二話トラック運転手との接触
初心者です。よろしくお願いします。
「うわあああああああ!!!?」
僕の名前は鞘森 奏、15歳だ。さっきマキナに異世界に行く門を作って貰って門をくぐったら思ってたより下に地面があった。
「なんで門から出たら空なんだよ〜!!」
幸いながら下は水があるけどすっごい怖い!
バッシャーン
「うぅ。岸まで近くて良かったけど、服がびしょびしょだよ。」
僕は岸に上がって身体に以上がないか調べ始めた。
「取り敢えず服を全部脱いで、ズボンも脱いでっと。お!あの岩良さそう。」
今は太陽が中天に差し掛かろうとしていた。
「ここに置いとけば乾くかな?って待って携帯どこ!?」
あれの中に200曲は入ってたのに!
「はぁ、アイテムボックスの中に入ってないかな?」
アイテムボックスのスキルを使うと、手のひらにタブレット型端末があった。ステータスを見る時に出てきたタブレットと同じだった。
「ん、これかな?」
アイテムボックスの中にあるのを取り敢えず全部取り出した。空中に穴が空いてぼとぼとと落ちてきた。因みに僕の今の格好は少し乾き始めているパンツ一枚だけだ。人がいたら恥ずかしいけど今は僕一人だからあまり恥ずかしくない。
「うーん、取り敢えず現状確認。今の所持品は、そこで乾かしてるパーカーとシャツとズボン、そして今はいてるパンツ。」
いや、これは確認しなくてもわかるか。
「そしてアイテムボックスの中に入ってたスマホとイヤホンとお金2000円分、これは祭りの時に持ってたね。そしてこれ、なんか入ってた、サバイバルナイフっぽいやつ。」
こんなの持ってた記憶無いんだけどなぁ?あ、もしかしてマキナがアイテムボックスに入れといたアイテムってこれか?
「アイテムの『ステータス』見れないかなぁ?」
そう言うとナイフのステータスがタブレットに表示された。
『扱いやすい』魔法のナイフ◁
耐久度 100
魔力 50
攻撃力 150
◁の部分を押すと詳細が表示されるみたいだ。
『扱いやすい』魔法のナイフ…所持者の魔力を吸い取って耐久度を維持することが出来る。魔力を使って簡単な火種を生み出すことも出来る。
「神様に取っては微妙でもこの状況だったらすごくありがたい。取り敢えず少し湿ってるけど、シャツとズボンを着ておこう。寒くなってきたし。」
いくら日向だとしてもパンツ1枚は寒すぎる。
「それにしてもスマホとタブレットの二個持ちは扱いづらいな。」
今は右手にタブレット、左手にスマホを持っている。
スマホを触ったら案の定圏外だった。
「これどうにかならないかななんて、あ!」
右手にあるタブレットでスマホを触ったらスマホが消えた。
「うわあああああ!?僕のスマホがぁぁ!」
結構高いの買ったんだけどなぁ。悲しい。スマホがお亡くなりになったことで悲しんでいたら右手にあるタブレット型の端末が輝きだした。びっくりだよ。
「え〜怖い怖い何このタブレット、輝き出したんだけど!」
輝きが収まったあと、タブレットを見てみるとスマホのカバーにしていた色と同じ色になっていた。いや、もしかしたらそれより綺麗かも。
「え?な、え?スマホが消えたと思ったらタブレットが同じ色になった?どういうこと?」
困惑していてもしょうがない、そう、ここは異世界、異世界だからタブレットが輝いてスマホカバーと同じ色になっても仕方ない。うん、仕方ない。
「取り敢えず落ち着くためにタブレットを触ろう。」
タブレット型端末。は長いからもうスマホでいいや。
スマホを弄って見たらすごいことに気づいた。後スマホの色はスマホカバーと一緒の綺麗な星空の色になっている。
「え?スマホとほぼ同じ機能になってる?」
さっきまで端末はステータスを出すだけの機能しかなかったのに。
「あ、でも結構変更点が多い。充電切れかけだったのに右上がMP100%ってなってる。魔力で動くってことかな?今も充電中のマーク付いてるし。」
30分ぐらい弄って分かったことがある。使えるのは音楽アプリ、メモ機能、カメラ機能、ステータス閲覧機能、アイテムボックスだけみたいだ。他のアプリは押しても反応なし。写真は不幸中の幸いだけど内容データがあった。良かった、僕の可愛いものフォルダが無くなったら絶望するところだった。
「まあ、これだけ機能があれば問題ないしそれに。」
僕はスマホを少し先の砂浜に投げ捨てた。
「『ステータス』」
唱えた瞬間に目の前にあったスマホが消え、僕のポケットの中にスマホの感触がした。
「うん、これは便利。」
纏めると、僕のスマホはステータスとアイテムボックスを使えるタブレット端末と合体して、大部分の機能を無くしつつも自分の手元に戻ってくる機能が付いた。
「取り敢えずもう一度現状確認。パーカーは乾かしてる、スマホは便利になって、周りは湖。の背後に森、森の向こう側に平原っぽいのが見える。太陽も傾いて来てるし、野宿はした事無い。現状家無し金少し食料無しか。はぁ。やばいな。」
しかもお金が使えるかもわかんないし。まずは水と食料だな。これからの目標を決めた時に空から声が聞こえた。
「きゃああああああ!!」
バッシャーン!
