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異世界を花火で攻略だ?  作者: きょんきょん
8/13

八話 私と契約して、共犯者になってよ!

前回の戦いから入ります。



速度が上がった。グランの姿は見えない。だけど剣を降る瞬間だけ僕でも見えるくらい遅くなってる。手加減してくれてるんだろう。避ける、避ける、当たる、受ける、当たる、避ける、受け流す。この手数の中で僕は手が出せずにいた。


「ははっ」


でも、楽しくなってきた。避けれた時の安心感、グラン…いや、敵が迫り来る時の緊張感。アドレナリンがどぱどぱ出てるような気がする。どれだけ傷ついても雨が僕を癒してくれる。いつ死ぬかも分からない。いつ当たるかもわからない。


「この雨が病む前に、覚悟を決めなければ僕は死ぬ。」


僕はバックステップで敵から距離を置く。敵は少しづつ、ジリジリ近寄ってきた。僕の隙が減ってきたから隙を伺ってるんだろう、多分。もっと冷静になって敵を観察して、動きを覚えないと。


『デウス・エクス・マキナの加護が発動しました。』

『シェーンの加護が発動しました。』

『グランディールの加護が発動しました。』

『主人公の加護が発動しました。』


僕が戦闘だと認めたからかな。全ての加護が発動した。さっきより体は軽い。視界も広い。これなら…多分行ける。雨は既に止んでいた。


「今度は僕から行きます。」


僕は走った。今なら50メートル3秒はくだらないだろう。僕はその速度のまま。剣ではなく、盾を振りかぶり、敵にぶん投げる。案の定弾かれた。でも隙は出来た。


「勝負を諦める気か?」


僕は強化された身体能力で敵の盾を蹴りつけ、ジャンプした。


「いえ、僕に盾はあつかえなさそうなんで。代わりにこっちを使いますよ。」


敵の姿勢は少し崩れ、僕は空中。この状態でできることは一つ。


「『花火』発動。砲台用意。全方位を囲んだ砲撃、避けられますか?」


僕は戦いながら拵えていた花火をグランに向けて撃つ、撃つ、撃つ。僕のスキル『花火』はLvが上がったおかげで()()()()()()()()()が変えれる様になった。しかも加護のおかげであの時より威力は上がっている。僕の砲撃で多少ダメージを受けたはずだ。なかったとしても、目は光で、耳は爆音で、感覚は衝撃で少しは混乱しているだろう。


「今ならいける。」


僕は右手に構えた武器を着地した瞬間に振りかぶった。だが僕の武器は煙の中から突如出てきた手にがっしりと掴まれてしまった。僕は少し狼狽える。


「目は潰れたはず、少なくとも耳は聞こえないだろうと思って油断したな。」


煙の中から出てきたグランの瞳を見ると、妖しく緑色に光っていた。


「『魔力感知』位は使わせてもらうぞ。」


僕は掴まれた武器を捻るように回そうとした次の瞬間右手の武器が砕け散れ、僕の首元にはグランの片手剣が突きつけられていた。


「不合格だ。」


「いや、引き分けじゃないですか?」


完全に煙が晴れると僕の()()には、片手剣が握られ、グランの首元に突きつけられていた。


「剣の魔力を頼りに僕の武器を掴みましたね?グランさんが砕いたのはマキナから貰ったナイフですよ。僕が花火を使ったのは魔力を感覚を狂わせるためでもありましたが、一番の目的は魔力分からなくさせるためです。感覚が塞がった状態、しかも大量の僕の魔力に包まれた状態ですることといえば限られてきますから。」


「ほう?」


「でも、武器を手で掴んでしかも砕いたのは予想外でしたね。」


あの時は本当にびっくりした。そもそも炎で熱してあったナイフを掴んで砕くなんて誰が予想できたよ。


「ふむ…今日は合格だ。」


グランさんが僕の首元にあった片手剣を離す。あー怖かった。


「ええ、ありがとうございます…って今日は?」


僕は呆気に取られた顔でグランを見つめる。


「ん?奏は今日だけしかやらないと思っていたのか?」


「奏よ、戦闘の知識が欲しくば毎日特訓あるのみ、じゃぞ?今日はこれで終いじゃが明日はシェーンと戦ってもらうからの。」


まじか…こんな辛いのまだするのか。僕はどっと疲れた体を起こそうしたら立ち上がることが出来なかった。


「お主、そこらじゅうにガタが来てるではないか。準備運動もなしに本気で動くからじゃ。神級魔法『完全回復』ほれ、体力と気力は治しておいたから、あとはもう寝ると良い。帰り道はあっちじゃぞ。」


