山本5
のん・あるこ〜る 第9話
山本5
「明日舞子の誕生日なんだ。」
僕とハルは毎週行きつけである大学のカフェでいつものように昼食をとっている。
「あぁ、そうだったな。」
「え?ハルに言ってたっけ?」僕は少し驚いて聞いた。
「あ、いや・・ただの勘だけど。」
「なんだそれ。」
「てかさ、プレゼントやっぱこの前決めたやつにするの?」
「あ、うん。そのつもり。」
先週ここでハルと散々話し合って決めたものだし
何より女の子にプレゼントなんてしたことのない僕は
他にいいものが浮かばなかった。
「じゃあまだ買ってないの?」
「うん、まだだよ。今日買いにいくつもり。
そこでさハル君。そのことでちょっと頼みがあるんですが。」
そう僕が言うなりハルは「やれやれ」とあきれたようにため息をついた。
「はいはい。じゃあ授業後正門前に集合な。」
「とりあえずはこれで大丈夫そうだな。」
「うん。あとは今、あれに二人のイニシャルを彫ってもらってるから
ちょっとここで時間つぶしして受け取りにいけばオッケーだね。」
僕はプレゼントを買いに来たパルコの二階のカフェで
ハルとコーヒーを飲んでいる。
「今日はホントありがとな。ついてきてもらって。」
「いいって。俺も山本とこうやって学校以外でも会ってみたかったし。」
ハルがそんなことを言ったので僕は驚いた。
そして何より照れてしまった。
「な・なんだよいきなりそんな。」
「山本君。これからも仲良くしような。」
「は?どういう意味だよ。」
しかしハルは答えず笑ってとぼけるばかりだった。
その時僕のケータイがなった。
ディスプレイには舞子の名前が写っている。
「はい、もしも・・・」
「助けて!!」
いきなり電話の向こうから舞子の叫び声が僕の耳に飛び込んできた。
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