馬の~
馬の耳に念仏
馬耳東風
まさにそれしかいえねー。
おーのーれー。
「言いましたよね?隊長」
「えー?何をー?」
しれーっとしらばっくれる隊長に対して、こめかみに青筋がうっすらと浮かびだしていた。
「仕事してくださいと」
いや、副隊長が、ストレスためる位、難解を示していたんだから、分かっていたことなのだが、こうも、隊長という、肩書が似合わないほどの、横暴さというか、よく言えばマイペース。
悪く言えば、自分勝手の脳筋馬鹿(←ここ重要!悪意を込めました!)
実際、戦地や、外に出た時の指揮と、腕前は一目置くほどらしいのだが、今ここにいる隊長を見る限りでは、そんなものはみじんも感じないほどに、だらーっとして、やる気のかけらもない。
しかも、この間の、戦闘すら、なかったほどのやる気なさ。
まあ、戦闘されること考えたら、何もしないでくれたほうが、書類が散らばることも、備品が壊れることもないのでいいんだが・・・。
いいんだが!
だが、しかし、おとなしくしてくれないのがこの脳筋馬鹿隊長なのだ。
あっちにふらふら~、こっちにふらふら~しては、熱血ファイトを誰彼かまわず吹っかけていた。
副隊長とともに自分の装備品(分厚い本で)戦闘不能にして回収するのが大変だった。
ほっんとうに!仕事進まなくて往生したよ!
この間の説教少々は、あまり効を奏しなかったようだ。
団員のミチ先輩は、全身が震えて止まらなかったようだが。
え?全然何もやってませんが?
そんな恐怖するような事まったくもってやってませんよ?
ほ、ほんとうですよ?
う、嘘じゃないですよ?・・・てへッ。
隊長はやはり年の功という事か、死線の数が違うのだろう。
・・・。っち。脳筋馬鹿ヤロウ!
おっと、失礼!
けど、わかってほしい、そう叫びたくなる気持ち!
けど、叫んでないよ?心で、憎々しげに叫んでるだけで!
色々と他の方法を考えないとなあ・・・と思案する。
「なあ、なあ~。チェリー~」
「なんですか?隊長?」
っち、話する暇あったら仕事しろよ!
ていうかさあ、あんた判子押すだけでいいだろうがっ!
内容は副隊長が殆ど、やってくれているんだから!
「チェリー~そうだ!今から、あそばね?てか、あそぼう!そうしよう!町に繰り出すぞ!やっほい!」
「・・・。・・・は?」
いや、この人、何いってんの?
何、言っちゃってんのかな!?
頭のねじ吹っ飛んでんのかこの人!?
いや、吹っ飛んでるねこれは確実に!
こっち、必死に書類整理しているし、よく考えてみようよ!
今、勤務時間中。
そんなの言わなくてもわかるだろうが!
それとも、分からないのか?!
え?マジで分からないのか!?!?
のーきーんめー!!
脳筋馬鹿隊長め~!
なんだか、不穏な空気を感じ取ったのか、マリエーロが、割り込むようにして声をかけてきた。
「あ、もう、こんな時間だよ!チェリー!そ、そうだ!食事に行こう!!」
「ええ?もう、そんな時間ですか・・・?」
「そ、そうだよ!!ここの食堂来たことないよね?」
「はい、ありませんが・・・?」
「おいしいんだよ!!」
そう言いながら、抱える様に引っ張って行った。
というか、腕に抱っこされて連れていかれた。
後ろでは、隊長が、舌打ちして
『ちっ残念。子供がいれば、女性ナンパし放題だったのにさあ~』
などと言っている。
『そんなこと誰がさせるかー!!』
マリエーロが隊長に向かって憤慨したように言いながら、部屋から出た。
それにしても、隊長は何ってことを考えているんだ?
あれか?あれ!子供に優しいアピールでもしたいのか!?
た、確かに、何故か、子供に優しい男性はモテる。
ちなみに、女性でも同じようにいえるが。
子供にやさしいところを見ると、胸キュンとするのは、分からなくはないが・・・。
分からなくはないのだが・・・、あの脳筋隊長に出しに使われるのは気に食わない。
とういうか、心底、むーかーつーく!