それだけじゃない気もするんですけど…まあいいや、もう帰ろう。気力は治ったんだけどなんか疲れた。


「ありがとうございます。じゃあまた明日。」


「おう、また明日特訓じゃからな。」


僕はポータルを通り、自室に帰った。








「さて、お主達もお疲れ様じゃな。お礼に美味しい紅茶を入れてやろう。」


「ねぇ、マキナ?」


「なんじゃシェーン?」


「グランはわかってたと思うけど、グランが持ってる『成長の加護』を奏くんにわざとやったわね?まさかあなた、あの子を()()にでもするき?」


シェーンは怪訝な目でマキナを見つめる。


「いやいやまさか、()()()()()()()()()()()()。」


マキナは神々が見とれてしまいそうな程の笑顔で笑う。


「わしは奏を()()()()()()()()()()()







僕は久々に帰ってきたような錯覚をしながら時間を確認する。


「うわ、あんまり時間経ってない。やっぱりあの空間すごいな。夢だったのかな?」


写真フォルダに…うん、あるね、魔法陣。夢じゃなかったか。よし、明日の準備してから寝るかな。そう考えた瞬間。自分の部屋のドアが開く音がした。


「誰?」


僕がそう問いかけると、赤と蒼の綺麗な翼、赤色と蒼色の綺麗な髪色。誰かと思えばフラムだった。ネグリジェを着ているのは多分寝る時に着る服なんだろう。

まあそんなことより。


「どうしたの?フラムちゃん。そんな綺麗な眼でこっち見て、なんか僕に付いてた?」


僕はフラムに問いかける。フラムの両目は妖しく光っていて、赤色と蒼色の光は中々綺麗だった。


「やっぱりフラムちゃんの眼は綺麗だね。その龍みたいな細長い瞳孔は僕はかなり好きかな。」


「…ありがとう。」


「いえいえ、どういたしまして。そういえば何しに来たの?」


僕は加護を手に入れたあたりからか、恥ずかしいセリフを結構ガンガン言えるようになっていた。加護ってそこまで補助してくれんの?


「……やっぱり、貴方しか頼めない。」


「ん?何が?」


「……私と契約して欲しい。」


フラムちゃんは紙をどこからが取り出してきた。


「良いけど、僕も言いたいことあったんだよねーフラムちゃん達に。」


「……何?」


「いや〜大したことじゃないんだけど。()()()()()()()()()


「…!」


「最初会った…と言うよりは会わざるを得なかった感じになっていたけど。あれ僕達に会うためにわざとこっち来たよね?しかも僕達の服装を見ても何も言わないし。それにホテルの人と話す時と僕達と話す時に口の動きが違うね?あれは明らかに僕達が日本語を喋っているとわかってないと無理だ。まあ僕の耳には全部同じ音声で聞こえるから、いちいち日本語にしなくてもいいんだけどさ。」


「……よく、分かったね?」


部屋の温度が少しづつ下がってきている。いや、正確にはフラムの周囲の温度が下がってきている。


「フーカが意味深な発言繰り返しまくってたからね。それがなくとも君達は()()()()()。一回助けただけなのにここまでされたら何か裏がある人か、それか余程の善人じゃないとここまでしてくれないでしょ。で、フラム、契約ってどんな内容?脅すのなら僕はできる限りの反抗はするからね。」


ふと、周りの温度が元に戻る。そして次の瞬間、フラムちゃんは土下座をしていた。え??なんで?どうして?フラムちゃんの方が遥かに強いのに。力で脅すと思ったからここまで強気に出たのに。僕がオロオロとしているとフラムちゃんが勝手に喋り出す。


「……フーカは貴方達にあることをやって欲しい。でも、その計画は致命的な欠点がある。…フーカは頭は良いけど馬鹿だから…多分気づいてない。奏はその作戦に気づいてない振りをして作戦に付き合って欲しい。」


