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運命性三角形

四話目

校舎を後にした俺たちは寮に向かう。

挨拶と儀式が終わり、真野先生は


「家から持ってきた荷物は、寮にある。行けば登録された魔力に反応して自分の部屋に移動するからそれについていけば部屋にたどり着けるぞ」


半信半疑で寮に踏み入れると、そこにはふわふわと浮かぶ羽の付いた俺たちの荷物があった。

近づくと持ち主を見つけたのか、整列して先導しようとしている。


羽で方向を指し示しているのでついていく。

かなりの部屋数があるようで、学年ごとに分かれてるみたいだ。この学園には持ち上がり組と今年から入ってきた俺のような新入りもいる。

中等部からのやつも今年高等部に移ってきたが、先に荷物の移動は済んでいるので持ち物は少ない。


部屋に着くと、先客がいた。どうやら相部屋みたいだ。


「よ、よろしく……」


恥ずかしいようで顔を隠している。

いや、一緒に生活するんだから今隠しても風呂上がりとか寝起きは見えるんじゃないか?という疑問をぐっと飲み込んで話しかける。


「これからよろしくな、俺は阿賀刀真っていいます」


「僕は、五式羽知瑠です……」


「ま、待って、今顔出すから……」


すーはー、深呼吸を何回も繰り返して五式くんは出てきた。


「あんまり……慣れてなくて……ダメなところだとは思ってるんだけど、つい……」


「ん、気にしてないよ。顔見せてくれて嬉しい……手、握ってもいい?」


「手……?いいよ」


「あーくしゅ!これで友達!よろしくね」


戸惑いがちな五式くんの手を握る。緊張が解けるように優しく。


「う、うん……!よろしくね!」


俺の仲良くしたい気持ちが手から伝わったのか五式くんははにかんで握り返してくれた。

なんか小動物みたいでかわいい子だ……!ミルクプリンみたいな白い肌ときれいな夜空のような髪の毛が広がっている。

守らねば……と決意を固めていると、


「あの、晩御飯……一緒に食べに行かない?」


「え、いいのか?俺で」


「うん……!僕は持ち上がり組なんだけど、その時からの友達と約束してて……疲れてなかったら一緒にどうかなって」


「もちろん!お願いします!俺は場所とかよくわかんなかったから助かるよ」


「ふふ、ここの食堂おいしいよ!すごく広いし、メニューもいっぱいあるんだよ」


「おー!楽しみだな!……と、その前に荷物置いてもいいか?後ろからすごい押されてるんだ……荷物に」


羽の付いた荷物がはよせい!と言わんばかりに俺の背中をいつの間にか押していた。

ごめんね!と謝る羽知瑠に手伝ってもらって荷物を置く。

食堂への道案内をしてもらいながら、羽知瑠の友達について教えてもらっていた。


「えっと、すごく明るい人だよ。僕とは違ってハイテンションっていうか……悪い人ではないのは保証するよ!ちょっと慣れるまで時間かかるかもだけど」


羽知瑠の友達は相当なハイテンション、らしい。

ちょっと意外だな、と思っていると


「はーーーちゃんっっっ!!!待ってた〜、よ……ちょっと待って……なにその男!?まさか浮気!?浮気なんすか!?」


「な、なおくん違うよ!?同室の子……!ちょっと!いた、手引っ張っりすぎ!」


食堂の扉の前にいたのがなおくん、こと友人の小尾野直樹くん、らしいが……お、思ったよりもハイテンション……。羽知瑠の周りをバスケのディフェンスのような動きで回っている。手を引かれた羽知瑠もくるくる回っている。

周りからは笑いあう声や戸惑う様子も聞こえてくる、が

どうやら中等部からの付き合いの人たちはあまり気にしていないらしく普通に通りすぎていく。

これがスタンダードなやり取りなんだろうか……?俺も混ざったほうがいいのか悩んでいると、ぱっと小尾野くんが振り向いた。


「な〜んだ、同室になった子か〜!はーちゃんをよろしくな〜!イケメンくん!」


小尾野くんから解放された羽知瑠がふらふらと近づいてくる。

や、やつれてる……。心配だ……。


「い、いこっか……!」


学園生活……大丈夫……か……?



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