episode2【あれ?目が悪くなったのかな?見知った顔が勢揃いしてない?】
すべての物語には主人公が必要である。
だが、それと同時にすべての物語には主人公の魅力を最大限に引き立たせる脇役も必要である。これは当たり前ではあるが、当たり前すぎてみな忘れがちのことである。
例えばシンデレラ。この話では主人公のシンデレラを引き立たせる魔女という存在がいた。例えば眠れる森の美女。この話では主人公を引き立たせる七人の小人がいた。
このようにすべての物語には必ず主人公の魅力を最大限に引き立たせる脇役が付き物である。だがみなはご存知だろうか?脇役にも1人1人物語があることを。
そしてその物語の末、主人公と出会い。主人公を引き立たせる最高の脇役へと昇華していることを。
そう。すべての物語には主人公、脇役がいる。だが忘れてはいけないのは主人公がいて脇役がいて。そして、その2人が出会う【出会い】があることを。
〜4月20日・PM13'52〜
聖side
「ちわ〜。何でも屋ホーリー。ただいま参上いたしました〜」
「理事長室にノックもなしに入るとは相変わらず失礼極まりないガキさね」
む。まさか俺の柔らかくて相手に好感を持てる挨拶に対してその対応か。手厳しいな…。
まぁ。それはともかくとして…。
「やっほー♪遅かったねセイ君ア〜ンド凉君♪」
「遅いのよあんた達。あたし達がいったい何分待ったと思ってんの?」
「…フー。遅かったな我が弟。待ちくたびれてタバコ三本目だぞ?」
「先輩。学校内は禁煙ですよ?あ。聖君に凉君元気にしてた?」
「まったく遅いですよ2人とも。授業なら遅刻ですからね?」
「……………」
「あん?なんさねか?なんか文句があるさねか?」
…あれ?おっかしいな〜。この状況はいったいなんなんだ?
俺は目の前で起こった出来事に固まってしまう。はっはっはっはっ!!最早笑うこともできねーよ?じゃあそういうことで…。
――ガチャンッ!!
「…ふぅ。あれ?目が悪くなったのかな?見知った顔が勢揃いしてない?そんなわけないよな〜」
「…聖。現実逃避して理事長室のドアを閉めたくなるのも分かりますけど…さっきの映像は真実です」
な…な…んだ…と?
「ははは。うっそだ〜だって生徒会長の俺の幼馴染にさっき別れた学校1の情報通、それに俺達の担任に何も喋らず俺達を睨んでた風紀委員長はともかくとしてさ。何で兄貴やその刑事仲間の葵ねぇちゃんまでいたんだ?これが現実なわけあるだろうか?いや!!現実なわけない!!断じてない!!」
「この間授業で習った反語表現を使うのは別に構いませんけど…後ろいいんですか?」
「後ろ…?」
凉が指さす先。それは俺の真後ろ。つまりさっき俺が閉めたばかりの理事長室へと続くヘブンズドア…のはずだけど。
だってさっきの映像は俺の幻想だもんな〜そうに決まってるよな〜
「綾瀬川聖。皆待ってるんださっさと入らんか!!」
振り返ったら。鬼と化した風紀委員長【平等院鞘】さんがいました。
「…ヘイ!!グッドモーニング!!ハウドゥーユードゥ?」
「ふざけてるのか?しばき倒すぞ!?」
「…すみませんでした」
――あん?男として情けなくないかって?だって仕方ないじゃん!!ただでさえ大和撫子の美人が目をつり上げて「しばき倒すぞ!?」だぜ?迫力ありすぎ!?
