菜さんがかっさらってしまった。まあ僕が砲撃なんかしたらここら辺吹き飛んじゃうからまあいいのか?


「冒険者登録したいんですけど。ここで合ってますか?」


「ええそうです。冒険者ギルドにようこそ。冒険者登録ですね?では、こちらの契約書にサインを。サインが終わりましたら紙に魔力を込めてください。それで契約は完了致します。」


日常茶飯事なのか、受付嬢(男だから受付男か?)の人は平然としている。渡された紙には特に変なことは書かれていない。推奨ランクが違いすぎるのは推奨しないだとか、常時依頼の素材を持っていたらこちらで買い取るとか、身分証明の代わりになるとか。


「ん?追加料金を支払うと、魔力を使う通話装置『念話通信』が使える?なんなんですかこれ?」


「それは、こちらの魔道具のことですね。最近配布されたばっかりなんですが、こちらは登録した相手と通信することが出来る、魔道具の一種となっております。料金は高いですが、味方と通信できるというポイントはかなり便利な品となっています。購入なさいますか?」


僕はヒソヒソと日菜さんに喋りかける。


「これ、完全にスマホですよね?形は円球ですけど。」


それには一口かじった林檎のマークがあったからだ。


「そうだね、多分これを作った人は地球人か、その人から知識を貰った人だと思う。奏くんは買うの?」


「日菜さんに合わせますけど。僕は念話持ってるんでどーでしょ?」


「奏くんが持ってるならいいや、スマホの通話内容が傍受されてるとも限らないからね。」


「日菜さん頭いいですね。」


「はは、スパイ映画の受け売りだけどね…」


「購入なさいますか?」


「いやー要らないかな。」


「僕も遠慮しときます。」


僕達はそれ以降の内容をざっと見たあと、サインをする。あとは魔力を込めるだけだけど。どうすんの?


「すいません、魔力ってどうやって込めるんですか?」


「あ、それ私もわかんない。」


受付男は少し驚愕しつつも、説明してくれた。


「え、えっと、魔力を指から出すようなイメージをしたら大丈夫です。そうするとこんなふうに魔力の糸が出せますので。そのままサインをなぞればOKです。」


「イメージすればいいのか、こうかな?おわっ!出来たよ。……これ他のイメージしたらどうなるんだろ。」


「私もできたよー。おおー別に糸のイメージじゃなくても出来るんだね。私のイメージはシャーペンの芯だったんだけど再現出来たよ。てゆうか奏くんの魔力の糸、色濃くない?私そこまで濃い色のやつ出せないんだけど。」


「糸そんな濃いですか?ちょっと見せてくだ…あぁ、なんか違いますね。僕が紫色だとしたら、日菜さん半透明の薄紫ですもんね。てゆうか日菜さん字上手いですね。僕の字なんか少し丸いんですよねぇ。」


「まあこれは練習してたら誰でも出来るからね。」


「あの…」


ああ、契約書そっちのけだった。


「ああすいません、はい、契約書。」


「はい、では奏様、日菜様はこちらの部屋で少々お待ちください。」


僕達は待合室みたいな部屋に通された。多分この後、ステータスを調べる水晶みたいなんに触らないといけないんだろな。僕は置いてある飲み物を飲みつつ、日菜さんに提案した。


「日菜さん、今の間にさっきのやつ、どこまで出来るか勝負しません?」


「それってさっきのこれ?」


日菜さんは指先から魔力の糸を出して空中を漂うように、操っている。器用だな。さっきの今でそこまで出来るのか。


「はい、僕の勘なんですけど、これ極めたら便利な気がするんですよね。」


僕も指先から太めの紐を五本指から垂らしてそれぞれを別の動きをさせる。結構難しいなこれ。


「じゃあ勝負!私のターン!食らえ!パワーボール!」


日菜さんの掌から丸くて半透明な球が出てきた。それは僕に当たったあと日菜さんの所に戻る。球に紐がついてるみたいだ。


「ふふ、所詮はイメージだからね、イメージしたら作れたよ。」


「おおー!凄いです!じゃあ僕のターン!ハンドチェーンソー!」


僕の手の周りに紫色の刃のようなものがまとわりつく。日菜さんみたいなのは難しかったから、簡単に刃状にしてみた。今僕の右腕はチェーンソーの刃みたいなのに包まれている。しかもちゃんと動く。