「今の人がトラック運転手かな?それにしても声が高かったな。」
「あーもうびしょびしょになったじゃん。」
さっきの人が来た、先ずは挨拶かな?
「あ、あのぅ。」
「ん?誰?」
「こんにちは、僕の名前は鞘森 奏です。15歳です。貴方は…?」
「君が奏か。私は白石 日菜私がトラック運転手だよ。転生理由は君と同じと言えば伝わるかい?」
白石 日菜と名乗る人は女性だった。僕の身長は170cmくらいだから大体150くらいかな?
「ありがとうございます。白石さん。」
「これからは一緒なんだから他人行儀な呼び方じゃなくてさ、日菜って呼んでよ。私も奏くんって呼ぶからさ。」
なかなかぐいぐい来るな。少し苦手だ。服もTシャツに半ズボンとかなりラフな格好だ。さっき水に入ってたから少し透け…て…。
「肌にくっついて気持ち悪いね。脱ごっと。」
そう言うと同時に服を脱ぎ出した。
「な、何平然と脱ぎ始めてるんですか!!」
「ん〜見られて減るもんじゃないしね〜。弟になら何度も見せてるから今更どうとも思わないし。」
「そう言いながら脱ぎ続けないでください!とりあえずこれ着てください。これ!乾いているんで!」
僕はそう言いながらさっきまで乾かしていたパーカーを手渡した。
「ふふふ、奏くんには刺激が強すぎたかな?ごめんごめん、君のパーカー借りるよ。」
「お、終わったら言ってください、日菜さん。後ろ向いておくので。」
びっくりしたー。妹の裸を見慣れてなかったら倒れる所だった。気持ちを鎮めないと。鎮まれー鎮まるのだー。
「ん、終わったよー。」
「はぁ、良かったです。ってぇぇ!?」
振り向いたら日菜さんは下も穿いていなかった。僕の渡したパーカーで隠れてるけどチャックが半ばまで開いててそこから胸も少し見えている。
「言われた通りに着たけど少しブカブカだね。」
僕はサイズ大きめのパーカーを着ていたから日菜さんが着たらぶかぶかで萌え袖になっている。
「ぐっ、攻撃力が高すぎる。」
「?」
「取り敢えずチャックちゃんと閉じてください。」
これじゃあ、目がまともに合わせられない
「私胸が大きくて開けてないと窮屈なんだよね。」
そう言いながら大きい胸をぎゅっと寄せながら見せてきた。
「わざわざ胸を寄せなくても見えてます!」
ごめんごめんと笑いながら日菜さんは周りを見渡している。
「取り敢えず食料と水が必要だね。あと寝床かな?」
おお、少し周りを見ただけでよく分かったな。
「そうです!よく分かりましたね?」
「まあ、野宿自体は何回かした事あるからね。ある程度必要なものくらいなら分かるよ。」
すごいな〜
「ま、近くに湖と森があるから食糧も水も大丈夫そうかな?」
そう言いながら日菜さんは湖の水を手ですくって飲んでいる。
「ん、水も美味しい、飲んでみる?」
「あ、はい。」
僕は水を手で救って飲んでみた。
「あ、美味しい。」
「でしょ?」
しかもなかなか透明度が高い。底まで見えそうだ。
「これなら濾過する必要ないかな?」
「次は食料だね、一緒に森に行こうよ。」
「それもそうですけど服が乾いてからにしません?肌が傷つくといけないんで。」
「それもそっか、じゃあ乾くまでゴロゴロしてよっと。」
そうだ、今のうちに聞いとこう。
「あのー。」
「ん?どうしたのー?」
日菜さんは草の生えたふわふわの地面にゴロゴロとしている。
「ちょっと『ステータス』って言ってください。」
「いいよー、『ステータス』」
「そうしたらこんな形のスマホが出てくると思うんですけど。」
スマホっぽいのが僕が貸したパーカーから出てきて驚いているみたい。
「私のスマホじゃないし、奏くんの?」
「違います、取り敢えずそのスマホになんて書いてあります?」
「ん〜っとねぇ。」
日菜さんはスマホをスワイプしながらステータスを見てるみたいだ。ちなみに日菜さんのズボンは乾いてないから僕は必死にスマホから視線を逸らさないようにしている。
「体力とか魔力とか書いてるね。RPGみたいだね。」
「ちょっとそのスマホ貸してくれませんか?」
「いいよー私のスマホじゃ無いけど。」
日菜さんはスマホを手渡してくれた。
「ええとなになに?」
白石 日菜(24)Lv1
体力 250◁
気力 200◁
スタミナ 300◁
魔力 50◁