俺はただただ廊下に土下座するしかなかった。
「…何のまねだ?」
「せめてもの誠意を現そうと思いまして…」
「うむ。その心意気はよし。だがもう少し別の方法はなかったのか?」
「これ以外思いつきませんでした…どうか!!どうかお許しください!!」
「…まぁ別にいいんだけどな」
「ありがとうございます!!」
お許しが出たところで俺は勢いよく顔を上げた。いや〜実は正座は案外苦手で…早くこの体制からもどりたいと思ってたところだったんだ。
これでやっと脚をくずすことができ…る…。
「ん?どうかしたのか?綾瀬川聖?顔が赤いぞ?」
俺が顔を上げた先。そこには桃源郷が広がっていた。な…何を言ってるか分からないかもしれないがこれだけは言っておこうと思う。では――
「青と白のシマシマとはまた子供じみた…ブハッ!?」
その瞬間。俺の視界は暗転した。だが最後に見えた映像…あれはなんだったのだろう?
ニコニコと愛らしい笑顔をしながら拳を握りしめる我が幼馴染の湊。理事長室の棚、そこにあった何かの優勝カップを持って投球体制に入っていた杏。そして俺の目の前で鬼の形相をしながらいきなり木刀を取り出した風紀委員長――
あれは…現実だったのだろうか?
「すみません聖。無力な僕を許してください。ですがこれだけは言っておきます。あなたが見たもの…それは全て現実です」
…あ〜そうだったの。ありがとう凉。おかげで心置きなく逝くことができる。さようなら〜。
「ズベシッ!!!???」
俺の記憶はそこで途切れていた…。
――――――――
――――――
―――
―
「…で。ロリっ娘。今回は何の依頼で俺を呼んだんだ?」
「…あんた。本当に大丈夫さねか?」
「気にすんな。これくらい舐めてけばなおるから」
「とてもそうは思えないさねがね…」
どうも。現在理事長室のど真ん中で正座させられてる綾瀬川聖です。
ちなみに左横には俺に木刀を突きつける風紀委員長の平等院鞘さん。
右横には指でピストルをつくり俺につきつけ、いつでも電撃が放てる状態の成瀬杏さん。
そして後ろからはトゲだらけの弦の鞭を俺の体に巻き付けてる俺の幼馴染けんアイドル生徒会長の白草奏さん。
う〜ん。これが男の子の憧れのハーレムなるものなのだろうか?学園の三代美女を右に左に後ろに引き連れてるのにまったくうれしくないのはなんでだろう?
これが噂の吊り橋効果ってやつなのか?なんか違う気がするけどな…。
「まぁいっか!!」
「何に納得したかは知らないさねが依頼の話に入っていいさねか?」
「あ〜…おほん。いいでせよ理事長。今回の依頼はヤバい話らしいですからね…」
「わかったさね。じゃあとりあえず依頼の内容だがね――」
「待ってください理事長」
「…何さねか。そう簡単にポキポキ話を折らないでほしいさね」
理事長の八神蓮の話を折った犯人。それは俺の左隣の彼女だった。
風紀委員長【平等院鞘】理事長の話を折った彼女はそのまま理事長とは別方向を睨みつける。俺ではない湊や杏も違う。無論刑事の兄貴、葵ねぇちゃんや俺達の担任の藍先生でもない。
彼女の視線の先。そこにいるのは――
「【東雲凉】なぜ貴様のような不良がこのような場にいる?」
「……」
彼女の目線の先。そこにいたのは俺の親友にして街一番の不良と呼ばれている少年【東雲凉】
確かに風紀委員長の身からしてみれば不良の凉が呼ばれてもいないのにここにいるのは不愉快に違いない。
だがもし。俺の予測通りなら…おそらくこれから起こることに東雲凉という人物は必要になるだろう。だからここは――
「おっと風紀委員長。凉については俺が保証する。こいつは誰よりも信頼できる奴だ。だから問題ないぜ?」
「綾瀬川聖。しかしだな…」
「それに。ここにいるメンバーは理事長と藍先生を除いて全員が凉と面識がある。ここは俺達の顔を立てると思って我慢してくれないか…?」
俺の言葉に平等院さんは周りを見渡す。湊、杏、兄貴、葵ねぇちゃん。誰もがうんと頷く。
それを見た平等院さん。それに理事長と藍先生はいっとき考え込む仕草をするも、すぐに納得したように頷き返してくれた。
「…仕方あるまい。ここは生徒会長や刑事さん達の顔を立てるとしよう。ただし!!決して貴様の顔を立てたわけではないからな綾瀬川聖!!」
「へーへー分かってやすって。まったくツンデレはこれだから対応に困るんだよ…」
「…っ!?…貴様!!今私のことをツンデレと呼んだな!?」
「ん?それがどうした?ツンデレなのに変わりはないだろ?そうカリカリすんなって!!」
「キ〜サ〜マあぁあああ!!」
「いつまでこんな茶番で時間を食わせる気さねか?喧嘩なら余所でするさね」
「…し…失礼しました理事長」
理事長の一言で平等院さんは一瞬にしてさっきまでの鬼のような形相からいつもの冷静沈着なあの顔に戻る。だが相も変わらず木刀は俺の首に突きつけたままだ。
もしかして俺一生このままなのか…?