僕はまず、フラムちゃんに土下座を止めさせた、見ていて気分が悪いからね。今はフラムちゃんは女の子座りをしている。可愛い。


「それで、対価は?」


「え?」


「多分だけどフーカちゃんの作戦には異世界人が必要なんでしょ?そうじゃなかったら僕である必要が無い。異世界人で、お人好しで、騙しやすそうなやつなら尚いい。」


「…うん。」


フラムちゃんはこくりと頷く、まあそりゃそうだよな。異世界人じゃなくていいのならそこら辺のやつにやらせればいいんだし。


「…正確には、異世界人で、お人好しで、騙しやすそうな、()()()()()()()()()()()()


「ふーん…属していない人ってことは、普通の人がやっちゃ駄目なことでもするってこと?そうだなー例えば人殺し、とか?」


フラムちゃんは首を強く振った、多分人殺しの部分だろうな。じゃあ他に無所属の人間にしか出来ないこと、なんだろ?


「やって欲しいことは、とある剣を抜くこと。そして、フーカの作戦を最後にぶち壊すこと。」


僕は少し呆気に取られた。さっきまで作戦に付き合ってと言っていたフラムちゃんが手のひら返しの様にぶち壊すと言ったからだ。


「なるほど…致命的な欠点ってもしかしてフラムちゃんがその作戦に反対してるってことかな?」


「…うん。フーカはある国の人間が嫌い。だから()()()()を抜いて、復讐しようとしてる。でもそれはいけない。そんなことしたら、多分フーカは壊れる。行き場のない怒りで、自分を壊してしまう。」


「それを止めるために僕に契約を持ちかけたのか。日菜さんにはしたの?」


「…ううん。今日の作戦は日菜と奏に相互に契約を持ち出して作戦を円滑に進める手筈だった。だから日菜の方にはフーカがいった。」


「ふむふむ、まあ状況は把握したよ。フラムちゃんの契約内容はフーカちゃんの作戦に最後まで付き合ってとある剣を抜くこと、フーカちゃんの作戦を最後にぶち壊すことだね?質問なんだけど、このことがフーカちゃんに知られたらどうなるの?」


「…多分私も貴方も死ぬ。裏切り行為はフーカの一番嫌いなことだから。」


「…おっけー契約はしよう。そっちの方が面白そうだしね。」


僕は紙に血で自分の名前を書いた。ちょっと痛い。


「その代わり…分かるね?」


「…分かってる」


そう言うとフラムちゃんはゆっくりと下着を脱ぎ出した。僕がビックリしている間にフラムちゃんはネグリジェ一枚のみになった。両耳のピアスは外さないのか。


「…不束者ですがどうぞ、好きにして…ください。」


フラムちゃんが顔を赤くさせながらベッドに寝転んで言った。


「違う違う違う!そういうことじゃない!服着て、はいパンツとブラジャー!ごめんね?僕の言い方が悪かったから。勘違いでこんなに恥ずかしい思いさせちゃって。」


下着を履かせ直した僕は軽い深呼吸をする。


「はぁ、僕がしたいのは3つの約束だ。少し図々しいかもだけど。一つ、僕に魔法を教えること、これはどちらでも構わない。むしろフーカちゃんも加えてやった方が自然だろう。強くもなれるしね。二つ、ステータスを見せて欲しい。強いと言ってもどれだけの強さを目指せばいいかわからないからね。まあこれは無理強いはしない。ステータスなんて自分の手札晒してるようなもんだし。そして三つ目。」