まあ、それは置いておいて、(おいておかないと、永遠と呪言をとなえそうなので)この状態は歩かなくていいから楽でいいのだけれど・・・。
なんだか、副隊長様を扱き使っているようで申し訳ないんです。
マリエーロを見ると、どこか、嬉しそうに腕の中に抱えている。
「・・・。・・・」
マリエーロの嬉々とした様子に何も言うまいと、大人しく、腕の中に納まった。
絶対、子供が好きなんだろうと・・・。
脳筋隊長のあの似非子供好きとは正反対に。
本気で子供好きだ。
これならモテモテだろうけど、はたしてマリエ―ロは、真実、女性の方にモテるのだろうか。
なんだかんだと、いつも隊長が良い所、横取りしてそうだ・・・。
かわいそうだ・・・。
ほろりと目から汗が出そうだ・・・。
大丈夫だよ!副隊長!その内、いい人見つけて仲を取り持つからね!!
そんな本当に、よけいな事を考えながら、案内されつつ食堂につくと、石造りの床に下ろされた。
楽でよかったが、やっぱりどこか肩が凝って、きづかれないようにため息を吐いた。
若干疲れたのはマリエーロには内緒だった。
マリエーロが食堂のシステムを丁寧にかつ簡潔に説明しながら、木製のカウンターの前につきながら、食べ物をよそってもらっていると、
「副隊長、誰と話しているんですかい?」
厨房の方から、不審そうな目で見てくる。
「え?」
そんな様子にマリエーロは、首をかしげながら、そして、横を向く。
カウンターからは見えない程の小さなチェリー。
やっと手がカウンター内に届くという具合だ。
「・・・。・・・」
マリエーロが口元を抑えながら
「ごめんッ!気づかなかった!届かないよね!!」
「ええまあ、けど、つま先立ちすれば届きますから」
隣で、笑い(悶える)を必死で抑えているマリエーロをちらりと見ながら、おかずを入れてもらう。
まあ、子供という定義で言うならかわいいんだが、果たして自分に当てはめるのはあっているのだろうか?
なんだかなー・・・。
「おや、おや、小さな子が一緒でしたか副隊長」
「ああ、はい」
「副隊長の子ですかい?」
からかいながら厨房のおじさんは聞いてくる。
好奇心がいっぱいという感じで。
「ははは、そんなわけないじゃないですか~」
マリエーロがまんざらでもない様子で言っている。
「そうなんですかい?」
「そうなんですよ~。実はこの子はですね~」
そう言おうとしたら、
「副隊長、薔薇(第一騎士)の所の隊長が呼んでいましたよ?」
騎士団の一人がマリエーロに声をかけてきた。
「げ、本当?」
「ええ、なんか緊急のようでしたが?」
若干眉宇を潜めたマリエーロが
「隊長、執務室にいるはずなのに?」
「ああ隊長なら、薔薇んとこの副隊長にケンカ吹っかけて、話にならない様子でしたよ」
げんなりした様子で言った言葉に
「はあぁぁあ?」
何やってんのあのバカって、マリエーロが毒を吐きながら頭を抱えている。
マリエーロにしては口の悪い言い方に、隊長の日ごろの行いがうかがえた。
まあ、当然の扱いだ。
あの脳筋隊長だし~。
「ああ、ごめんけど、チェリー。ちょっと席外すけど、先に食べていいからね!」
マリエーロの顔が若干、行きたくなさそうな表情をしたが、躊躇している暇はないのだろう。
あの脳筋だし・・・。
「はい、わかりました」
「あ、ミチ!」
「なんっすか?副隊長?」
「チェリーに分からない事教えてあげて!食堂初めてだから!」
そういって、マリエーロは走って行った。
顔が若干青ざめていた。
また、あの脳筋隊長が何かやらかしたのだろう。
いろんな意味で副隊長はだいじょうぶだろうか・・・。
それにしても、良くも悪くも問題ばかり起こす隊長らしい。
まったく、良くはないが・・・。
めんどくせーよ。まじで。
そんなことを考えていたら、横から不満をためたような声が聞こえてきた。
「まじっすか・・・。・・・。・・・。・・・」
そっと、ミチが、チェリーを見る。
その顔は、青ざめていた。
そんな様子も気にした様もなく、チェリーは
「よろしくお願いします。ミチ先輩」
「ひぃー!!」
普通に愛想笑いをしただけなのに、何たる怯えよう。
失礼である。
まあ、しょうがない、先日の件があるので、しょうがないだろう。
そんなに、恐怖は植えつけてない筈だよ~、なのにね・・・?