まぁだいぶ話はずれちまったけど、どうやらこれでやっと元の話に戻るみたいだな。俺からしてみれば何でも屋としての依頼の話へと――
「…今日ここにお前らを呼んだのは他でもない。最近、校内で発生してるある事件についてだ」
「…やっぱりその話ですか。理事長先生」
話し始めた理事長。その話の内容をだいたい予想していた俺はその話にそう、相づちをうつ。
そしてそれと同時にほとんどの人間が真剣な面持ちとなる。ただ一人を除いて。
「あの〜。こね空気の中誠に申し訳ないんですけど…例の事件て何ですか?」
「…湊。内容を詳しくいえとまでは言わないが事件が起こっていたことだけでも知っとけよな…」
おずおずと手を挙げた学園のアイドル生徒会長こと白草奏に俺は思わずそう呟いてしまう。
あははは…と居心地悪そうに苦笑いをする湊。そんな湊のために俺は説明をするのだった。
「最近学園で起こってる事件。それはな…放課後のほとんどの生徒がいなくなった時間帯に起こる女子ばかりを狙った事件」
「女子ばかり…?」
「簡単に言うとうちの学校では今【レイプ】事件が連続発生してる」
「…っ!?…レイプ?」
俺の言葉にそうとうショックだったのか湊が持っていた俺を締め付ける弦の鞭が緩んでいった。
それにより解放された俺は倒れそうななった湊をやさしく抱き留めた。
「フー…やっぱり。湊ちゃんにはちょっとキツい話だったかもしれないな…」
「えぇ。そうですね…」
そんな俺と湊の様子を遠目に見ながら話す兄貴と葵ねぇちゃんの声に俺は賛同した。確かに湊にこの話は酷だったかもしれない。
こいつは優しいから。こんな話を聞かせたくなかった…。
「…セイ君。レイプ事件って本当に?」
すがるような湊の目。俺はこの目をを前にどれだけレイプのことを否定したかったか…。だが、湊に俺の嘘は通じない。
抱きしめたためか少し近づけば触れてしまいそうな顔の位置。瞳が潤んでるのがよく見える。俺はそんな彼女にゆっくりと応えるのだった。
「あぁ。レイプ事件は本当に起こってる…事実だ」
…もしかしたら今の俺は【昼】の俺より【夜】の俺の方が近いかもしれない。だがそれでも変わらないものがある。
【昼】の俺も【夜】の俺も白草湊のことが――クローバーのことが何よりも大事だということだ。
「…セイ君」
「…大丈夫だ。もう少しだけ支えといてやるから」
「…うん」
「…もういいさねか?」
「あぁ。待たせて申し訳ありません。続けてください理事長」
理事長の優しい声に俺は湊を抱きしめたまま是だと頷く。
ゆっくりと湊を理事長室にある接客用のソファーへと連れて行き楽になるようにソファーに座らせた俺は湊の横に腰を下ろして、ギュッと手を握りしめた。
「…続けるさね。今回の事件。もはやこれは私達教師陣だけで解決できる問題ではなくなってきたさね…まったく情けないことさね…」
「ちょっと待ってください理事長!?それはどういうことですか!?」
理事長の言葉に反応したのは、やはり風紀委員長の平等院さんだった。いつもながらの鬼のような形相でバンッ!!と机を叩くと理事長に詰め寄っていく。
だがそれを制する者がいた。杏だ。
「はいはい。そこはあたしから説明させていただこうかしらね」
「…貴様は成瀬杏。確か学園内で情報屋をやっているらしいが」
「そうさね。はっきり言って私達の情報だけじゃあ頼りないさねから彼女を呼んださね。情報に関してはピカ一だそうさね」
「…うむ。よかろう話を聴こうではないか成瀬杏」
