財布(200文字小説)
大金の入った財布を手にした者のお話です。
200文字小説です。
私は財布を持っている。
初めは大金が入っていたけれど、定期的に支払い義務があって少しずつだが減っていった。
使った分だけ、何かを得た。
運動することに使った。
勉強にはかなりの金額を使った。
恋の悩みにも相当使ってしまった。
仕事をするときにもいっぱい投資した。
家庭ができ、子供が生まれ、その子も大きくなった。
あれ? 気がつけば底をつきそう。
そうか、もうそろそろ支払えなくなるんだ。
まあ、いい買い物ができた、かな。
最近涙腺が緩いのか、書いた後に少しうるっとしてしまいました。
私も弱くなりましたね……。