「・・・。・・・」
一向に、動こうとしないミチに対して、自分は、早々に、近くのテーブルに座る。
いつまでも、立ったままでいるのは、はっきり言って、時間がもったいない。
最初に比べたらかなり減ったが、それでも元の量が半端ないので、あの書類の山をどうにか減らさないと、今後の勤務が労働基準法(前世)に違反してしまう。
この身体はまだまだ、成長途中。
しっかり休まないと今後の成長過程にひびいてくるのだ。
男性になったままなら、ちびのままはいやです!
なので、ミチの内情なんてお構いなしに
「ミチ先輩、食事しませんか?」
とりあえず、聞いてみると
「え?ああ!!そ、そうだな!タ、タベルゾ・・・!」
若干ぎこちなさそうに、動きながら、空いている席に着いた。
無言で食事をしていると、周りからの奇異の視線が、まとわりついてくる。
ミチ先輩は額から、何故か汗が大量に噴出していた。
そんなに自分が怖いかと内心思いながらも、声に出して尋ねることはしない。
だって、面倒くさしいし。
それにしても、周りの視線がうっとうしい。
食事くらい、ゆっくりしたいものだが、まあ、こんな所に子供がいるのだから、不審に思うのは当然の事だろう。
『あれ、って例の奴じゃねーか?』
『えー?なんでここに子供―?』
『誰かの隠し子か?隊長とか!ついにやっちまったか!ははは!ざまあねーな!』
『まあ、隊長はいてもおかしくないわな』
『ああ、あれ、騎士団入ったっていう子供だろう?にしても、子供というより幼児じゃねーか?』
『うわー、あんなんで、仕事できんのか?』
『俺らができねーのに、あんな米粒見てーな餓鬼ができるわけねーべ』
『けど、文官試験軽く通過したらしいぞ?』
『てか、コネじゃねーのかよ。どう見ても無理だろう?うちの子供と同じくらいだろうが、うちのガキ、鼻水垂らして、馬振り回してたぞ?』
『平民らしい。だから、まあ、こっちに配属になったんだろうがな』
『先日、隊長とミチを伸したって本当かよ。噂が過剰に盛り込まれたんだろうな』
『まあ、面白おかしくするのが噂だからな!』
若干普通に考えておかしい内容もあったが、あえてスルーすることにする。
たまにおかしい人間像がいたりするがそれもスルーすることにする。
米粒は書類整理なんてできません。擬人化しない限り!
お、怒ってなんてないんだからね!小さいって言われて!幼児だもん、しょ、しょうがないよ!!