僕は右手を差し出してフラムちゃんに突きつける。フラムは軽く首を傾げている。可愛い。


「これが三つ目、仲良くしよう。この三つが守れるのなら、約束の証として、握手をしようよ、ね?」


フラムはぽかんとした顔で動きが止まった。そして再度動き出すと一つだけ訂正してと言われた。


「ステータスはいいけど、スキルは見せられない。理由は……言えない。」


「おっけーじゃあ僕が見るのはスキル以外だ。じゃあはい、握手。約束だよ。」


僕は優しく、握手をした。フラムちゃんは決意を持った眼差しでこちらを見る。


「龍神に誓って。」


「ああ、それがフラムちゃん流か、じゃあ僕は。神に誓ってって所かな。」


僕達はしばらく握手した後、ゆっくりと手を離した。


「よし、これで僕達は共犯者だ、仲良くやろう。フラム。」


「…!うん。」


「それじゃあ早速ステータスから見せてくれる?」


「…ん」


僕がステータスと唱えると、少し弾かれたような感じがしたが、見ることが出来た。



フラムグラスドラゴン(8315)Lv379

体力 2700 ◁

気力 2750◁

スタミナ 1750 ◁

魔力 4000 ◁

運 3050 ◁

称号

元龍王 魔王

装備品

魅惑の下着一色

凍刃 ◁

爛刃 ◁

バフ

龍王の権能 ◁

魔王の権能 ◁

デバフ

封印中 ◁

龍人化 ◁



ちょっと待て突っ込みどころが多すぎてどこからいえばいいんだ。まず年齢がやばい。想像以上に長生きしてた。


「ステータス高ぇ!」


俺より一桁も違う。しかも結構エグそうなデバフ食らってこれかよ。やべーな。しかも魔王だったし、龍王でもあったし、いや、元龍王か。かっこいい武器も持ってるしな。でも凄いなこれ。ステータスでこれだったら。スキルとかもうどうなってんの?まずは一つ一つ説明を見ていこう。



凍刃…フラムグラスドラゴンの力の結晶の一つ、この刃に斬られたものは一切の傷が凍り、死ぬだろう。大きさを変化させられる。



爛刃…フラムグラスドラゴンの力の結晶の一つ、この刃に斬られたものは一切の傷が爛れ、死ぬだろう。大きさを変化させられる。



龍王の権能…龍王に選ばれし者に与えられる権能、この権能に選ばれし者、龍王となり、皆を束ねるべし。

龍状態の全ステータスアップ。



魔王の権能…魔王に選ばれし者に与えられた権能、この権能に選ばれし者、魔王となり、世界の敵となれ。

魔界での全ステータスアップ。



封印中…力を縛られた者、だが封印はいつか解けるだろう。全ステータス大幅ダウン。



龍人化…龍が人化した時に起きる。全ステータスダウン。



「……うーん、なんとも言えない。」


この強さって弱くなっててこれなの?どうなってんだ。まあとりあえずはこの強さを超える強さにならないといけないってことか。出来るのかな?いや、出来るできないじゃなくて、やる。そうしよう。


「…絶望、してないの?」


「ん?いやぁ、フラムの強さはびっくりしたけどまあどうにかは出来るかなー?って、楽観的すぎるかな?あと、そのピアスのステータスが見られないから、それが君の武器だと思うんだけど、どうかな?」


「…うん、正解。」


「そこまで小さく出来るのかー。これは凄いねぇ。」


「……ありがとう。」


「ん、何が?どちらかと言ったら僕がお礼を言いたいくらいだよ、ご飯とか、服とか奢ってくれたり、こんな破格の条件も飲んでくれたし、それに、自分が死ぬかもしれないのに僕にわざわざ言ってくれるなんて、フラムはフーカちゃんのことが大好きなんだね。」


僕は笑顔でフラムの頭を撫でる、フーカみたいな反応はしてくれないけど、くすぐったそうな反応も可愛い、僕は右手のスマホで写真を撮った。この世界にカメラという概念はないと思うのだけど、撮られたということ気づいたフラムはこっちのスマホを取り上げようと必死になった。


「…消して、恥ずかしい…」


少し頬を赤らめたその顔も撮っておく。これは永久保存だね。ちなみに何故かカメラの精度が上がっていた。これは神様の配慮だろうか、暗闇だろうと普通に撮れる。


「よし、じゃあフラム、こっち来て。」


僕はベッドに寝転ぶようにフラムを促す。その隣に僕が寝転んだ。ベッドは大きいので僕達は二人が入ってもまた余裕がありそうだ。


「じゃあおやすみー。」


「…おやすみ?なさい。」


フラムはよく分からないまま寝転ばされ、ゆっくり頭を撫でられていく。その気持ちよさはたとえ神であっても抗うことは出来ないだろう。フラムは改めて、この人に頼んでよかったと思いながら。奏は明日からどうしようと考えながら、二人は眠る。







