転校初日2
「ふぅー、ギリギリ間に合ったな」
さて職員室はどこかなと思った矢先、近くに女子生徒がいたので
「あの....職員室ってどこにありますか?」
「そこの角を曲がってもらってすぐの場所にありますよ」
「ありがとう。助かります」
言われた通りに行くと職員室が!
「失礼します。今日からここに転入する事になった高山です」
挨拶を済ませると担任と思わしき先生が近づいてきた。
「話は聞いてるよ俺は脇田京一郎。君の担任だ」
「よろしくお願いします高山博之です」
「じゃ、時間も押してるし早速教室行こうか」
「わかりました」
移動中に先生から
「1限目は転校生紹介って名目の自習になってるからそこんとこよろしく」
「は、はぁ分かりました」
「着いたぞ今日から君のクラスだ」
表札を見上げると1Aの文字が見えた。
「俺が先入って紹介したら、入ってくれる?」
「わかりました」
そう言いつつ先に脇田先生は教室に入っていった。
ドア越しに聞こえる脇田先生の声
「今日から転校生くるぞー、男だから過度な期待するなよー」
「じゃ、入ってきてくれー」
コンコン
担任の言葉と同時に教室のドアを開けた。
入った瞬間騒音が鳴りやみ、クラスの皆が俺に注目しているのがわかる。
「じゃ、簡単に自己紹介よろしく」
先生の一言で自己紹介し始める。
「今日からこのクラスに転校してきました、高山博之と言いますよろしくお願いします」。
俺は自己紹介をしながら窓際席の一番後ろの人物に目を惹かれていた。
綺麗に切り揃えられた黒髪ショート、可愛らしい顔立ちに眼鏡という風貌だ。
(あの子可愛いな...しかもめがねっ子だ!)
ふと周りを見渡すと今朝痴漢男を羽交い絞めにしていたでかい男が
(今朝のお礼を言わないと、タイミングが)
「じゃ、高山の席は、貞治の前の空いてる席な」
ちょうどでかい男の前だ
(あいつ貞治って言うのか)
担任が一言
「今日は2限から体育館で全校生徒服装チェックだからなー」
俺は席に着くなり後ろを振り返りながら礼を言った。
「さっきも自己紹介したけど俺は高山博之、今朝はありがとう、お陰で助かった」。
「気にしなくていい、当然の事をしたまでだ」
「さんきゅー、俺のことは博之って呼んでくれ」
「俺は岡田貞治だ、貞治って呼んでくれたらいい」
「そろそろ移動するぞー」
チャイムがなり担任の一言で皆が移動をし始めた。
歩くと割とすぐ体育館に着いた。
「俺はあっちだから」
そう言うと貞治は別のグループの所に行ってしまった。
(まぁいいか、俺も座らなきゃ)
生徒が全員座ったのを確認してから、マイクを持って現れたのは風紀委員長らしき人物だった。
(どこかで見たことある顔だな...どこだろ)
「今週も服装チェックをします、各風紀委員は各クラスのチェックをお願いします」
と、ここで貞治に会う
「風紀委員だったんだな」
俺のチェックをしながら
「まぁほぼ成り行きでだがな」
なんなく俺のチェックは終わった。
最後に風紀委員長が
「最近また風紀が乱れ始めてますので気を付けて下さい」
と締めくくり全体の服装チェックは終わった。
教室についてからもまだ時間があったのか
担任が
「博之の委員会ちょうど人いなかった保健委員な、まだ時間あるからあやめ案内してやれ」
とここでちょうどチャイムが鳴り始めた。
「じゃ、今日はここまで後は頼むわ」
そう言いつつ担任が教室を出て行ったのを機にクラスメートが動き始めた。
貞治も柔道部があるらしくもういない。
(おいおい、あやめって子誰だよ...)
っと思っていると
「高山君、学校案内するね」
声をかけてくれたのは最初に惹かれためがねっ子だった。
「あ、どうも...」
「じゃあ早速行こっか、最初は保健室からのがいいかな?」
俺の動揺も知らないうちに案内が始まった。