称号 なし
装備品
白のパーカー
バフ
デウス・エクス・マキナの加護◁
スキル
アイテムボックス Lvmax◁
重量付加 (オフ)Lv1◁
「ステータス負けた…」
まあ、家にこもってる僕とは違うか。
「重量付加ってなんのスキルだろ、タップしても反応ないな。日菜さんここの所押してくれない?」
「こう?」
日菜さんが押すとステータスの詳細画面が開いた。
「おー開いた。ありがとう日菜さん。ええと重量付加。オンにしてる間1トンの重量を付加する、なお、付加している時は1トンに耐えられる肉体になる。って1トン?!強すぎるでしょ!」
「へーなんか凄そうだね。こうしたらできるかな?」
日菜さんが立ち上がって少し僕から距離を置いた。
「見といてね。『重量付加』オン」
一瞬、白いオーラが日菜さんの周りを包んだように見えた。
「これで発動してるのかな?では試しに、この木を腕を痛めない程度にパンチ!」
日菜さんがパンチしても何も起こらない。
「いっててて。あれ?私殴り損?」
その瞬間、パンチしたあとの木がばきばきと根元からへし折れる。何羽か鳥が飛んでいくのが見えた。砂埃が舞ったあとあったのは根元近くから折れた大きめの大木一本だけだった。
「「へ?」」
「え〜!?!?!?」
僕は自分が大声を出しているのに気づかなかった。
「このスキル凄!もう1回試してみよーっと次はあそこの木を…」
日菜さんが歩いた瞬間に立っている地面がひび割れ、日菜さんが地面にめり込んだ。驚きの連続に僕は口をパクパクしてしまった。
「あはは、まさか地面にめり込んでしまうとは。ちょっと奏くん引き抜いてくれない?結構めり込んじゃってるみたいで。」
「ふふっ、分かりました。」
僕はその光景をみて唖然とした後少し笑ってしまった。
「なに笑ってるのさ?」
じーと早く助けて欲しそうな目で睨まれた。
「いや、楽しそうだなって。」
僕は日菜さんの両腕を持って持ち上げようとする。
「こんなのなかなか無いからね。この状況を私は私なりに楽しんでるの。ま、職務から開放された反動って感じかな?ってまだ抜けないの?」
「い、いや、重くて上げられないんです。」
持ち上げてもビクともしない。本当に1トンくらいありそうだ。
「ごめんごめん多分スキルのせいだよ。『重量付加』オフ これでどうにかなるかな?」
「あ、はい、さっきよりかなり軽くなりました。よいしょっと。」
日菜さんを穴から出してみると全身泥と草まみれになってた。
「どろどろになっちゃったね。ちょっと洗ってくるよー。」
「あ、僕も。」
「何?一緒に水浴びしたいの?」
「手を洗うだけです!ふざけないでください。」
「ごめんって。」
僕が手を洗い終わって破壊された木をしばらく見ていると日菜さんが服を着て帰ってきた。
「はいパーカー、ありがとうね。」
「どういたしまして。」
「いや〜このスキル凄かったね。使った瞬間力が漲る感じがしたよ。」
「この木を見るからに破壊力はかなりあるっぽいですね。」
木は折れたえんぴつのようになっていた。触ってみてもこれが目の前で折れたのとは信じ難い。
「そういえばさっきスマホと一緒のポケットにこれ入れたら光ってスマホだけになったんだけど、なんだろ?」
「よく驚きませんでしたね。僕なんか初見時すごくびっくりしたのに。取り敢えず触ってみてください。そのスマホ。」
日菜さんのスマホはピンク色の可愛いキャラクターがいっぱい書いてある色になっている。日菜さんは慣れた手つきでスマホを触っている。どうやら異変に気がついたみたいだ。
「私のスマホだけどアプリが使えない!あーかなり課金したのに〜。お金返せ!」
かなり残念そうだ、僕もそうだったし。
「そのスマホに『ステータス』か『アイテムボックス』って言ってみてください。」
僕は日菜さんの持っているスマホを横からのぞき込んだ。
「分かった〜。『ステータス』!」
やけくそ気味にステータスと唱えると日菜さんのステータスが映し出された画面が見える。ここら辺は僕と一緒か。
「ん?じゃあ次は『アイテムボックス』」
アイテムボックスと唱えると僕のスマホのアイテムボックスの表示と一緒の表示がされている。違う点と言えば、アイテムボックス内に何か入ってるように見えることくらいかな。