そんなことを考えながら表面上静かに食べていると、
「なんで、子供なんかがいるんだ!」
「そうだね・・・」
「ここは子供が遊ぶところじゃないんだぞ!どういうつもりだ!!」
「んー」
「何とも言えない、餓鬼の乳臭さが漂っていますね~いやだ、いやだ」
「んー・・・」
「まったく、一体どういった教育を受けたるんだ!これだから、平民はっ!」
「・・・」
「というか、お前は、はっきり返答しろ!最後声出すのも億劫になってるじゃねーか!」
今までのはどこか物珍しさが前面に出た遠巻きな話だったが、明らかに、直接、チェリーに対して悪意のある険のある言葉が放たれた。
途中から、内輪もめしていたが。
それを聞いた瞬間、周りの雰囲気もどこか悪い雰囲気が漂ったような気がした。
今言った人物たちは、あまり芳しく思われていなかったりするのだろう。
誰かが、またか・・・などと言っている。
子供相手にもあの態度かよと言っている。
貴族だからって、あれはねーな、と。
その騎士たちは誰にでも絡んでくるのかもしれない。
めんどくさい小者騎士という事だろう。
厄介なのが、タカピーなお貴族さまというのかもしれない。
態度がでかそうだし。
典型的にできない人間のしかも、プライドだけは人一倍で、身分が下の者は見下すという何ともいやな性格をしているのかもしれない。
あくまでかもしれないが、しかし、
めんどくせー・・・。
と感じながら、食事をしていく。
内心はどうしたものだろうかと思案する。
そうすると、その小者騎士たちは確実にチェリーの座る場所に向かって近づいてきていた。
手には昼食のトレーを持っていた。
しかも他のものより水分がやけに多い。
「・・・。・・・。・・」
あきらかに、あれをかぶせようとしているような気がするいや、するつもりだろう。
顔がにやにやといやらしい笑いを浮かべている。
なんで、こんな子供にわざわざかかわろうとしているんだろうかと、思うが、それは、色々と、自分より立場でも、身体的にも弱い者に、ちょっかい出して、自分が優位に立ちたいのかもしれない。それならそうで、
サイテーな人間だなと、きづかれないように嘆息する。
まあ、それで、あの水分を、正直にかぶってやるほどお人よしではないが・・・。
そう、思いながら、食事を口に運び、小者騎士達を目端に追っていく。
まあ、ある意味予定調和な感じの行動だな・・・などと思う。
自分は全く、主人公になるほど熱血はしてないけれど。
まあ、結果からしては、小者騎士達の惨敗ってところで。
なんで、あんなに分かりやすい事をするかなあ・・・と思う。
ちなみにかぼちゃスープぽいものをかぶったのはミチ先輩でした。
ご愁傷様です。
自分は華麗にさけました。
ごめんね。てへッ。
一応内心で謝っておきますがね。
「ふっざけんなくそ、グイル!」
「お前がそんなところにいるのが悪いんだ!」
「わあ、ぷっ!ミチ君、君ドン臭いですね―!」
「はあ?なんだそれ!ぶっかけといて、まずは謝罪だろうが!!」
「子供、どっかに言った・・・」
一人、ぼーっとしながら、チェリーを見ている。
それに、少し眉宇を潜めながら、ミチ先輩に少々、謝罪を心の中でしてみる。
今のあの状態の中には入りたくない。
ちなみに、自分は食事の食器を片しに行きました。
この低身長を生かして、すんなりすり抜けることができました。
後ろでは、ミチ先輩と小者騎士達が言い争っていた。
少々それが続くとミチ先輩と、小者騎士達が乱闘を始めそうな雰囲気をかもしだした。
ちなみに、他の騎士達も、悪乗りして、食器を投げている。
まあ、投げても壊れないような食器みたいだ(多分、何度も壊れて、壊れない物にかえられたのだろう・・・)が、他の備品ははそうとはいかないので、やっぱりここは、備品を壊されたら、経費が減るので周りも牽制する意味も込めて
「ミチ先輩、食堂の事教えてもらってありがとうございました。そう言えば、ミチ先輩、備品は、壊れやすい・・・ですよね・・・。そうそう、ですから先輩達も気をつけてくださいね」
そう、にっこりと笑ったら、ミチ先輩の他に何人か、顔を青くした人物達もいた。
いたんだけど・・・ちょっと納得できないんですが?
小者騎士の一人は、それを見て憎々しそうに舌打ちをして、ミチ先輩に何かまだ憤慨したように言っている。
さっきのチェリーの言葉で早々に、戦意喪失したミチ先輩に対してその小物騎士は『かかってこいよ!かかってこれないのか!?あんな子供に言われた位で!情けないぞ!ミチ!弱虫っー毛虫がっ!!』なんて言っている。
何処の小学生かよ!?
結構な血の気の多い方のようです。
まあ、騎士団は全体的に血の気が多いのでしょうが・・・。
それにしても周りがそんなに顔を青くする程、自分の顔はひどいのだろうか?
失礼だよ!まったく!
確かにメガネが反射して不気味かもしれないけど、こんな子供に近い幼児が、言っているだけなのに、なんでかな?
それとも、なんか恐ろしさがにじみ出ているのだろうか?
本当に失礼な!