この後、起こしに来た日菜さんにからかわれるのは予想していなかった。


「おっとーラッキースケベの奏くんがやっと起きてきたよー。私にやった後はフラムちゃんに行くなんて、君もやるねぇ?」


先に起きて朝食を食べていた日菜さんがからかってくる。今僕がいるのは一階にあった別のお店だ。高級感がある人達が結構いっぱいいてちょっと落ち着かない。


「もうやめてください。あれは黒歴史です。」


僕は既に揃っている三人に挨拶したあと、椅子に座る。僕の分の朝食は少し冷めていたけど、パンは冷えても美味しいので問題なし。美味しい。


「…私と寝るのが?」


「違います!…えっと、お風呂の出来事のことが黒歴史なんです。そんな事より日菜さん、洗面台見ました?トイレとか。」


僕は日菜さんの耳に顔を近づいて、ヒソヒソと声を潜めた。


「見たよ、現代と変わらないくらい発達してた。トイレの形状も違ってたし原理も違うだろうけど、一概には言えないけど、相当文化水準が高いことはわかったね。」


「さすが日菜さん、頭いいですね。」


「ふふふ、そこらのラッキースケベを受けるだけの美女じゃないんだよ。てゆうか奏くん顔が近いけど、キスでもする気かい?」


「もう勘弁してください…キスなんてしませんよ。」


僕達がそんな話をしていると、フーカちゃんがこちらをじっと見つめてきた。


「ど、どうしたの?」


「二人とも、イチャイチャするのもそこまでで、今日の予定を考えません?」


「イチャイチャはしてないです!」


「イチャイチャって程じゃないよースキンシップの一環だよ。」


「まあそれはそうとして、今日は私達少し用があるから、ね?奏くん。」


「そうですね。冒険者のカードを作って門番のノルマさんの所に持っていかないと。まだ仮入国なんで。」


僕はアイテムボックスから仮入国の紙を取り出して二人に見せる。


「あーそうだよねぇ。ちょうど良かった。実は私もフラムも用があったから。今日は別行動にしたいと思ってたんだ。はい、お金。金貨五枚くらいくらいあればいいかな?、いや、二人なんだから六枚の方がいいよね。はいどうぞ。私達は先に行くから、あとはお好きにー。」


今回なんか全部貰ってる感じが否めない。罪悪感がすごい。


「……はぁ、もういいです。ありがとうございます。」


僕は諦めて、有難く受け取ることにした。


「有難いんだけどね…ははは。」


日菜さんは苦笑いのまま、金貨六枚のうち三枚をしまい、残り三枚を僕に渡す。ん?


「ひ、日菜さん?今どこにしまいました?」


「ん?胸の間だけど。」


「えぇ…」


なんでそんなことと思っていたら、日菜さんが手招きをしている。僕が耳を近づけると、ボソボソと喋りだした。


「この能力は強すぎると思うんだよね私。だからこの能力が使われてる所を見られたら何されるか分からないから、これなら胸の間に入れてるように錯覚出来るじゃん?あと奏くん見てみて、ててててっててー。四次元おっぱい〜♪なんてね?」


日菜さんがおっぱいの谷間からさっきの金貨を取り出す。


「え、あ、日菜さん、だ、駄目ですよ?誰が見てるかもわかんないのに。あと金貨は見せびらかしちゃダメです。少なくとも使う時までは出さない方がいいかと。」


僕は日菜さんのおっぱいを隠すのに必死だ。今はホテルの中だから、見てる人が少ないけど、夜の時みたいにいっぱい人がいる中だったら、セクハラされるかもしれない。僕が守らないと。


「じゃあ、奏くんが手を繋いでくれない?私は地図が読めなくてさ、多分迷子になっちゃいそうなんだよねぇ。頼りにしてるよ!弟くん!」


「しょうがないですね。弟では無いですけど、僕が連れて行ってあげます。」


僕は褒められて少し強気になりながら、日菜さんと手を繋ぐ。


「(チョロ可愛い)」


「何立ち止まってるんですか?行きますよ。」


「はいはーい。」



今年もよろしくお願いします。あとなんかわちゃわちゃしてしまいました。生暖かく見守っていただけると幸いです。

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