「はいはーい。そりゃあどうも♪じゃあ順を追って話していくわね…」
杏はそう言うと。持っていたノートパソコンを開く。そして凉を呼ぶと何かのケーブルを渡して別の機械に繋ぐように指示した。
その間に藍先生が近くにあったスクリーンを開く。そしてカーテンを閉め電気を消したら…そこには杏のパソコンの待ち受け画面であるアニメキャラクターが写っていた。
「これについては気にしないでね」
杏は鼻歌を口ずさみながら華麗な手付きでソフトを起動していく。すると画面には新たな映像が映し出された。これは――
「学校の見取り図?」
「はいはーい。あたしからの説明を始めるわね。まず最初に今回の事件は12件起こっているわ」
「…?ちょっと待って杏さん。確か事件はうちの学校だけで4件だけのはずじゃ…?」
「甘いわね藍先生。何でこの場に特殊事件捜査犯係の誠さんや葵さんが来てると思ってるんですか?」
「…それは私達から葵に頼んだからで――」
「いいえ。違うわ藍先生。確かに藍先生から葵さんに頼んだのは理由の一つだと思いますけど…それだけじゃあ警察は。それもその中のさらにエリートの特殊事件捜査犯係は動きませんよ?…今回うちの学校に来たのはうちの学校の事件と――最近街で起こってる連続婦女暴行事件との関連性を調べるためです。違いますか?」
「フー…さすがは杏ちゃん。見事な推理だ…」
「えぇ。将来うちの係に欲しいくらいだわ…」
杏の話に兄貴と葵ねぇちゃんは感心したような表情になった。
「話を続けます。さっき言ったようにうちの学校の事件と合わせて街で起こったレイプ事件は全部で12件。これら全てにあたしは関連性があると睨んでます」
「ほぅ。その根拠は?」
興味深そうな兄貴の目線に頷く杏。カタカタとパソコンを弄ると、画面の校舎の見取り図に赤い点が4つ現れた。
「これは…うちの学校で起こったレイプ事件の犯行現場さねな…」
「えぇ。その通りです。そして、この画像をみてください」
再びカタカタと杏がパソコンを弄る。すると今度は4枚の写真が出てくる。だがどの写真にもどこか違和感があった。この場所は――
「これは…?」
「これはレイプ事件の現場となったところの写真です。みての通り人通りが少ない場所となってますよね?」
「…確かに。だがこの手の事件ではこういう所を好んで使うものではないのか?」
「えぇ。その通りよ平等院さん。じゃあ次はこの写真を見てほしいの…」
平等院さんの言葉に是だと頷いた杏は再度カタカタとパソコンを弄る。そして再び別の写真が画面上に浮かんできた。
「…この写真もレイプ事件の現場の写真?」
「おいおい。杏ちゃん。この写真をどこで手に入れたんだよ…」
首を傾げる藍先生。だがそれとは対照的に兄貴と葵ねぇちゃんの顔には冷や汗が流れ出す。まさかこの写真は――
「これはこれまで起こったレイプ事件。すべての現場写真です」
「…これは本当に驚いたわね」
葵ねぇちゃんが苦笑いをしながらハンカチで汗を拭う。やっぱりこの写真はそういうことか。
「こいつは…警察が集めた証拠写真の数々じゃないか…」
「誠さん。私の手にきれば警察のファイヤーウォールなんてなきに等しいんだからね」
「…そういやそうだな」
「でもこのことはくれぐれも内緒でね♪誠さん♪」
「はいはい。分かってるよ。葵もそれでいいな?」
「え…えぇ…」
驚きで固まってしまっている葵ねぇちゃんに兄貴がそう言い聞かせる。これはある意味犯罪じゃないのか?
