転校初日1
(お、ちょうど電車きた)
(空いてる席もないし立っとくか)
「次は森崎駅~森崎駅お出口は右側になります」
人が沢山乗ってきた
その流れで同じ制服を着た女子生徒が隣にやってきた。
(やべ、めがねっ子が隣に.....)
ふと気づくと電車は満員近くになっていた。
(後一駅で高校かと思った矢先に違和感に気づく)
隣の女子がスカートの上からお尻を触られていた。痴漢だ。
女子が嫌そうに手を払いのけようとしているが満員のせいか上手くいってない。
(助けないと...でも俺関係ないし...)
と思うと同時に勝手に手が動いていた。
「あ、あのやめた方がいいですよ?」
「なんだと、てめぇ! 俺がなにしたって言うんだ!」
「今この子に痴漢してましたよね?」
「俺も見てたぞ」
満員電車の隙間をかいくぐりながら男が出てきた。
(デカい男だ、しかも同じ制服を着ている事から高校生と分かる)
「次は山川駅~山川駅お出口は左側になります」
「ちょうど駅に着いたので降りて下さい」
気づくとデカい男が痴漢男を羽交い絞めにしていた。
俺と女の子、痴漢男とデカい男が降りた。
俺が女の子を手でかばいながら声をかけた。
「大丈夫ですか? 直ぐ駅員さん来ると思うので」
「は、はい大丈夫です、ありがとうございます」
その間もデカい男が痴漢男を見張ってくれていた。
駅員さんが到着
「あの男がこの子の事を痴漢していました」
「俺も見ていたから間違いない」
駅員さんも俺たちの話を聞いて痴漢男を連れていった。
「本当に助かりました、ありがとうございます」
こちらが声をかける間もなく小走りで学校へと向かっていった。
気づくとさっきまでいたデカい男もいなくなっていた。
(朝から痴漢騒動に巻き込まれるなんて思わなかった...)
ふと時計を見ると時間がやばかった
「や、やべ遅刻しそうだ!」
俺は急いで学校へ向かった。