神なんて飾りです!それが偉い人には分からんのです!
この作品は、自己満の為に中学二年生の時から授業中コツコツ書き貯めていた作品ですので、廚二病全開でございます。誤字もあります。
あ、あと評価してもらえると幸いです。
覚悟して生暖かい眼でみて下さい。
序章 スピリット オブ キングダム
私の名はクイーン。
唐突で申し訳ないが、私は神…と、言っても時や次元、奇跡を操れる程度の能力を持った生命体なのだが。
私はゲームが好きだ。
特に人間のするオンラインゲームだ。
何?神がゲームをしているなんておかしいって?
…………まぁ良い…ここで一つ話をしよう。
「クイーンさん!やっと出ましたね!!」
平均的な身長の男の子が私を見上げている。
彼の名前は霧谷紀零。
私が少し前にプレイしていたオンラインゲームで知り合った子だ。
なかなかのリーダーシップの才能を持っている。
「ああ、このソフトを買うのに五時間も並ばされるとは思ってもいなかったがね。」
そう言って、肩を竦ませる。
「しかたないですよ〜、このゲーム”飛べる”んですから。」
そう、今回のゲームは”飛べる”のだ。
”イマジナリーハート”と呼ばれるヘルメットタイプのゲーム機で、どういう仕組みか分からないがプレイヤーをゲーム世界に連れて行ってくれる。
噂によると、魂に直接干渉しているのではないかと言う。
そして、今回新発売で目玉商品の〈スピリットオブキングダム〉は、自分が妖精又は精霊となって世界樹の頂点にあると言う、”神々の玉座”を目指すのが目的らしい。
自分が妖精又は以下略だけあって、羽を使って飛べるらしいのだ。
ただし、シナリオはハッキリ言ってたどり着いてしまったら一体どうするのか?と考えてしまうし、筋書きが酷くありきたりすぎて心配している。
「そうだな…だが私はリアルでもドラ◯ンボ◯ルの孫◯空やクリ◯ンみたく空を飛べるがね。」
私は紀零君に対して不敵に笑う。
そう、彼は私の正体を知る数少ない人間の一人なのだ。
「ウラヤマシイデスヨ〜…恨めしい…」
「そんな恨めしそうな顔しないほしいなぁ」
私は紀零君を家に送ってから俗に天界と呼ばれるマイホームに戻り、雑務や仕事を下級神や天使に押し付けてサッサと”イマジナリーハート”をかぶった。
眼を瞑ると体から力が抜けて行き、気がつくと白い空間に立っていて、急に目前に『START』の文字が浮かんで来た。
『START』が消えてアカウント作成画面に移る。
とりあえず名前の欄に安定の『クイーン』と打ち込み、性別の項目に移動する。
しかし、困った事に私には性別の概念が存在しないのでハラハラドキドキしていた。
頭の中で画面が切り替わり唖然とする。
性別が男、女ではなく…”神”としかなかったのだ!
もはや、接待された気分だ。
しかも酷い事にキャラクタークリエイトの画面に移ると全部自分と同じな物ばかりであった。
自分と同じ顔(しかない)、自分と同じ声(しかない)…
ゲームの神様が気を使ってくれたのだと思うが、もはやここまで来るといじめである。
あれ?眼から汗が…
これはもう最後の種族選択に期待するしかない!!
そう思って最後の画面に突入した。
眼に飛び込んで来た光景は!!!
神
ですよねーーーーーーーーっっっ!!!!!!!!!
予想はしていたさ…そう、予想はしていたのだよ………最後の希望なんてはなから存在を許されていないのだよ……あぁ…また眼から汗が………天界の究極神である私をここまで追いつめるとは……ゲームの神様恐ろしい子!
半ばやけくそ気味に『OK』を押す。
三秒後、景色が爆散した。
その瞬間、急に猛烈な落下感覚にみまわれた。途方もない暗闇の中を果てしなく落下し続けていく。
「うおおおおぉぉぉぉぉおぉぉお…………」
私の叫びが暗黒の虚空に吸収され、消えて行った。
次は、遂に戦闘シーンか?