「日菜さん試しにそのボールこの腕に当ててみて下さい。」


「おっけー、せい!おお!真っ二つにされちゃったら消えちゃうんだね。」


「多分イメージが崩れるんでしょうね。」


「よーし、次は負けないからね。私のターン!」


『スキル魔力操作を入手しました。』


…10分後




コンコン


「失礼しま…す……」


「私のドリルは天をつくドリルだー!!」


「パーフェクトサヤモリLv99!」


「日菜さん、やりますねぇ!」


「奏くん、いいぞーこれ。」


「あの、何をなさってるんです?」


「あ、す、すいません、少々暇だったので魔力で遊んでました。」


「いやーいい訓練になったよ。またやろっか?奏くん。」


「さすがに人前では嫌ですからね?」


『スキル魔力操作がLv9に到達しました。』


やったぜ。レベルアップするのはやっぱり楽しい。僕の知ってる異世界モノだったらまあまあ遅い方だと思うけど。ん?あれ、さっきの受付の人じゃないな。さっきの人より明らかに身なりが整っている。


「えっとー…始めてもよろしいですか?」


「「大丈夫です。」」


「ではステータス鑑定士の私、サラ・マイアが担当します。ではまずはこの水晶を触った状態でステータスと唱えて下さい。このステータスの値を例外をおいて公開することはありませんので安心してください。日菜様、ご退出頂けますか?」


案の定、ステータス鑑定イベントか、あれかな、僕のステータスが高過ぎて水晶が割れちゃうのかな?いや、主人公なのに割れなかったらそれはそれで恥ずかしいな。


「私は奏くんの姉なので確認します。奏くんもそれでいいでしよ?」


「大丈夫ですよ。」


「はぁ…では。こちらに手を置いてください。」


「分かりました。『ステータス』」


水晶が光り、その光が僕のステータスの文字の形になっていく。



鞘森 奏(15)Lv5

体力 250

気力 250

スタミナ 300

魔力 1300

天力 1200

運 2000


称号

主人公


装備品

白色の服一式

ゴブリンキングの腕輪

魔法のナイフ


バフ

デウス・エクス・マキナの加護

シェーンの加護

グランディールの加護

主人公の加護


スキル

アイテムボックス(改造)LvMAX

花火Lv2

魅了LvMAX

手加減

戦術

念話LvMAX

魔力操作Lv9


「えっ!?」


サラさんはだいぶ驚いてるみたいだ。そりゃそうか、加護の量が半端じゃないもんな。てかなんかステータスの数値が上昇してるなぁ。グランディールと戦闘してたからかな?


「あのー。」


「あぁ…はい、どうしました?」


「ほんとに公開しないんですよね?」


「え、えっと、一部の例外を除き、公開は致しません。」


「一部の例外とは?」


僕はサラさんを問い詰める。


「それは言えません。」


「どうしても?」


「はい。」


そっか…じゃあ仕方ない。ゴリ押しでいけるかな?


『シェーンの加護が発動しました。』


魅了することを意識しつつっと。


「どうしても、駄目ですか?」


「え…あえ…あ…」


「お願いします…ちょっとだけでも教えてください。お姉さん。」


「り…」


「り?」


「了解しました…本当はいけないのですが…一部の例外とは加護持ちでいらっしゃるかどうかなのです…私はそれを判断するために城から派遣された…国お抱えの鑑定士という訳です。奏様は加護持ちでいらっしゃるので一部の例外となり…王城に報告しなければなりません。」


