山本4
のん・あるこ〜る 第7話
山本4
「なんか今日は機嫌よさそうだな。」
ハルがニヤけながら僕の顔をのぞいた。
「まぁね。でもこれでも余り寝てないんだけどね。」
「あらぁ、問題発言。ご盛んなことで。」
「違うよ。ちゃんと昨日も一人で寝ました。」
「でも、舞子さんのことでしょ?」
そこで僕の目を見て「やっぱね。」とハルは笑った。
「山本はわかりやすすぎ。」
「そうかな。でもまぁ今日くらいはのろけ話でも聞いておくれよハル君。」
「『今日も』の間違いだろ。」
と言いながらも彼は決して食いついて聞くわけではないけど
心地よいほどにテンポのよい相槌をうちつつ
僕の昨夜の舞子との電話話に笑顔で耳を傾けた。
「本当に真面目な娘だな舞子さんって。」
一通り僕の話を聞いたハルはすべての感想として
いつか言ったような台詞をはいた。
まぁ自分の大事な人を褒められるのは何度聞いても悪い気はしないものだ。
「お兄ちゃんに感謝しなきゃな。」
「お兄ちゃん?」
そこでハルは少し驚いたような表情をして聞いた。
「うん。僕も始めて聞いたけどいるらしいんだ。
なんでもそのお兄ちゃんの昔の恋人を反面教師にしてるんだって。
ワリカンにこだわる理由がわかったよ。でも舞子らしいな。」
そう言うとハルは少し宙のどこかに視線を固定しながら口の前で手を組んだ。
「なるほど・・・ね。」
「うん。でもプレゼントはいいって言わせたから
今度の舞子の誕生日には頑張っていいものをあげようと計画中。」
「日ごろの節約を全部当てたら相当なものが買えるな。」
「そうなんだ。う〜ん、ハルは何がいいと思う?」
そう言うとぷぷっと笑ってハルは言った。
「山本は何か女の子みたいだな。恋の相談とかのろけ話とか。
普段はすっげー大人なのにな。なんかおもしろい。」
ハルはそう言うとまた笑った。
「う〜ん。なんでだろうな。確かに自分でも恥ずかしいな。・・・でも。
ほんと何でかはわからないけどハルにはなんか話したくなるって言うか・・・。
話しといた方がいい気がするんだよね。」
そういうと僕をじっと見つめるとニコッとしてハルは言った。
「やっぱお前はいい勘してるよ。」
「え?」
「いや、なんでもない。でプレゼントの話だったよな。」
そして僕とハルは次の授業そっちのけで
舞子へのプレゼントを何にするか話し合った。
ご愛読本当にありがとうございました。
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