自分としては、いたって普通にしているだけなんだけれど。
いや、他から見た姿を想像してみよう。
子供に近い幼児がいる。
大人顔負けの言葉づかいをする。
文官試験に受かったとする。
騎士団(大人だらけ)の場所に平然といる。
なかなか結構な噂がある。
メガネをかけて、表情があまり分からない。
口元だけがニヒルに笑っているように見える。
メガネは反射している。
「・・・。・・・。・・・」
こりゃねーわ。
自分があの大人の中にいても、ちょっと引いてしまうかもしれない。
ちょっと、落ち込んでみた。
一体自分は、どこを目指しているのだろうか。
遠い目・・・。
転生。
確かにした。
生まれてすぐ一度それを自覚して、けれど、すぐにそれも忘れて、幼児としてすごし、教育を受け、適応能力にて何とか生き延びるための力が身についた。
そして、また、再び前世の記憶が戻った。
確かにあのまま、記憶があったら、ここまでの力を身に着けることができたかと言われたら、それは無理だったと思う。
何もないまっさらな状態に叩き込んだから、身体能力も頭脳も身についたと思う。
そう考えれば、前世の記憶とはなんだろうと感じてしまう。
別にあのまま記憶を戻らなくても、いいようなきがして、ふと思う。
どんなに、超人じみた身体や頭脳を手に入れても、幼児のままの何も経験していない考えだったら、生きていられなかったかもしれない。
子供なのだ。
そう、子供なのだ。
どんなに力があろうが、本来なら、親が恋しくて、一人では生きていけない。
子供なのだ。
力を利用されたかもしれないし、いいように使われる、他から見たら化け物と呼ばれるものだったかもしれない。
それがどうしても、理解できない、割り切れない子供だったかも知れない。
大人の知識と経験、考え方があるだけでかなり違うんだと改めて、感じた。
「・・・。・・・」
何とも言えない感情が心中で渦巻いていた。
食堂を出ていくと、食堂の方から、再び喧騒がチェリーの耳に響いてくる。
ミチ先輩と小者騎士達がまた言い争っている。
それにつられるように騎士達もなんだか再度騒きだしている。
見えなくなったら速攻でこれか・・・。
っち!
舌打ちしたくなる気持ちもわかってほしい!
何たる鳥頭達。
おーのーれー。
さっき言った言葉など5秒で忘れるのか!?
それ何!?
あの脳筋馬鹿隊長といっしょじゃん!
あれが、何人いるんだ!?
ちょっと待ってくれよ!
いや、わかっていたことだけどね、わかっていたことなんだけどね!!
勘弁してくれよっと言いたいよ!!
騎士達はそれほど、チェリーの事が怖くないのだろう。
見た目だけなら、幼児だしね。
よくよく考えてみると、確かに、ちょっと、不気味な子供だけど、こんな幼児にを恐怖するほうがおかしいかもね。
と、自分に言い聞かせてみる。
だから、顔青くした人は気のせいだよね~。
まあ、騎士団だし、それなりに、腕っぷしのよろしい方もいるだろうし、それなりに、死線わたってきている方もいるだろうしさあ。
まあ、まだ、本格的に力を示したわけではないし、信頼も何も得ていない。
けれど、色々考える。
もし、力があると知ったら周りはどういう反応をするのか・・・と。
恐怖されるのか、避けられるのか。受け入れられるのか・・・。
わからない。
まあ、向こうだってこっちの事をわからないのだから、こっちだってわからない。
今は内勤をしていられるが、本格的に力があると分かったら、外での仕事(騎士)としての仕事をさせられるだろうかと・・・。
など、色々と考え出して不安になる。
不安になるんだが、そんな悩みも、もう遅いよーって、誰かが頭の隅で嘲笑っていた。
それとともに、やっちゃえよー!
と訴えかけてくる。
ううううぅぅぅどうしよう、本格的に黒い自分が・・・っ!
さあ、まわれ右して、躾をしちゃえ☆
それに従いそうになるあの熱血戦闘狂の血が!教育が!洗脳が・・・!!?だ、誰かっと、止めてー!!
更新がゆっくりで申し訳ございません。
読んでくださりありがとうございました。