まぁいっか。兄貴も葵ねぇちゃんも信頼できるしな…。俺はそう思って苦笑いをした。杏の話しは続く。
「と…まぁここからはあたしの勝手な推理なんだけどね…あたしはこの写真全部を見て不信感を抱いたのよ…」
「…不信感?」
杏の言葉に全員が首を傾げる。確かにほとんどの写真に違和感がある。上から撮られてたり、かなり遠くから撮られてたり、中にはコンビニの中から撮られてるやつもある。これはいったい――
俺の頭に浮かぶ疑問符。だが全員に浮かんでいたその疑問はある1人の一言で全てが解決した。
それは――
「…【監視カメラ】」
「…え?」
その声はスクリーンから一番離れた場所。壁により掛かった白髪の俺の親友の一言だった。
「ビンゴ。さすが凉。冴えてんじゃない」
凉の答えに満足そうに頷く杏。そうか。そういうことだったのか!!
「…!?なるほど。杏ちゃん。そういうことか!?」
「そ。そういう事よ誠さん。これがあたしが全ての事件が関係してるとにらんだ理由の1つ。この事件はね…全部【監視カメラ】があるところで行われてたってわけ!!」
『『『『!!!???』』』』
杏の出した結論。これに分かってなかった残りのメンバー全員が反応した。
「…なるほどさね。さっきから感じていた違和感はこういうわけだったさねか」
「みたいね蓮。全然気付かなかったわ…刑事失格ね」
「そんなことないさ葵。俺だって気がつかなかったんだから…でも、確かに言われてみればそうだよな…杏ちゃん。どうして気付いたんだい?」
「簡単よ。そもそも考えてみなさい?事件現場すべてがこんなにあっさり出てきてる時点でおかしいのよ。だからあたしはあれ?って思ったわけ」
「…やっぱり杏ちゃんは刑事向きだな」
ニヤリとした笑みを浮かべる兄貴に同じくニヤリとした笑みで返す杏。そんな2人に俺が割って入った。
「…でも。何で監視カメラがある場所で犯行を行ったんだ?こんな場所でやるよりもっと別の場所でやった方がいいきがするんだけど?」
「…うん。確かにね聖。確かにこんな場所でするよりもっと別の場所で襲った方が圧倒的にいいはずなのよね…。そこがあたしにもいまいち分からないのよ…」
「…だけど。これで事件において大きなことが1つ分かった」
「…?兄貴。それはいったいなんなんだ?」
「聖。それにほかの奴らもよくよく考えてみろ。監視カメラの映像なのに犯行している現場も、犯人の姿も、そして被害にあった被害者も映っていない。これがどういうことか…分かるよな?」
『『『『!!!???』』』』
兄貴の一言。これで俺達は全員一斉に息をのむ。
ほかの町なら絶対に有り得ないこと。だがこの街ならありえてしまうこと。
そう。これは…この事件はつまり――
「【契約者】が関わってる可能性が高いということか…」
「そういうことだ…」
俺の言葉を聞いた兄貴は三本目のタバコに火を付ける。
監視カメラに一切映らない契約者か。これはとうとうただごとじゃあなくなってきたな…。
頼むから――【夜】の事件にだけは…なってくれるなよ…。
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