「今まで加護持ちはいましたか?」


「……王都に居る加護持ちの方はウェスクリート王と王妃殿下、バルトー図書館の館長、リネ館長、他数名が加護持ちだと判明しています。他に知りたいことはありますか?」


おお、魅了様々だ。ほぼ洗脳みたいな感じだけど、強いな。


「あっ、そうだ。僕は報告してもいいけど、日菜さんは報告しないで。お願いね?」


僕はヒソヒソと耳元で話す、イケボを意識しつつ。


「わ、わか…わかり、まし、た。」


「日菜さんはなにかこの人に質問とかありますか?」


「私はないけど…奏くん。」


「はい?」


「あんまりこっち見ないでくれるかな?あと近づかないで。」


「えっ!何でですか?…」


「なんでって…奏くん、今の君をあんまり長時間見たらなんか抑えられ無くなりそうだからかな?」


「ああ〜、魅了の効果でですか。」


何がは聞かないことにした。


「私はまだ耐えられるけど、早く止めないとそこの人、気絶しかけてるよ?」


僕がその人を見ると、ガクガクと白目を向きながらサラさんが倒れかけている。


「うわ、このスキルやば。あっ、止め方分かんない。」


とりあえず止まれって念じてみるか?止まれ止まれ!そう念じていると、何かが抑えられた感覚がした。


「はっ!なにか神を見たような気がしたんですが。気の所為ですか。」


「すいません。」


「なんで謝っているんですか?」


「いえ、ちょっと申し訳なかったんで。」


「??」


「次は日菜さんの番ですよね。どうぞどうぞ。」


「はいはーい。ここに手を置けばいいのかな?」


「あ、はい。そうですね。それでここでステータスと唱えて下さい。」


「よーし、『ステータス』」



白石 日菜(24)Lv4

体力 250

気力 240

スタミナ 330

魔力 1250

闘力 1500

運 570


称号 護る者


装備品

空色の服一色

ゴブリンキングの王冠

戦鎚 轟音


バフ

デウス・エクス・マキナの加護

フーカの加護


スキル

アイテムボックス LvMAX

重量付加 (オフ)Lv2

身体強化Lv5

肩代わりLv6

魔力操作Lv5

回復魔法Lv1

精神魔法Lv7



「日菜さんちょっと聞きたいことがあるんだけど。」


「どうしたの?あっこれで終わり?なら手を離すよ。」


「はい、ではまた暫くお待ちください。ギルドカードを発行して参りますので。」


サラさんが退出したのと同時に、僕は日菜さんに魅了を発動しながら問いただす。


「日菜さん、昨日の夜フーカに何をされたんですか!?」


称号の部分はまだいい、加護もまだわかる、けど精神魔法?明らかに何か吹き込まれた感じだ。


「いやー止めてよ奏くん、その顔でこっち向かないでっていたじゃん。」


「はぐらかすな!」


日菜の笑顔が固まる。


「日菜、今から嘘をつかないで、もし嘘をついたら怒るから。フーカに何を吹き込まれた?」


「…嫌だなぁー奏くん、何も吹き込まれてないよ?ただ…」


「ただ何?」


「君を守りたいってだけさ。精神魔法『催眠』」


僕は加護を発動していなくて防御することが出来なかった。味方に食らうのは考えてなかったな、くそっ。


「な、何を……?」


「眠たくなってきたかい?眠るといいよ。そうすれば君を守ることが出来る。」


「駄目だ、駄目……寝ては……日菜さん…に…聞きたいことが……」


「おやすみ、奏。」


「日菜……さん………」


僕は抗うことが出来ず眠ってしまった。


「……独り言なんだけど…私はね、死んだ時に絶望したんだよ。家族に、弟に会えなくなったってね。私の家は両親が飛行機事故に巻き込まれて、死んじゃった。それからは弟と二人暮らししてたけど、私も死んじゃった。」


日菜は優しく、壊さないように眠っている奏の頭を撫でている。


「私は弟がいたからあんなに辛い仕事も頑張り続けたんだよ。なのに一回、たった一回寝ちゃっただけで死んで、こんなに不安で知らない世界に送り込まれちゃった。こんな仕打ち、酷くない?」


日菜は涙を堪えながら、喋り続ける。泣いてしまわないように。


「でも奏くんに会って、喋って、戦って…私、奏くんがいたから、もう少し頑張ろっかなって思えたんだよ。…私はこの最後の幸福を手放したくない。もう二度と。たとえどんなことがあろうとも、私は奏くん()を護ってあげる、私はお姉さんだからね。」


日菜の持っていたコップが割れる。割れたコップは地面に落ち、床に転がる。手の平はズタズタに切れているが、そんなことを気にしていないようだ。


「私は君を護る為だったら……」










「人だって殺すよ。」

全然進みませんが描きたかったので仕方ありませんね!

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