「え?さっきのスマホもどきの機能が私のスマホに入ってるんだけど!なにこれ?うん、アプリは開けないけど私のスマホだ。」
「どうやらさっきのスマホもどきと日菜さんのスマホが融合して両方扱えるようになってみたいですよ。」
「まじかー。まあいいや。機能ダウンしてるけど。」
「いやいや、日菜さん、僕のスマホ見ててください。」
僕は電源を消してスマホを湖の方にぶん投げた。ポシャっと音がなった。
「奏くんなにしてんの!?あのスマホ絶対壊れたよ。」
「落ち着いてください、僕の手を見ててくださいね。『ステータス』」
ステータスと唱えると次の瞬間僕の手にスマホが戻ってきていた。水が一滴もついていない状態で。うん、ステータスが見れるね。
「すごーい!え、それって私も出来るの?」
「出来ますよ。試して見ます?」
「試す試す!てりゃあ!」
日菜さんが投げたスマホは森の方に飛んで行った。
「この状態でー『アイテムボックス』来い私のスマホ!」
次の瞬間日菜さんの手元にアイテムボックスの画面を開いたスマホが出てきた。
「おおー。融合したおかげか知らないけど、耐衝撃と防水機能と『ステータス』か『アイテムボックス』って言ったら手元に戻って来るようになってるのかな?」
「要約するとそうですね。説明おつかれです。」
「へーまあまあ便利だねぇ。お!しかもカメラと写真のアプリとかは使えるね。よし、奏くん写真撮ろうよ。記念写真。」
「急ですけど、まあいいですよ。」
「よーしタイマーセットして丁度置くのに良さそうな岩にスマホ置いてっと。奏くんこのポーズしてよ。」
日菜さんがするポーズはどっからどう見てもあれだ、ジョジョ立ちってやつだ。知ってるのかな?まあ面白そうだからやろっと。
「こうですか?」
「いいねぇセンスあるよ奏くん。じゃあ私はこのポーズをしとこうかな。世界よ!時よ止まれ!」
「よし面白そうだから僕も、お前は俺を怒らせた!」
僕と日菜さんがかっこよくポーズを決めているのにいつまで経ってもシャッター音がならない。勢いでやったけどすごい恥ずかしい。これ妹が見たらすごい笑いそうだな。
「あのー日菜さん?これちゃんとタイマー設定しました?」
「あれ?してるはずなんだけどなぁ。」
日菜さんが置いてあるスマホを拾いに行くと。「あっ」と日菜さんがいった。
「どうしました?」
「これ、録画だったわ。」
「え?本当?」
「本当だよ。」
「うわああ!消してください!今すぐ!」
僕は顔が熱くなるのが自分でもわかった。
「だが断る。こんな貴重な体験消すわけ無いじゃーん。あははは!お前は俺を怒らせたって。かっこいい台詞言えるじゃん。さては君、知ってるクチだね?」
「茶化すのはやめてください!」
手を伸ばしてスマホを奪い取ろうとしたら、日菜さんが振りかぶってスマホを森の奥にぶん投げた。これじゃあ消せないじゃん。
「そい!」
「あー!何やってんですか!?」
「ステータスって言ったら戻ってくるんでしょ?平気平気。『ステータス』ほら、こんな風に。」
「さっきの動画消します。」
僕が手を伸ばそうとすると日菜さんは自分の胸にスマホを挟んだ。
「これでもとる気?」
「うぐ……はぁ、もういいです。」
「私の戦略勝ちってわけだ。」
「その顔ムカつきます。ドヤ顔やめてください。」
「まあそんなことより。」
「そんなことですかね?」
「そんなことだよ。そろそろ森に行かないか?あまり暗くならないうちに。」
「そうですね、そうしましょうか。」
「ちなみに今の時間は15時弱って所かな。食事や寝床の準備を考えると少し急いだ方が良さそうかも。」
日菜さんはスマホの時間機能を使っているみたいだ。
「あれ?何でそのスマホ時間が分かるんですか?地球は夜でしたよね?」
「なぜか、スマホが融合したときに時間が変わったんだ。深いことは気にしないでおこうよ。」
「まあ、そうですね。じゃあ早く森に行きましょう。」
僕は森に足を踏み入れる。
「この森に危険な動物がいたりしてね。」
「怖い事言わないでください。日菜さん。」
「ごめんごめん。」
日菜さんは謝りながら僕にピッタリと着いてきている。僕は食糧になるものがないか、ゆっくりと森の奥に足を踏み入れていった。
多少変な感じだと思いますが、気にしないで頂けると幸いです。